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Netflix映画「月影の下で」ネタバレ感想|ラストの思いがけない展開に胸が痛くなる

Netflixオリジナル映画「月影の下で」を鑑賞しました。原題は「In the Shadow of the Moon」

ロマンティックなタイトルだけど、えっ・・ホラーは苦手なのに、これ大丈夫?と、序盤にちょっとドキドキなシーンがあったりしましたがホラーではありません。ホッ。

ホラーか?いやSFだ、もしかしてサスペンス?でも切ないよね、と鑑賞しながら様々な思いがよぎる複雑な構想の作品です。

Netflixは、オリジナル作品をバンバン配信していて、映画館では決して観られないけど、なかなか見ごたえのある作品も多く、これもそのひとつかな。

基本、あまりSFは好みじゃなくて、あ!SFだ!と感じた瞬間に若干「やめようかな」という思いもよぎったけど、結末がどうしても気になって観続け、最後は思いがけない切ない展開に驚きの映画です。

サスペンス要素もあるSF映画なので、核心には触れずに感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレは含まれますことをご了承くださいませね。


作品の概略

原題:In the Shadow of the Moon
製作年:2019年
製作国:アメリカ
キャスト:ボイド・ホルブルック、マイケル・C・ホール
監督:ジム・マイクル
脚本:ジェフリー・トック、グレゴリー・ワイドマン

監督:ジム・マイクル

2014年に日本で公開されたR18+指定のホラー映画「肉」を監督・脚本・編集を担当。

日本で公開されているのは、この「肉」だけですが、監督作品にはホラーが多い。序盤で私が「えっ?!もしかして、これはホラー?」と感じちゃったのは、ジム・マイクル監督作品だったからなんですね。

主役:トーマス・ロックハート

ケンタッキー州出身の俳優:ボイド・ホルブルックが演じています。グッチ、ジャン・ポール・ゴルティエ、ヒューゴ・ボスなどのモデルも務めていました。

1988年新婚捜査官のトーマスから、不思議な事件の解明に人生を掛け生活は荒れ、無精ひげに伸び放題の髪になった2006年の孫が生まれる年齢までの18年を演じています。

ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリンシリーズの第3作「LOGAN ローガン」、「ザ・プレデター」「ゴーン・ガール」等に出演。

ざっくりあらすじ

2024年のフィラデルフィアから始まります。窓ガラスが割れたビルから見えるのは、星条旗がゆらゆらと落ちていき、地上には全く人影のない荒廃した景色。

そこから1988年の過去へ戻り、街の人々のフツーの暮らしが映し出されますが、共通点もないフツーの生活をしていた人が次々と目や耳、鼻など全身あらゆるところから出血して亡くなってしまいます。

刑事になりたい捜査官のトーマスが、出産間近の妻を家に残し、事件現場へ相棒と共に駆け付けます。

被害者の遺体には、共通して首に3つの刺し傷のような跡が。

トーマスは、犯人を追い詰めるものの、地下鉄に轢かれ死亡。それから9年後、同じような事件が起こります。犯人の遺体を確認したはずなのに、何故同じ事件が起こるのか?模倣犯か?

でも、マスコミにもばらしていない点までが模倣されているって、おかしくないか?

犯人死亡で詳しく調査されていなかった9年前の事件を調べ始めるトーマス。調べれば調べるほど狂人扱いされてしまうトーマスがたどりついた真実は・・・

感想

画像引用元:IMDb

「月影の下で」というロマンティックなタイトルが示しているように、事件は月に大きく関係しています。

月には、神秘的なパワーがあると言われていますよね。

うさぎが住んでいるとされていたり、月に帰るかぐや姫のお話があったり、新月の願い事、満月の願い事などなど、様々な物語や言い伝えがあります。

パワーストーンも使っているうちに濁ってきたら、月の光に当てて浄化させる種類のものがありますし、実際、何でも良いから願い事をしたい時期の私は、新月の願い事やパワーストーンの月光浴もやってましたさ。

スイマセン、話しが逸れてますね。

で、その月が重要な役割を担っているのがこの作品。

その1 1998年

ピアニスト、ハンバーガー店のオトコ、バスの運転手など、次々に同じ症状で亡くなります。

クラブでいきなり押し倒されて首を何かで刺されたと言っている被害者の話しを聞きに行くトーマス。犯人らしき人物は、青いパーカーを着た黒人女性で、左手が乾いた血で覆われていたとのこと。

画像引用元:IMDb

やがてトーマスは、犯人を追い詰めますが、名前で呼びかけられ困惑していると、更に「娘の誕生おめでとう」と犯人から言われます。

でも、その時トーマスは「まだ子供は生まれてないし、何のことやら?」という軽い疑問が残っただけ。後に何故、犯人がこんなことを言ったかも明らかになります。

1988年シーンでは、事件発生と謎が深まるばかりな展開で、後に続くストーリーへの興味が掻き立てられている感じ。

ホラーかしら?観るのやめようかしら?と思ったけど、事件には大きな謎が隠されている暗示があって、とても途中で止めることなんてできませんでしたね。

その2 1997年

再び事件が起こります。被害者は大学で講義をしていた無政府主義者。大学の警備室に残っていた監視カメラをチェックすると、なんと!そこには、地下鉄に轢かれて亡くなったはずの犯人の姿が!

