大好きです。映画「ハンターキラー潜航せよ」
細かい米海軍と国防総省の関係性とか、ロシアとアメリカの立場とか、潜水艦の性能や機能とか、事実との相違点等には、全くこだわらない私としては、緊張感ありつつハラハラしつつ、気づけば膝の上のバッグを握りしめて観ていたこの作品は、文句なく大好きです。
そもそも映画なんてのは、娯楽なんだし、好きだ!面白い!スッキリした!と感じられれば、それでよし!と思っております。
というわけで、潜水艦が好きじゃなくても、ハラハラドキドキしながら「よかったぁ~」とホッとしつつ、ジーンとする最後が味わえる映画が好きなら「ハンターキラー潜航せよ」おススメです!
ぬおー、むちゃくちゃ面白いぞ『ハンターキラー』!極上ノンストップサスペンス+胸アツシーンもたっぷりで下手したら泣くよ!最近ストレス溜めがちなそこの貴方、こいつは効きまっせ!#ハンターキラー潜航せよ https://t.co/2PfGkusaIb pic.twitter.com/FAYZp94A3l
— 矢田部吉彦 (@yoshiyatabe) 2019年4月12日
「ハンターキラー潜航せよ」について、同じように感じていた方がいて嬉しいです!
では、バッグを握りしめて観ちゃった感想を綴ってみたいと思います。感想はネタバレ含みますことをご了承くださいね。
Contents
作品の概略
ロシア近海で1隻の米海軍原子力潜水艦が姿を消した。
ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜“ハンターキラー”は捜索に向かった先で、無残に沈んだロシア原潜を発見、生存者の艦長を捕虜とする。
同じ頃、地上ではネイビーシールズ精鋭部隊の極秘偵察により、ロシア国内で世界を揺るがす壮大な陰謀が企てられていることが判明する。
未曾有の緊急事態を回避するため、ハンターキラーには限りなく0に近い成功率の任務が下る。それは、絶対不可侵の水中兵器ひしめくロシア海域への潜航命令でもあった。
グラスは任務遂行のため、シールズとタッグを組み、禁断の作戦実行を決断するが・・・。世界の運命は、一隻の潜水艦に託された――。
オフィシャルサイトから
米海軍原子力潜水艦の元艦長ジョージ・ウォーレスと、ジャーナリストで作家のドン・キースが共同執筆で2012年に出版した小説 “FIRING POINT”が絶賛され、アメリカでベストセラーに。
その映画化権を『ワイルド・スピード』シリーズ製作陣が獲得して、米国防総省と米海軍の全面協力を実現させた作品が「ハンターキラー潜航せよ」というわけです。
アメリカに救出され、捕虜となったロシアの艦長は、アメリカで「ドラゴンタトゥーの女」として公開された作品の元になったスウェーデン『ミレニアム』シリーズで主役のジャーナリストを演じていたミカエル・ニクヴィスト。
大ヒット公開中‼️
『#ハンターキラー 潜航せよ』『ミレニアム』シリーズや『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で活躍したスウェーデン🇸🇪の名優 #ミカエル・ニクヴィスト はロシア軍潜水艦の艦長役で出演👨✈️残念ながら2017年に56歳の若さで逝去。本作も遺作の一つとなりました😢 pic.twitter.com/iBWMNr2VdX
— 映画配給会社 ギャガ株式会社 (@gagamovie) 2019年4月14日
ミカエルさんは、2017年6月27日にガンで亡くなり、この映画は死後の公開になったそうです。
話しは逸れるけど、アメリカの「ドラゴンタトゥーの女」は大好きな作品のひとつで、スウェーデン版の全3話からなる「ミレニアム」シリーズも非常に面白いです。原作も更に面白いのでおススメです。

ジェラルド・バトラーにフォーカス
潜水艦の艦長ジョー・ダグラスを演じたのが、ジェラルド・バトラー。めっちゃ渋いです!「俺を信じろ」なんて言っちゃう。ハイ!信じます!いかにも頼りがいありそうだもん。
アラフィフ男子の俳優陣、素敵なおじさん多いと思うのは私だけでしょうか?
ジェラルド・バトラーもそうだけど、ジェイソン・ステイサム、ダニエル・クレイグ、ブラッド・ピット、ベン・アフレックなどなど。
あー、また話逸れちゃったけど、映画を観る楽しみのひとつとしては、誰が出ているか?ってのもあるじゃない?ま、個人的な好みってことかもですがね。
アクション映画に出演作が多く、「ジオストーム」ではバリバリにアクションかましていましたが、この作品にはジェラルド・バトラーのアクションシーンは全くありません。
「ハンターキラー潜航せよ」の出演オファーをもらって引き受けてから、撮影前にパール・ハーバーへ行ってヴァージニア級原子力潜水艦に乗船して海に出て数日過ごし、さらに海軍の技術顧問であるラッセル・クーンズから指導を受けてきたんですって。
プロ魂です!
個人的には、泳げないから足がつかない水の中は絶対に入らないし、狭いところは苦手だし、どちらの要素も持っている潜水艦なんて、死んでも乗りたくないけどね。
感想
以下、ネタバレ含みますことをご了承くださいね。
その1 観るなら握り締める物を持参せよ!
