Netflixで嵐のドキュメンタリーが配信された2019年。1話を観たときにはそれほど興味が沸かなかったのに、時を経て全23話を観たくなる心境の変化が生じました。
特に嵐ファンではなかったものの、活動を休止することがわかり、土曜日の「嵐にしやがれ」を見るようになり、彼らの明るく素直な様子に惹かれていきます。
いつの間にか、youtubeをチェックするようになり、大晦日に配信されるライブまで申し込んでしまいました。
ファンではなかったひとりのおばちゃんすら魅了する嵐の力って、一体何なのか?
その一端がNetflixの嵐ドキュメンタリー「Voyage」を見ることで、わかったような気がします。
嵐ドキュメンタリーNetflix「Voyage」
全23話、22話と23話は12月30日に配信され、日時は未定ですが、2021年には追加エピソードの配信が決定しています。
感想
2019年に活動休止が発表されてからの約2年間を追い続けた今作は、嵐の歌や踊りが凝縮された作品ではなく、活動の裏側や打ち合わせの様子、それぞれへのインタビューなどでまとめられています。
最初は、淡々とメンバーの姿を追い、彼らの話しを聞いているだけに飽きてきたりしたんだけど、イヤイヤ実はそこにフォーカスした作品だったからこそ深かったんだと後になって感じました。
見れば見るほど、彼らが国民的アイドルと言われ続けた理由がわかってくるし、5人いて嵐というグループではあるけど、それぞれの異なる個性の集合体であるからこそ魅力的。
世間では5人が仲良し、と言われていて、それって表の顔じゃないの?という穿った見方をする輩も未だにいるだろうと思います。
だけど、楽屋や打ち合わせ中、移動の車や飛行機の中でまで表の顔でいられるでしょうか?
きっとね、終始カメラが回っているストレスがものすごくあったと思うんですね。
そんなストレスを抱えてもドキュメンタリーを撮ったのは、長年支えてくれた何よりものファンへの感謝の気持ちからだったのではないでしょうか。
国内、そして世界中からの皆さんの素敵な投稿、拝見しています!沢山のありがとうをありがとう‼️
We’re seeing so many incredible messages from fans in Japan and around the world!Thank you for all your continued love and support!#嵐 #ARASHI #嵐からみんなにありがとう #ThankYoufromARASHI pic.twitter.com/934GZIvw8O— ARASHI (@arashi5official) December 30, 2020
何故ケンカをしないのか?
世の中の人も嵐は仲がいいという認識で、だからこその人気だったりもするし、本人たちもケンカは1度もしたことがないと言っていました。
それって何故?と思っていましたが、各自が他のメンバーをリスペクトしていること、尊重しながら踏み込まないことなどによるのではないでしょうか。
そりゃあね、腹が立つことが皆無ってわけじゃないんです。
実際、大野くんに対して松潤が「めっちゃムカついた」と語っていた場面もあったんですね。(もしかしたらyoutubeで観たのかもしれないけど・・)
で、めっちゃムカついた松潤はどんな行動に出たのか?
