動機が不純ですけどね、映画「THE INFORMER/3秒間の死角」のポスターになっていた主役のジョエル・キナマンが好みのイケメンで、これが気になって観に行ってきました。
かっこよかったですねぇ。大満足です。
映画としても、FBIに協力していたのにトラブルになったからと、あっさり切り捨てられて絶体絶命の窮地に陥ったものの、心ある人たちの協力もあって何とかなったよ、というハラハラしながらもホッとする作品。
このハラハラ感がたまらなくて、サスペンス系の作品を観に通ってしまうんですよね。
それでは、核心に触れず感想を綴ってみたいと思いますが、感想にはネタバレも含みますことをご了承くださいませね。
Contents
映画「THE INFORMER/3秒間の死角」概略
原題:The Informer
製作年:2019年
製作国:イギリス・アメリカ・カナダ合作
キャスト:ジョエル・キナマン、ロザムンド・パイク
監督:アンドレア・ディ・ステファノ
原作:アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム
製作:ベイジル・イバニク、エリカ・リー他
英国推理作家協会賞やスウェーデン最優秀犯罪小説賞などを受賞したアンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムのベストセラー小説「三秒間の死角」が原作。
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キャスト
FBIの情報屋:ピート・コズロー
ジョエル・キナマン
スウェーデン・ストックホルム出身。2002年に俳優としてのキャリアをスタートし、「スーサイド・スクワッド」や「チャイルド44 森に消えた子供たち」に出演していたようですが、どちらも見たけど残念ながら記憶に残っていません。
しかも、映画.comのジョエル・キナマンのページに使われている写真は、イメージがガラガラと崩れ落ちるほど酷い・・・。
多分、髪型と中途半端な髭の長さのせいだと思うんだけど、人って髪型ひとつでこんなに変わっちゃうんですね。
今作では、バリバリにタトゥー入っていて、刑務所の中では上半身裸になって見事な筋肉も披露していましたが、デカい!という印象だったので、身長を調べてみたら189センチもあるんですね。
あの筋肉、そしてあの顔、そして高身長、言うことなしのイケメンです。
Netflix配信の「ハウス・オブ・カード 野望の階段」にも出演しているらしいから、これは観なくちゃダメだわ。
眉間にしわを寄せるとちょっと陰のある更にいい男に成り上がっちゃうので、今後もアクション系、追われる系、戦う系、チョイ悪系での活躍を期待したい俳優です。
FBI捜査官:ウィルコックス
ロザムンド・パイク
ピートの協力の元、麻薬組織のボスを捉える現場指揮を取っていたFBI捜査官:ウィルコックスを演じていたのは、「プライベート・ウォー」でメリー・コルヴィンを演じたロザムンド・パイク。

全然同じ人物だと思ってなかったですよっ。やっぱり俳優って、すごいですよねぇ。
メリー・コルヴィンもウィルコックスも使命感に燃えて、現場に立つ最前線のオンナだったけど、ちょっとタイプが違っていて、ウィルコックスは組織の人間だから、上からの絶対的命令とピートを情報屋にした責任との板挟みに悩んじゃう。
でも、最後にウィルコックスが下した決断は、カッコよかったんですよ。
NY市警の捜査官:グレンズ
コモン
「ヘイト・ユー・ギブ」では主役スターの母親の兄弟役として、「ハンターキラー 潜航せよ」では海軍少佐、「スーサイド・スクワッド」ではギャング役と数々の作品に出演歴があるけど、元々は歌手として1992年にデビューし、グラミー賞の受賞経験もある実力派。