ハラハラドキドキ系の映画は大好物。その好みを存分に満足させていただきましたね。
魚雷来ます。爆弾飛んできます。浸水もします。海図にないところをロシア艦長の指示で抜けていきます。もうダメかも・・・でも、ここでダメになったら映画として続かないからダメになるはずないけど、どうやって切り抜ける?
艦長の「船体のペンキが剥がれない程度に近寄れ」という指示には、えええー!潜水艦はそんなミリ単位での操縦が可能なのかっ?!とびっくりしましたし。ホントなの?
という場面が何度も訪れ、そのたびにギュッと手に力が入っちゃうわけです。
だから、安心して握りしめられる「何か」を持参していった方がいいと思うよ、ってことです。
その2 ロシア軍部のクーデター
極秘任務として送り込まれた陸の部隊である精鋭チーム4人は、雷が鳴り響く中パラシュートでロシア近郊に着地。最新の機器を駆使して、ロシア海軍基地の様子を撮影してみると、大統領の側近が射殺され、海に放り投げられているじゃありませんかっ!
それは、大統領を人質にして、ドゥーロフ国防相が企てたクーデターによるもの。
アメリカの国防総省では、統合参謀本部議長であるチャールズ・ドネガンは開戦を主張するが、海軍の作戦を監督するジョン・フィスク少将は、ロシア大統領を保護することで開戦を避けられると主張。
大統領のどちらの体勢も整えて進める案を受け、陸部隊はロシア軍に囚われている大統領を救出する任務を遂行する。
ここ!緊張感あります!
だって、ロシア軍の司令部に精鋭部隊とは言え、たった4人で乗り込むんですよ!更に、精鋭部隊の新人くんは、乗り込む前に脚を負傷したから、実際に行動するのは3人。
その3 散歩っすよ
たった3人でどうやって救出するの?無理だろー、って話しなんだけど、やっちゃうのがステキなところ。
海から泳いでロシアのポリャルヌイ海軍基地に侵入する作戦。3人が海に飛び込む前に
「さくっともぐって、さっさと泳いで助けるか」
「散歩っすね」
って・・・そんな会話をして笑うしかない緊張感。いいよねぇ~、その軽い会話に、男らしさと強さが滲んでいてステキです!
ちなみに、大統領が人質に取られていて、精鋭部隊3人が泳いで渡ったロシアのポリャルヌイ海軍基地は、黒海沿岸の町ヴァルナにあるブルガリア海軍基地で撮影されたんだそうです。
その4 水の男:艦長ダグラスの言葉少ない説得
沈んでいたロシアの小さな潜水艦みたいな中から、3人のロシア人を保護するんですね。
ロシアに海から近づくためには、まるで吊るされた風鈴と刺さったロリポップのように、無数に仕掛けてある海中爆弾の中を潜水艦をすすめて行かなくちゃならないんです。
ここ、緊張感!
だけど、実際目で見て確認できるわけじゃないから、ロシアの海をよく知る保護したロシア人艦長にダグラスが助けを求めるわけです。
でも、ロシア人艦長にしてみれば、敵を助けることになるわけ。その時、ダグラス艦長は言葉少なに「人としては、きしむ鋼の音と孤独を感じてきた同じ水の中の男。」みたいな心に響くであろう説得をするわけです。
痺れるよねぇ~。
副館長は、敵陣を指令室に入れることを猛反対するも、ロシア人艦長は騙すことなくアメリカの潜水艦を誘導します。同じ水の中の男だったわけです。
その4 ロシア人艦長が育てた部下たち
でも、アメリカの潜水艦はロシアに近づきすぎたことで、攻撃され、遂にはロシア艦船に捕捉されてしまい、ドゥーロフ国防相から攻撃命令が出たところで、ロシア人艦長がロシア艦船に
「私はアンドロポフ艦長」
と連絡を入れ、船に乗り込んでいる部下たちの名前をひとりひとり呼んでいくと、乗組員たちが姿勢を正し、攻撃命令に従いません。
いいよねぇ~、こういう部下と上官の信頼関係。好きです。
この時には、もうすでにロシア大統領が助かったことをアメリカもロシアも知っていて、開戦は避けられた・・と思いきや、ドゥーロフ国防相が無謀な行動に出るんだけど、そのときアメリカの潜水艦を救ったのは、意外な人たち!
誰か?ということまで書いちゃうと見る楽しみがなくなるので、そこは映画を観に行ってみて!
まとめ
冒頭にも書いたように、実に好みの作品でした。続けて実話を基にした作品ばかり観ていたところだったので、ドキドキハラハラ作品に飢えていたため、非常にスカッとしました。
人のアクションシーンは、陸部隊がロシア人相手に繰り広げる場面もありましたが、これは潜水艦アクションとでもいいましょうか。とにかく、鉄の塊である潜水艦が、艦長の細かい指示で海の中を縦横無尽に動くなんて、驚きの連続です。
オフィシャルサイトに書いてありましたが、潜水艦テクノロジーの急激な発展という現実に、フィクションが追いつくことができなくなった結果、潜水艦をテーマにした超大作映画が洋画市場の新作ラインナップから姿を消した理由だそうです。
この作品は、〈本物の潜水艦モノ〉を成功させるため、米国防総省と米海軍の全面協力を実現させた大作になっています。でも製作はイギリスなんですけどね。
米海軍てすごい!を押し出している感はあるけど、個人的にはそんな「これ見よがし」も結構好きです。