実話を基にした作品

実話を基にした映画「ヴィオレッタ」ネタバレ感想|美少女も母も愛されたかった

日本でも2014年5月に劇場で公開されている何年も前の作品ですが、映画「ヴィオレッタ」をU-NEXTで視聴しました。

こんなフランス映画があっただなんて、全然知りませんでした。フランスらしい衣装やナイトウエアに興味がある方は必見です。

去年までインポートの下着屋だった私。ランジェリーにもお国柄があって、イタリア・フランス・アメリカでは、醸し出す雰囲気が異なります。

ひと言で表現するなら、イタリアはスタイリッシュ、フランスはエレガント、アメリカはポップとでも言いましょうか。スペインは、ちょっとイタリア寄り。

それと同じように、映画にも国別の特徴があるように感じています。まさに「ヴィオレッタ」は、フランス映画。

写真家の母のモデルとなった少女は、まるでフランス人形のように美しく、親子が映画の中で着ている衣装も実に魅力的です。

ストーリーは、重くて答えのないテーマをはらんではいますが、どこをどのように見るかはあなた次第。

昔の作品ではありますが、発掘した喜びをお伝えしたかったので、感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレしておりますことをご了承くださいませね。

作品の概略

母親が娘のヌードを撮影して物議をかもした1977年の写真集「エヴァ」の被写体で、モデル・女優として知られるエバ・イオネスコが、写真集の発表から34年を経て写真家の母イリナとの実話を映画化したドラマ。

写真家の母アンナは多忙でめったに家に帰らず、娘のヴィオレッタは祖母に育てられながら、母の帰りを待つ日々を送っていた。

そんなある日、突然帰ってきたアンナは、ヴィオレッタを写真のモデルに誘い、母に気に入られたいヴィオレッタはモデルになることを決意する。

しかし、アンナの要求は次第にエスカレートし、大胆なポーズを要求される。母アンナ役はフランスの名優イザベル・ユペール。

撮影当時10歳だった新人アナマリア・バルトロメイが、大人の色香と退廃的なムードを漂わせていく少女ヴィオレッタを演じた。

「ヴィオレッタ」映画.comより

第64回カンヌ国際映画祭に出品された際には、本作が児童ポルノにあたるかどうかが議論され、その後の各国での公開に際してもレイティングに関する議論を巻き起こしたそうです。

議論を巻き起こしたことで、日本では修正なしで公開されたものの、R15+(15歳未満鑑賞禁止)のレイティングにて公開されました。

キャスト

美少女モデル:ヴィオレッタ

アナマリア・バルトロメイ

1999年生まれ、ルーマニア出身。オーディションで抜擢され、「ヴァイオレッタ」でスクリーンデビュー。撮影当時は10歳だったそうですが、とても少女とは思えない雰囲気と目力です。

大人になった現在のアナマリア・バルトロメイさんは、シャネルのコレクションに登場したときの写真が「ELLE girl」に掲載されています。

少女とは思えない妖艶な演技も必見ですが、何よりヴィオレッタが求めていたのは母の愛。だけど、母親もその母親から愛情を受けて育っていなかったため、最後までヴィオレッタが望むような親子関係にはなれません。

ヴィオレッタの美しさ、衣装の華麗さの影にある、普通の子どもの欲望が痛々しく感じます。

写真家の母:アンナ

イザベル・ユペール

 

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フランスを代表する女優。フランス映画「エル ELLE」にも出演されていましたが、これも実にフランスを感じる作品になっています。

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監督:エヴァ・イオネスコ


画像引用元:映画.com

実際に母である写真家イリナ・イオネスコの被写体だったエヴァ・イオネスコが監督を務めて映画化に。

「1番大きなテーマは、やはり母と娘の関係です。そのなかに、ロリータ的でいてアーティスティックな画や、歪んだおとぎ話などの要素も盛り込みました。

もうひとつの軸として、アートにも限界があるのではないか、どこまで突き進んでいいのかといった問題も掲げているのです。

母親は自分の芸術を求めていたのでしょうけれど。ヴィオレッタがだんだんと、ヘビがニョロニョロするような魅力的な大人の女性になっていくところはもちろんですが、『最終的にどこまでアートとしていいのか』という倫理的なことを考えてもらいたかったのです」

映画.com インタービュー記事より

あらすじ

その1 エスカレートする要求

曾祖母と暮らしていたヴィオレッタは、母:アンナの訪問を楽しみにしています。ごくたまにやってきてもすぐに出て行ってしまうアンナ。

曾祖母の娘であるアンナの母親は、15歳で妊娠しアンナを出産。以後、家に寄り付かず行方不明。

アンナは、母としてより、女としての非凡な人生を求めています。だからこそ、ヴィオレッタにも非凡な人生を与えようとします。

画家としては大成しなかったアンナが写真家に転身し、ヴィオレッタをモデルにして作品を撮り売り込むと、「未熟な体と強気な視線の対比がいい」と、話題になります。

でも、脚を開いて、服を脱いで、下着を脱いで・・と、アンナのヴィオレッタに対する要求はどんどんエスカレートしていきます。

最初は楽しくモデルを務めていたヴィオレッタも、エスカレートするアンナの要求に応えることが苦痛になってきて、ある時「サイテー、バカみたい」と爆発します。

その2 アンナの写真は芸術なのか?

