ジョニーデップがルイ15世を演じ、全編フランス語で臨んだことで話題になった映画「ジャンヌ・デュ・バリー国王最後の愛人」を鑑賞してきました。
歴史には興味はないけど、この時代のフランスを題材にした映画は大好物。
何より華やかなのが、見ていて楽しいですから。
ポンパドール夫人亡き後、遊び人ルイ15世の最後の愛人となったジャンヌ・デュ・バリー夫人の生涯を描いた作品。
実に興味深かったです。
感想にはネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。
Contents
作品概略
原題:Jeanne du Barry
製作年:2023年
製作国:フランス
キャスト:ジョニー・デップ、マイウェン
監督:マイウェン
脚本:マイウェン、テディ・ルシ=モデステ、ニコラ・リベッチ
ジャンヌ・デュ・バリーを演じたフランス人のマイウェンが、監督・脚本も務めた作品。
シャネルがこの作品のためにデザインした衣装を提供し、ベルサイユ宮殿にて大規模撮影が行われたそうです。
これだけでも必見の作品ですよねー。
キャスト
ルイ15世を演じていたのは、ジョニー・デップ。
ジャンヌ・デュ・バリーを演じたマイウェンは、1976年4月17日生まれでアルジェリアの市民権も持つフランス人。
でね、王太子であるルイ16世を演じていたのが、マイウェンの息子のディエゴ・ルファー。
彼がものすごい長身の美男子。2004年生まれだということなので、今年20歳。なんと、プロテニスプレイヤーとしても活躍しつつこの美形。
不動産開発業者である元夫ジャン・イヴ・ル・フールとの間に、2004年ディエゴが誕生。
ざっくりあらすじ
ルイ16世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーは、修道士の父と料理女の母の元に生まれた平民。
その娘がどのようにして国王の愛人になったのか?
そして、どんな生涯を送ったのか?を描いた作品。
ネタバレ感想
感想には、ネタバレも含まれますことをご了承くださいね。
ジャンヌ、デュ・バリー夫人になる
歴史には全く興味がなかったけど、映画となるとまた話は別。
18世紀の華やかなフランス王朝の話しは、とにかく宮廷も衣装も何もかもが華やかでワクワクしますからね。
2007年に日本で公開された「マリー・アントワネット」も大好きでした。
ベルサイユ宮殿での撮影もあったとのことで、衣装もさることながら、宮廷のインテリアや調度品が見事です。
ジョニー・デップが演じたルイ15世は、フランス国王史上一の美男子にして問題児だったんですって。
でね、どうやら宮廷に参上するには、貴族でないといけないらしい。
それで、ジャンヌは囲われていたデュ・バリーと結婚して、デュ・バリー公爵夫人となり、正式に宮廷へ上がることが許されるわけ。
作品の中では囲われていたデュ・バリーと結婚していたけど、実際にはデュ・バリーの弟と籍を入れたらしい。
一方、ルイ15世は公妾だったポンパドゥール夫人を亡くしていたため、ジャンヌを見初めて愛人にするわけ。
そしたら、デュ・バリーはどうなっちゃうの?妻を取られたことになるわけでしょ?それでいいのかぁ?
貴族の生活、ルール、わからんわぁ。
ルイ15世の娘たち
ルイ15世には娘が3人いて、彼女たちはジャンヌの存在を疎ましく思っているわけ。
そりゃあお気持ちお察しします。
パパのところに、元娼婦が入り浸って、四六時中仲良く過ごしていたら、そりゃあ娘としては少々気色悪く思うって。
でも、パパは意に介さない。
そして、ジャンヌはいろんな場面でいじめられたりするんだけど、多少のことじゃひるまない。
だから余計疎まれる、そのスパイラル。
昔っから、出る杭は打たれていた、ってことですかね。
この様子を見ていて、シンデレラを思い出しました。美貌はねたまれる格好のえさになりますから。
マリ・アントワネット登場
王太子の結婚が決まり、オーストリアからマリー・アントワネットが嫁いできます。
マリー・アントワネットもアンチジャンヌ。ルイ15世の娘たちと一緒になって、ジャンヌいびりをしまくる。
そりゃあね、ジャンヌよりマリーの方が立場が上だから、ジャンヌも何も言えないわけ。
そんなマリーに無言の圧力をかけるのがルイ15世であり、それとなく擁護するのが王太子。
何故か、ジャンヌは男の味方が多い。そーゆー女性って、いますよね。特別美人じゃないけど、男受けがよろしいってんですか?
理由はわかりませんけど。
大奥とかぶるよな
民法ドラマで大奥が放送されていますよね。
フランスのルイ15世、16世の時代は、日本の江戸時代。日本もフランスも似たり寄ったりじゃん。と思ったのが、公妾と側室という制度。
制度って言っていいのか?
公妾ってのは、正式な妻ではないけど国王との関係を公にしていい愛人のことで、側室は公に認められた妾にあたる女性。同じじゃん!でしょー。
今ならセクハラ?モラハラ?いや、どっちにしてもNGです。
ルイ15世の最後
ルイ15世が病の床に伏したとき、今までの悪行を懺悔すると言います。
それは、愛人を囲って周りを混乱に陥れたことも含めていたようで、枕元にジャンヌを呼び「出て行ってくれ」と言うんですよ。
生きているうちに罪を悔い改めないと、地獄に落ちるからと。
へーーーーーーっ!好き勝手にやってきても、地獄は怖いんですかね。
地獄に行きたくないから、ジャンヌを出て行かせたのでしょうか。いや、多分最後の最後は、娘たちに静かに弔ってほしかったのかな。
と思いたい。
ジャンヌもその言葉に従います。
それでも、出発の用意が整い、馬車に乗る寸前にもう1度ルイ15世に会いに来ます。
ずーずーしい!と憤る周りを「入れてやれ」と一言発したのが王太子。かっこいいです。
ルイ15世は天然痘だったのに、ほほを寄せて別れを告げるんですね。病気、移っちゃうんじゃないの?と心配になりましたけどね。
ジャンヌは、ヴェルサイユでも奔放に自由に生きてきたけど、ルイ15世への愛は本物だったんだな、と感じた瞬間でした。
感想まとめ
ジャンヌが娼婦だった頃、「生まれが貧しい女性は母のように料理女になるか、娼婦になるか、どちらかしかない。」と言っていたのが印象的。
多分、江戸時代も似たようなものだったのかな?と。
見た目が麗しく、またそれを磨くことを愚かにせず、教養も身につけ、オンナを武器として使う術に長けていたら、娼婦になっても成功をつかみ取れたのでしょうか。
何にせよ、人より抜きんでるってことは、並大抵の努力じゃ無理で、しかも運も味方につけなくちゃですよね。
ルイ15世は天然痘で亡くなり、その後ヴェルサイユを去ったジャンヌでしたが、1793年にギロチン台に送られてしまいます。
大事件があるわけでもないし、静かに進んでいくストーリーでしたが、最後まで飽きることなく見続けられた作品でした。
ゴージャスな宮殿や衣装、きらびやかな映像も大いに楽しめます。
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