そこでトーマスは、9年前の事件が犯人死亡で詳しく調査されなかったことを悔い、相棒のマドックスと徹底的に調べることにします。

ふたりが警察署を出ようとしたとき、ふたりを待っていたのが物理学者のナヴィーン。そこで彼は、今回の事件が自分の研究と関係あるかもしれないと告げます。

月が近似地に来る9年おきに事件が発生している可能性がある。月周期は、ある位置に達すると引力が働いて、橋のようなものを作り別世界とつながる

と力説しますが、もちろんふたりはそんな話には耳を貸しません。頭の可笑しなヤツがふざけたこと言ってやがる、ってな受け止め方。

もし、この時にナヴィーンの話しを真剣に聞いていたとしたら・・・もしかすると、映画の方向性が変わるかも。あ・・それじゃダメですけどね。

ふたりは調査のため、ある飛行場へと向かい、トーマスはそこで犯人と再会し、この事件が常識では割り切れないことを自覚するんです。

ここからが、トーマスと事件との本当の戦いになっていきます。

画像引用元:IMDb

その3 2006年

トーマスはこの事件の解明に全力を捧げ、一人娘も親戚に預け、警察官もやめて探偵になっています。

様々な資料を入手し、あるひとりのすでに亡くなっている男に行き当たり、その男の家を訪れ妻からその男の活動についての話しを聞きます。

妻が持ってきた夫の遺品の中から、「世界主義のウソに立ち向かえ」「自由のために手段を選ばず」「白色人種の支持者に告ぐ」という文書を見つけ、更にそれらを送っていた人たちのリストを入手します。

ビンゴ!被害者たちの共通点が初めて見つかります。

そして、トーマスはその男と共に活動していた女性の家で再び犯人と遭遇し、カーチェイスへ。犯人はバイクでトーマスはピックアップトラック。

でも・・・ちょっと、このカーチェイスが無駄に長いかも。ここはもう少し時短にしてもよかったかも。アクション映画じゃありませんから。

で、トーマスは、犯人が生きている世界は、自分が生きている現実の世界とは時間軸が逆行している、ということを突き止めます。

邦画でも時間軸が逆行する、福士蒼汰さん主演の「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」という作品があります。これはラブストーリーですけどね。

友人が号泣だった!と言っていたので、huluだと無料で鑑賞できたため、観てみたけど・・・心が汚れているのでしょうか、やっぱりラブストーリーは苦手で、全く感動しませんでしたけどね。

話しはまた逸れましたが、トーマスはじわじわと真相に迫っていくものの、迫れば迫るほど現実味のない話しになってきて、周りはもはやトーマスを頭の可笑しなヤツ、という扱いをしています。

まあ、月から人がやってくるとか、死んだ犯人がまた犯行を繰り返してるとか、言われたら、コイツおかしいぜ、と誰でもが思うに決まってます。

その5 2015年

被害者の首に刺されたような跡があったのは、化学兵器とでも言いましょうか、それによるもの。それを開発していたのが物理学者のナヴィーン。

2015年にはナヴィーンとトーマスが再び出会い、ナヴィーンの口から動機の全てが明らかになります。

歴史をさかのぼり、例えば南北戦争自体を抹消するため、その原因になった人、根源をひとりずつ全て歴史から排除してしまう、というように、自分たちが理想とする白人至上主義のアメリカを是正するための手段だったんです。

思想を摘んで、種から摘み取ってしまおう、という発想。そのための使者が青いパーカーの黒人女性でした。

まとめ

白人主義社会反対!をサスペンス風のSF映画にして訴えた作品と感じました。

サスペンス要素モリモリでしたし、何しろ被害者の最後がホラーのように悲惨ですし、SF的展開を追ってもいますので、そのメッセージはあまり強く入ってこないかも。

1度目はさくっと見て、この感想を書くにあたり、いろんなことに「はて?」となったため、早送りで再鑑賞しました。

映画の随所にそのメッセージはちりばめられているし、トーマスの娘エイミーは黒人の同級生と付き合い、結婚します。そして子どもが生まれるんだけど、この赤ちゃんがちっちゃくてかわいいんだっ!

赤ちゃんて、未来の象徴ですよね。どんな未来が待ち受けているのかは誰にもわからないけど、赤ちゃんを見ると、その子が幸せに暮らせる未来だったらいいな、とものすごく思います。

きっと監督にも、白人であるエイミーと黒人である夫の間に生まれた子どもが、差別されることなく幸せに育って欲しい、というメッセージが込められていたのではないでしょうか。

日本は単一民族国家ですが、これからはというか、もうすでに多くの外国人が日本で暮らしています。

私の母くらいの年齢だと、幼いときに戦争も経験しているし、絶対的な差別感覚が残っていますが、国や育ちや文化や宗教が違えば、考え方や習慣が違うのは当たり前のことです。

人種差別を描いた作品ではないけれど「ホテル・ムンバイ」の感想でも同じことを書きましたが、自分の意見が正しいと思いこまないこと、人の話しに耳を傾けられることがとっても大事かなと思います。

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ま、そんな真剣な映画ではないけど、一見の価値あり!です。ただ、血が苦手な人には向かないかも。