ざっくりあらすじ
刑務所で模範囚だったピートは、FBIからの取引で情報屋として極秘裏に捜査協力することで釈放になる。
その任務としてピートは麻薬組織への潜入し、4年に渡る捜査が実を結ぶという麻薬の取引現場に踏み込もうというとき、取引相手がNY市警の潜入捜査官だったという予想外の事態に見舞われFBIは撤収。
ピートは助け出されることなく置き去りにされてしまう。
そして、麻薬組織のリーダーからは、刑務所内で麻薬取引を仕切るよう命令され、再び刑務所へ。
取引の際、相棒を売人に殺されてしまったNY市警のグレンズが独自に捜査を始め、FBI上層部はピートを切り捨てるようウィルコックスに指示。
さあああ、刑務所にいるピートの運命やいかに?!
「THE INFORMER/3秒間の死角」の感想
感想にネタバレは含みますが、核心部分には触れずに綴ってみたいと思います。
ピート ピンチの連続
観ようと思い立った動機は不純でしたが、FBIやCIA、スパイもの、捜査系の映画は大好物なので、大いに満足して帰ってきました。
しかし、何をやってもピートはドツボなんです。次から次へと災難に見舞われ、どうして貧乏くじばっかりひいちゃうの?って感じ。
まあ、だからこそ映画としては緊迫感も生じ、その後が気になって面白いんですけどね。
そもそもピートが刑務所に入ったのは、妻のソフィアが絡まれたところを助けに入り、どうやら人を殺してしまったことによる様子。
過剰防衛だったのだろうけど、根っからの悪人で刑務所にぶち込まれたわけではありません。
そして、特殊部隊の兵士だったこと、模範囚だったことから、ウィルコックスから情報屋としての話しを持ち掛けられて受けちゃったわけだけど、これがまずかったよね。
早くシャバに出られて家族に会えるなら、協力しまっせ、てなもんだったのかもしれないけど、妻も娘も危険に晒されてしまいます。
それでも、夫を信じて待つ健気な妻。かわいいんです。
キューバ出身のアナ・デ・アルマス。2020年公開予定の「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」にも出演予定になっています。要注目!ですかね。
FBIが踏み込む予定になっていた取引現場に現れたのは、NY市警の潜入捜査官。それを少しの会話で見抜いたピート。捜査官を助けようとしますが、一緒にいた組織の人間が、いとも簡単に撃ち殺してしまいます。
部下を殺され、その捜査をしていたグレンズが、防犯カメラの映像からピートに行きつき、妻のソフィアの元へ話を聞きに行きます。
その時グレンズが「俺は味方だ。信じてくれ」と言うと、ソフィアは「ピートが私を助けようとして人を殺して刑務所に入ったときから、誰も信じられない」というようなことを言うんですね。
ソフィアは、そこからきっと安心して娘と暮らせる平和な毎日を失ったのかもしれず、心の叫びだったのでしょう。刺さります。
妻への家庭内暴力を偽装して、刑務所へ舞い戻ったピート。この刑務所が恐ろしいったらないんです。
顔までタトゥーが入った人、見るからに強そうなガタイのいい男、にらみを利かせてピートの入室を見ています。
刑務官だって決して味方じゃない。ホントにあんな環境なんですかね?
スペインの女子刑務所を描いた「ロック・アップ/スペイン 女子刑務所」でも、癖のある女性犯罪者たちが派閥争いやら、麻薬取引やら、気に入らない奴を陥れようとしたりと、様々なもめごとがあってかなり面白いけど、男子になると更に恐ろしさが加味されるように感じます。

3秒間の死角とは?
副題になっていて、小説の日本題にもなっている「3秒間の死角」が何なのか?鑑賞後にずっと考えていたんですね。
絶対絶命の崖っぷちで、ピートは気づく。唯一逃げられる一瞬の死角があることに──果たして、ピートの脱出劇の行方は?
オフィシャルサイトより
オフィシャルサイトにこう書いてあるので、多分ピートが絶対絶命の追い詰められた状態から外に出る作戦を考えて実行した「移動の瞬間」のことかな?と思います。
そこを語っちゃうと、ピートがどうして窮地を乗り越えたかがわかってしまうので、そこは観てのお楽しみってことで。
ムカつく上司
次から次へと災難が降りかかるピート。そして、上からの指示でピートを切り捨てるように言われるウィルコックス。
ウィルコックスは、上の指示に従わないと、自分の立場が危うくなります。
ウィルコックスの上司ってのが、すごくムカつくんですね。己はしっかりと守りつつ、何でも人のせいにする。上司の風上にも置けない奴です。
それに比べると、新人だったのに潜入捜査に行かせた部下を殺した犯人を捜すグレンズは、骨のある上司に見えてきます。
組織の上に立つ人だって、若かりし頃は現場にいたかもしれないわけで、いや、もしかするといわゆる上級職ってヤツで、現場を経験せず管理職になってってことかしらね?
現場を経験していたら、協力してくれる人の命を粗末にすることなんてできないって、と腹が立つわけです。
ピートから「ヘルプ」の連絡が入っても、ウィルコックスは上からの命令があるから無視しちゃう。そのシーンでは、お前もか・・・とがっかりしますが、最後の最後にウィルコックスの良心が勝つんです。
やったー!って感じ。
まとめ
巷のレビューや評判はそこそこの評価のようですが、私は大満足でした。
大勢の人が殺されるわけでもないし、大掛かりなアクションがあるわけでもなく、ピートが巻き込まれる事件を軸にストーリーは進んでいきます。
若干、唐突かな?と感じる場面があったりもしたけど、地味に何とか乗り越えていくピートと、それを陰で支えているソフィアを応援したくなる映画でした。
ま、何よりジョエル・キナマンがかっこよかったので、それを観ているだけで大満足でしたけどね。
まだまだ出演作が少ないし、この作品も上映館が少なかったので、今後の活躍に期待したいところです。どうやら2020年には2本の映画出演が決まっているようです。
楽しみだ。