ダンス好きですか?私は大好きです。でも、残念ながら踊れません。
だからこそ、心惹かれたのがNetflixオリジナル映画の「Let’sダンス」。実にシンプルなタイトルです。
しかもポスターの躍動感が素晴らしく、つまらなかったら途中で止める、というスタイルで観られるのも動画配信のいいところなので、とりあえずはトライ。
ストーリーは平凡だし、有名な俳優が出ているわけでもないのに、ダンスシーンが素晴らしくて釘付けで観ちゃいました。
個人的には高評価だったので、早速ご紹介したいと思います。
Contents
Let’sダンス 概略
原題:Let’s Dance
製作年:2019年
製作国:フランス
キャスト:ライアン・ベンセッティ、アレクシア・ジョルダーノ
監督:ラディスラス・チョラット
恋愛、友情、家族の絆、才能、挫折と栄光、などなどテンコ盛りなヒューマンドラマ。
ライアン・ベンセッティに注目
ダンサーのジョセフを演じたイケメンフランス人俳優に注目!してみました。イケメン好きなおばちゃんとしては、この青年は見逃せませんっ。
1993年4月9日生まれ、フランス出身。家族はアルジェリア出身。
子どもの頃から「カルフール」「マクドナルド」「トイザらス」など、大手企業のCMに出演経験あり。
2008年ごろから俳優として活動し始め、2013年から2016年にフランス国内で放送されたテレビシリーズ「Pep’s」に出演したことで知られるようになります。
今作では見事なダンスを披露していますが、実際にダンス経験があり、2014年には大会での優勝を果たしているようです。
今作に出演する以前のダンス動画がこちら。しなやかでセクシー。
フランス俳優の代表と言えば「アラン・ドロン」になっちゃうんだけど、今なら誰ですかね?どうも日本では、フランス人俳優で有名な人が少ないような気がするんだけど、どうでしょうか?
そんな私のイメージを覆して、ライアン・ベンセッティさんの今後の活躍を期待したいです。
ざっくりあらすじ
有名ダンサー:ユーリのクルーとしてダンス大会に出場するため、パリにやってきたジョセフとカリム、そしてジョセフの彼女のエマ。
ところがユーリと喧嘩になり、エマとも別れ失意のどん底のジョセフ。
そこで頼ったのがパリ在住の母親の元カレ:ニコ。ジョセフとカリムは、ニコの家に居候し、ニコが働いているバレエスタジオで講師を務めることに。
バレエスタジオで出会ったダンサー:クロエとの出会いとニコの愛情あるアドバイスで、ユーリのダンスは超えられないと思っていたジョセフが変わっていきます。
クロエとの恋の行方は?ジョセフのダンスの才能は?ニコとの関係は?
「Let’sダンス」感想
感想にはネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。
ダンスでハートが鷲掴み
私は踊れません。だけど、ダンスや音楽が大好きです。ダンスは体を使って表現するアートであり、音楽は音で表現するアートですよね。
バレエ、ヒップホップダンス、フラダンス、盆踊りと例えジャンルが違おうと、ダンサーたちは踊っていることが好きで、踊ることで自己表現できる喜びを感じているところは一緒。
夢中になれる何かがある、というだけで素晴らしいことです。
冒頭からワクワクするダンスシーンが展開され、パリに到着したジョセフとカリムの大会に向ける高揚感も伝わってきちゃいます。
ヒップホップダンスの世界では有名人なユーリのクルーに加えてもらおうと、ジョセフたちがスタジオを訪ね、まずはジョセフがデモンストレーションをするシーンなんぞ圧巻です。
あなたは鳥ですかっ?!と思うほどの跳躍、駒ですか?!と感じるほどの回転、これらはカメラアングルによる演出も大きいけど、それによってぐっとハートが鷲掴み。そして映画の世界へとずっぽり引きずり込まれていきますからね。
ジャージ姿がカッコイイって!
唐突ですが、ジャージをかっこよく履きこなせる男子って、かっこいいと思いませんか?私だけ?
ジャージってのは、まあ体操着みたいなものですが、実はこれヒップがキュッと上がっていないとかっこよく履きこなせないんですね。
まあ、どうしようもない人種的スタイルの違いってのはあるけど・・・ジョセフのジャージ+タンクトップ+キャップという出で立ちがしびれます。
ヒップホップダンスってのは、ご存知のようにアメリカで生まれたストリートダンスで、そのファッションも爆発的に流行しましたよね。
でも、なんとなくジョセフのファッションにはフランスの香りがします。
ダンススタジオではサルエルパンツにタンクトップ、色も抑え目、シンプルで機能的。それのどこがフランスの香りなの?と言われちゃうと上手に説明できないんだけど、いわゆるアメリカのストリートファッションとはちょっと違う感じ。
イケメンだからって、評価甘くなってんじゃないの?と指摘されちゃったら、否定はできませんけどね。
ジョセフ、ピンチ!