母:アンナが撮ったヴィオレッタのヌード写真は、芸術と言えるのでしょうか?

個人的な意見としては、もし芸術的な価値があろうと、少女をヌードモデルに器用した作品は、全て幼児虐待。

どんなに素晴らしい写真であろうと、少女を裸にして撮った写真が芸術として認められるとしたら、その評価は歪んでいる、と思っています。

子どもには、子どもとしてやらなければならないことがある、日本でも自分の娘に斡旋する母親が逮捕されたことがあるけど、どうしたらそんな気持ちが持てるのか理解できません。

お金に困ったから?そんなの理由になりません。

ヴィオレッタが求めていたのは、純粋な母親からの愛情。アンナがヴィオレッタを愛していなかったわけではないことは、映画を観ていればよぉーくわかります。

だけど、アンナ自身も多分、生まれた環境から、母親に愛されて育つことができなかったのだろうと容易に想像できます。

自分が体験してこなかったこと、自分が理解できなかったことを表現したり、与えたりすることは難しいですものね。

親子関係って、簡単なようでいて、親の育ちが大きく影響もする難しい関係なのかも、とも思いました。

その3 アンナもヴィオレッタに愛されたかった

ある日、学校にヴィオレッタを迎えに来たアンナは、レースの美しいワンピースに着替えさせます。

その日、シンプルなワンピースとカーディガンを着ていたヴィオレッタ。彼女のそばにいた曾祖母に向かって「こんなダサい服は、2度とヴィオレッタに着せないで!」とアンナは、怒鳴り散らします。

ここ!自分の替わりにヴィオレッタの面倒を見てくれているというのに、年老いた祖母に対して感謝の言葉じゃなくて、怒りの言葉ですか!とすんごく腹立つんですよねぇ。

そして、モデルの仕事をやればやるほど、ヴィオレッタの服装も変わり、学校にも化粧をして行くようになり、体操着に至ってはそれが許されるはずはない!と目を覆いたくなるようなよく言えばセクシー、はっきり言えば破廉恥なデザインです。

この服装で、先生の横に立ち朗読をしているんだけど、先生もドキマギしている様子が手に取るようにわかるんですよ。いくらフランスでもこれはNGでしょー。どう思いますか?

物語が進んでいくと、愛されたかったのはヴィオレッタだけじゃなく、アンナも同じだったんだな、ということがわかってきます。

母親のアンナが、娘のヴィオレッタに甘えるような言動が度々見受けられますが、ヴィオレッタだってそれを受け止められるほど大人ではありません。

気まぐれなアンナの言動と、エスカレートしていく自分への要求の中で、ヴィオレッタはある意味壊れてしまったのだと思いました。

感想

写真家である母親とモデルの娘の華麗な衣装、少女をヌードモデルとして器用した写真が芸術なのか、それとも幼児虐待か、愛することに不器用な母親と愛されることに不器用な娘の親子関係と、多面性を持った作品だと感じます。

見る人の価値観によって感想も様々だろうし、ヴィオレッタと母との間に愛情は介在していたにも関わらず、お互いに上手に表現できないがために歪んでいった関係性。

年老いた曾祖母は、ヴィオレッタの身を案じているものの、祈ることしかできない歯がゆさ。

しっくりと絡んでこない3人家族の切なさを感じます。

写真のモデルをし、大人ばかりのパーティに参加し、アンナの要望でイギリスまで行って大人の男性と絡むモデルをやるように指示され、そんなヴィオレッタは、大人をおちょくったような発言をするようになります。

そりゃそーよね。自分が利用されていることをわかっていて、ママはおばさんだから、彼の目的は私。少女が好きなのよ、と大人の欲望も理解している。

するとヴィオレッタには、オトコは操れるもの、という気持ちにすらなっちゃうわけですよ。日本でなら女子中学生だというのに。

女の子って、小さい頃から本能的に媚びることを知っているし、単純にそれで喜ぶアホな男がいる。

ヴィオレッタのような家庭環境で、どうすれば一番ヴィオレッタが幸せに暮らせたか?に正直、私も答えは持ち合わせていないけど、子どもは子どもとしてやるべきことができる環境にいることが最も大切であり、その中で大人になったときに必要なあれやこれやを学ぶのではないかしらね。

母親にも正解はないけど、非凡な人生を追い求めるのではなく、平凡な幸せもあるということをアンナが理解していたら、少し違っていたのかしらね。

まあ、そんな重いテーマも持っている映画ではあるけど、アンナとヴィオレッタの衣装も必見。

時代背景は1970年代。ヴィオレッタがモデル衣装として纏っている羽のように薄いチュールのローブ、アンナがマキシ丈のコートと合わせたシルクサテンのロングドレス、アンナのプリントローブなどなど、Theおフランスを感じる衣装がたっくさん出てきます。

ヴィオレッタのきわどい衣装は、おばちゃんとしては観ていられなかったけど、衣装そのものはとっても魅力的です。

さて、あなたはこの映画で何を感じるでしょうか?

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