黙ってその場を立ち去るんです。賢いですよね。でも、大野くんは自分が悪いことをわかってる、そして松潤に対して申し訳ないこともわかってる。
決して自分の考えを主張しすぎないことが、争いを生まない原点になっているんですね。
アジア4都市緊急記者会見
2019年11月にジャカルタ・シンガポール・バンコク・台北の4都市を専用機で巡る様子を13話で追っています。
4都市をたった2日で回り、睡眠や食事は飛行機の中。
トップアイドルってすごすぎます。
10代、20代の体力があるお年頃ならまだしも、ダンスを踊るためにトレーニングをしているだろうとは言え、30代後半になった彼らにダメージがないはずがない!と感じました。
それでもどの都市でも大歓声で迎えられる彼らは、疲れた顔を見せずにファンたちに笑顔を見せるんですね。
その笑顔を支えているのは、ファンに対する感謝だと言っています。
そりゃあね、感謝することは大事です。感謝の気持ちがないヤツは、どんなに売れようが事件を起こしてあっという間にブラウン管から消えていきますからね。
だけど、その過密スケジュールを見ていると、大野くんが自由になりたい、と言ったことは自然の流れだったんだろうなと思えてきます。
30代後半と言えば、サラリーマンでも中核で働き盛り。一番、能力が発揮できるお年頃と言えるかもしれません。
それでも、休日になればのんびりできるサラリーマンと違って、彼らは何をしてもどこにいても注目されてしまうわけで、そうした日常に疲れてしまっても仕方ないかな、と感じました。
誰もおごらない
桜井くんは付属から慶応で家柄もよろしく、言ってみればおぼっちゃま。
そんな境遇の人は、たまにとんでもなく人を見下す輩もいらっしゃる。だけど、桜井くんにはそうした部分を一切感じられません。
きっとご両親の育て方がよかったんだろうなぁと、しみじみ思いました。
このドキュメンタリーを観て初めて知ったんだけど、嵐のコンサートは全て松潤がプロデュースしていたんですね。
他のメンバー全員がそのことに対して絶大な信頼を置いているんです。俺にもやらせろ的な争いは一切ない。
非常に細かい演出や指導にも、他の4人は黙々と従います。素晴らしい絆と連携だと感じました。
アーティストとしても高い能力を評価されている大野くんにしても、それを絶対にひけらかしたりしない。第39回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞したニノも同じ。
他のメンバーの活躍をそれぞれが家族のように喜び、リスペクトし、それがまた嵐の活動の栄養になっているように感じます。
努力家で真面目だと言われている相場くんは、テレビで見られる明るい笑顔とは裏腹に、スタジオでひとり汗を流し、黙々とダンスの練習に励んでいました。
アイドルや歌手を夢見る若者はたくさんいると思う。だけど、嵐と同じようなスケジュールをこなし、周りの人たちに感謝の気持ちを忘れず、どんなに有名になろうと努力を怠らないで活動を続けられる人がどれだけいるでしょう。
その違いが明暗を分けるのかもしれない、とも感じました。
嵐のメンバーたちってステキすぎる
全ての回において、各自にインタビューをしているんだけど、インタビュアーの質問は音声になっていないため、メンバーだけの話しが耳に入ってくることで、より内容が沁みてきます。
そして、それぞれがとても嵐を大事に思っていること、嵐の一番のファンは嵐のメンバーたちであること、それが私たちにも伝わってくるからこそ応援したくなるんだと思いました。
例えば、スマップはキムタクが一番人気だったように、他のグループは人気の明暗が分かれていることが多いと思うんですね。
だけど、嵐のメンバーは多分、それほど差がなく応援されているように感じます。
だからこそ争いにもならず、個性が違うからこそ尊重しあえた、と言えるかもしれません。
まとめ
12月31日の「This is 嵐」の配信ライブを申し込みました。最後ですからね。
そして、2021年になったらもう1度ゆっくりと「Voyage」を見直してみたいなと思っています。
毎週、「嵐にしやがれ」を楽しみにしていたし、「VS嵐」も見ていたし、にわかファンの私でさえ一抹の寂しさを感じるのだから、ずっと応援してきたファンたちはどれほど寂しいかと。
解散したのではないにしろ、圧倒的に露出は減っちゃいますものね。
でもね、考えてみれば彼らももうすぐ40代。アイドルと呼ぶにはおっさんです。
2時間にも及ぶコンサートでの連続のダンスや身体を張った演出は、年々きつくなってくるでしょう。
そう考えると、ものすごくいい機会に休止を決めたようにも思います。
少しゆっくりしてもらって、ステージはそれぞれに異なるとしても、更なる活躍の場が見られることを期待して陰ながら応援し続けたいと思いました。