ジョセフの彼女だったエマがユーリに心変わりしたことが理由で、ダンスチームのリーダーだったユーリと喧嘩別れ。
ま、よくある話しですけどね。才能を感じられる男に、女は弱いってことです。
窮地に立たされたのは、ジョセフと相棒のカリム。これからどうする?ってことになっちまったわけです。
大会に出場するためにパリに来たんだから、諦めないで頑張ろうぜ!ということにはなるものの、ダンスの振り付け経験がないジョセフには、そこからが勝負。
動画でユーリのダンスを研究しては、振り付けをアレンジしてみるものの、そこにはオリジナル性が皆無なわけです。
そんなジョセフを救ったのが、母親の元カレ:ニコ。
激情型ニコはものすごくいいヤツだった
若者が奮闘しながら成長していく物語には、「マイインターン」でロバート・デ・ニーロが演じたベンのように、必ず陰ながら助けてくれる大人が登場するじゃないですか。
今作では、それがニコです。
最初は突然現れたふたりに迷惑そうではあったものの、練習のためにスタジオを提供したり、バレエスタジオの経営者には許可も取らずにジョセフとカリムを講師にしちゃったり、ジョセフが振り付けで悩んでいる時、街に連れ出してヒントになるような助言をしたりとアクティブなヘルプをしていきます。
キャラクター的には、ニコがイチバン好きだったかも。
困ったことになると暴言吐いたり、大声で怒鳴ったりするんだけど、それはニコが素直だからだし、全てに「愛」があるんです。
大人になると考え方がどんどん頑固になったり、物の見方が狭くなったりするのは私自身も感じているところではあるけど、反対に経験値は若者より豊富だから、絞り出そうと思えばネタは豊富に持っているわけです。
それを愛するもののためなら、惜しげなく披露するし、使い切るし、恥ずかしいこともバラしちゃいますよ、ってことなんです。ただし、誰のためでもできることじゃなくて、本気で助けたい!と思った人に限りますけどね。
境界線なんてない
ヒップホップダンサーにとってバレエは、決まりきったルールの中で踊る退屈なダンス。バレエダンサーにとってヒップホップは、理解不能な動きをする難解なダンス。
最初は、どちらも相容れないんですね。
だけど、体を使って表現するアートである、という大きな共通点があるから、お互いにその楽しさを理解していくんです。
ジョセフが大会のために編み出した振り付けは、バレエとヒップホップの融合です。バレエを取り入れたヒップホップダンスをみんなで楽しそうに踊っているシーンは、誰でも気持ちがアップすると思うなぁ
「ホワイトクロウ伝説のダンサー」「ブラックスワン」「くるみ割り人形」もバレエシーンが素晴らしい作品です。
私もね、若い頃は自分が好きな人、好きなこと、価値があると評価していること、興味のある分野しか見えていなかったけど、視野を広げてみると、思いがけない楽しいことや好きなことが見つかったりするんですね。
運動嫌いだった私が、今は完全なジムオタクになっていますから。
食わず嫌いは損をする、ってことをこの映画でも学べます。
そして、食わず嫌いを克服したからこそ、新しい恋も生まれるってもんで、恋をしたかったら「あの人、好みのタイプじゃないし」という思い込みを捨てるのも一案かもしれませんよ。
まとめ
失敗のない人生もないし、苦悩しない人生もない、そんなことはわかっちゃいるけど失恋は痛手だし、失敗は悔しい。
でもね、誰でもが通る道なんです。そして失敗は成功の基、という言葉があるように、失敗によって学べること、得ることがたくさんあるんだな、と気づかせてくれる作品でもあります。
クロエのばーちゃんが、恋について語るシーンがあるんだけど、これがまたいいこと言ってるんです。
恋愛映画は苦手だけど、今作は若者の奮闘劇の中で自然に恋が絡んでくる感じなので、人のイチャイチャにうんざり・・・という感じでなかったからオッケーでした。
内容は比較的平凡だけど、誰でもがぶち当たるであろう恋の話しとか、家族の話しとか、好きなことに対する自信のなさが描かれていてさらっと鑑賞できる1本です。