日本では劇場未公開映画「探偵クレア 白蘭の女」を鑑賞してみました。
面白いんだかつまらないんだか、サスペンスなんだか官能映画なのか、単純なのか複雑なのか、よくわからないんだけど、最後まで興味を持っていかれて鑑賞した不思議な作品でした。
サスペンスとも言えるので核心には触れず感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含みますことをご了承くださいませね。
Contents
作品概略
原題:The white orchid
製作年:2018年
製作国:アメリカ
キャスト:オリヴィア・サールビー、ジョン・キャロル・リンチ
監督:スティーヴ・アンダーソン
脚本:スティーヴ・アンダーソン
キャスト
クレア(オリヴィア・サールビー)
1986年10月6日生まれ、NY出身
16歳のとき演技の世界に入り、2012年、ポール・ワイツ監督作品でロバート・デ・ニーロ主演の日本未公開映画「Being Flynn」邦題「エグザイル」では、ポール・ダノ、ジュリアン・ムーアと共演。
2017年公開の「プリズン・エクスペリメント」、2018年公開の「スパイ・ミッション」などに出演しているが、高評価作品が少ない印象。
今作では、女性の二面性を好演。
ざっくりあらすじ
フリーで孤独死した老人の財産分与などの調査をしていたクレアだったが、「白蘭事件」と呼ばれている、頭部や両腕が切断された身元が判明していない殺人事件の調査を依頼される。
1度は断ったものの、クレアの腕を買っているビビアンから頼まれて引き受け、被害者の家のカギを託されて調査を始め、クレアはその事件の真相に迫っていく。
感想
画像引用元:IMDb
多分、サスペンス映画なんです。
だけど、眼鏡をかけてダークな色調の服を好み、髪をひとつに縛って調査をするクレアが、身元不明の被害者の家に行ったことから次第に変わっていき、あれ?官能映画的要素もある?と感じた作品でした。
あれ?と感じるところは随所にあったけど、それはそれとして最後までクレアがどうなるのか、ラストに何が待っているのか、被害者は誰で何故無残な姿で殺されなければならなかったのか、という点に興味を持っていかれます。
最初のあれ?
白蘭事件の調査を受けたクレアが、まずは被害者の邸宅を訪れ、唐突にドレッサーにあった真っ赤な口紅を自分の唇に塗ってみちゃうんです。
そんなことする???しませんよね。
被害者がどんな人だかもわからないのに、口紅使います???その唐突な行動が、真面目で堅物、という仮面をかぶっていたクレアっていう人物の本性なのかもしれない、とは感じます。
被害者のクローゼットには、美しいランジェリーやたくさんのウィッグ、引き出しの中には大人が使うおもちゃ的なものもあり、ガレージにはピカピカのクラシックカーがおさまっていました。
小道具から被害者の生活が垣間見えるわけです。
クレアが見つけたモノ
部屋のドア板の上部に小さな箱が隠されていて、その中に小さな鍵が入っていました。
隣人や被害者と交流があったと思われる人たちに聞き込みをしていると、テレサというひとりの盲目の老人に出会い、ジュリエットから預かったものがあるとスーツケースを渡されます。
被害者は、ジュリエットという名前を使ってその街で暮らしていた様子。
クレアが見つけた小さな鍵は、そのスーツケースのモノで中にはぎっしりと紙幣が詰まっていました。
このお金の出所は、後に明かされるんだけど、何故ジュリエットはテレサにスーツケースを託したのか?今ひとつ釈然としません。
謎の電話に謎の女
クレアはジュリエットの家に入り浸り、ジュリエットの服を着て出かけたりしちゃうんだけど、それっておかしくないですか?
何故、そんなことをするのかがよくわからない。
クレアの腕を見込んで調査を依頼した、ビビアンの信用さえ失いかねない行為ですよね。
真面目で堅物なクレアは、本当はずーずーしいオンナなのか?それとも、ジュリエットのクローゼットで見たものに刺激されて、変身願望がむくむくと頭をもたげたのか?
どちらも違うような気がするけど、どっちかを選ぶとしたら後者でしょうか?
ジュリエットの服を着て出かけた先で、髪にダイヤを着けた女性の後ろ姿がクローズアップされるんだけど、この女性が何を意味するのか?そこも謎。
そして、ジュリエットの家にいるときには、家の電話が鳴り、受話器を取ってみると「ハロー、フレア」と聞こえてきます。
慌ててクレアは電話を切るものの、誰がかけてきたのか?最後までよくわからなかったんです。
それより、家の借主が半年も前に亡くなっているのに、まだ電気も通っているわ、電話もつながるわ、っておかしくない??
冒頭に大家が自分の電話を使わせているというようなことを言ってたけど、電話そのものはジュリエットの家の中にあるし・・・うーん、これまた釈然としないんですよ。
ランジェリーまで身につける?
遂にクレアは、ジュリエットのランジェリーやウィッグまで身につけ、その姿を鏡に映して恍惚とした表情。
その時、ドアの外に誰かいる気配を感じ、ジュリエットの銃を手にしてドアに近づくんだけど、いや敵が来たのならまず履いているハイヒールは脱ぐべきだし、ランジェリー姿じゃなくローブを羽織るべきでしょ、とココも突っ込みたくなります。
だけど、クレアのそうした行動が何によるものか、何につながるのか、ジュリエットは一体何者なのか、そんなこんなが気になって見続けちゃうんですけどね。
Hotel Rex
「Hotel Rex」というペンを箪笥の引き出しの奥で見つけたことから、クレアはそのホテルに行ってみます。
そこには、ジュリエットの家にもあった「白蘭」と同じものがあり、事件の真相に近づき、ジュリエットが何者だったかもわかるんですね。
そこまで解明したところで、クレアは事件に絡んでいたと思われる海に花を手向けながら泣いちゃうんだけど、生存中のジュリエットに会ったこともなかっただろうに、何故悲しいのかもよくわからない。
もしかしたら、私に鑑賞眼がないのかも?ものすごく見落としていることが多いのかもしれません。
だけど、混乱するのはまだ序の口。事件の真相が本当にわかるのは、最後の最後なのでそこに至るまで更に意外な展開が待っています。
まとめ
ホテルレックスで犯人と思われる人物に近づくものの、クレアが情事にふけっていた夜、その人物は亡くなってしまいます。
じゃあ誰が犯人?
「あの家に来い」とクレアのケータイに連絡があり、あっさりと犯人と対面することになるんだけど、またそこからも別の結末へと転がるからそれで終わりじゃない。
と、ここまで来て「ハロー、クレア」と電話してきたのは、もしかすると同じ人物?かもしれないことに気づきました。
いやー、複雑なんですよ。すごっく。
ボケーっと観ていると、全くわからなくなるかも。いや、ちゃんと観ていたはずなのに、私は迷子になりました。
しかし、女性ってホント、髪型や服装、メイクでとんでもなく変わるものです。そして、外見が変わると中身も変わっちゃうのが興味深いところ。
サスペンス作品ではあるけど、女性の大胆さや恐ろしさや人には見せていない側面もあるってことを描いた作品だったかもしれません。
あなたはどう思いますか?