「ジョン・ウィック」シリーズの3作目「ジョン・ウィック パラベラム」を鑑賞してまいりました。
個人的にはシリーズ2作目より好きかな。
パラベラムだけ観ても面白いだろうとは思うけど、やっぱりシリーズ物は順番に観る方がより楽しめます。
これから観る方は、時間があれば1と2を鑑賞し、復讐をしてから観ると更に面白いと思います。
ジョンは、優しさや人情が残っていて、自分を狙う非情な殺し屋のようにはなり切れないんです。そこが魅力でもあるんですけどね。
ラストは、このシリーズがまだ続くであろうことを予感させる結末になっています。
ラストシーンや核心には触れず、感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレは含みますことをご了承くださいませね。
Contents
作品の概要
原題:John Wick: Chapter 3 – Parabellum
製作年:2019年
製作国:アメリカ
キャスト:キアヌ・リーブス、ハル・ベリー
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:デレク・コルスタッド、シェイ・ハッテン他
タイトルに使われている「Parabellum(パラベラム)」とは、現在、世界で最も広く使用されている弾薬のことで、ラテン語の諺「Si Vis Pacem, Para Bellum (平和を望むならば戦いに備えよ)」に由来しています。
作中では「戦争に備えよ」と訳されていました。
ジョン・ウィック作品をざっくり復習
シリーズの新作を観るときは、時間があると前のシリーズを観てから映画館へ行きます。
もしくは、新作を観てから、また過去作を観たりもします。そうすると、過去に見た作品がより面白くなったりもするんですよ。
そのいい例が「ワイスピシリーズ」。これは新作が公開されるたび、過去作を復習したくなる魅力のある映画です。

「ジョン・ウィック」
2015年10月16日公開
引退した殺し屋ジョン・ウィックは、病気で妻を亡くしてしまい、失意のどん底の中、妻が生前用意していたビーグルの子犬がジョンの元に届きます。
ところが、ジョンの車を狙ったロシアンマフィアの息子が、愛犬デイジーを殺してしまい、復讐を決意。
裏社会の拠点であるコンチネンタルホテルの支配人ウィンストンの協力を受てけ、ニューヨークのロシアンマフィアを壊滅させます。
「ジョン・ウィック:チャプター2」
2017年7月7日公開
ロシアンマフィア壊滅から5日後、“血の誓印”を交わしたイタリアンマフィア:サンティーノから伝えられた仕事の依頼をジョンは断ります。裏社会では“血の誓印”を交わした相手の頼み事は聞かなきゃいけない掟があったはず・・。
そのことが原因で、亡き妻との想い出の家を爆破されてしまいます。
ジョンはサンティーノへの復讐を開始するが、命の危険を感じたサンティーノに7億円もの懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋から命を狙われる事態に。
ジョンは復讐を開始させますが、復習を恐れたサンティーノが、ジョンの首に賞金を懸けた結果、ジョンは次々と殺し屋に狙われることになります。
死闘の末に刺客を退けたジョンは、怒りのままに裏社会の掟を破って、コンチネンタルホテル内でサンティーノを始末してしまいました。
掟を破ったことで、ジョンは裏社会を破門になるわけです。
今度は自宅を失ったジョン。
ちなみに『チャプター2』は、一作目からわずか5日後に開始という設定…ジョンの人生は、まさに激動・驚天動地‼#ジョンウィック#ジョンウィック同時再生祭り pic.twitter.com/RCeCaOpWAr
— 映画『ジョン・ウィック:パラベラム』 (@johnwickjp) 2019年10月4日
ジョン・ウィック マメ知識
ジョンの行動とアクションを目で追いつつ字幕を読んでいると、以前から使われている小道具についてのマメ知識が思い出せなかったりもするので、少しだけ記しておきますね。
ジョン・ウィック マメ知識
- 金貨 裏社会で流通する独自の貨幣。今作で、この金貨がモロッコで作られていることが明らかに。
- コンチネンタルホテル 世界中の殺し屋の憩いの場所として、世界各地に出店。銃器や防弾スーツなど商売道具の調達も担う最重要拠点。
- 裏社会の掟 コンチネンタルホテル内での殺し・争いは厳禁という主席連合が定めた絶対の掟を破ったことで、ジョンは追放処分になる。
- ジョンのスーツ ジョンが常に着ている黒のスーツは、弾丸を通さない特殊な繊維を用いたフルオーダー品。
こうした小さい決まり事を知ると、更に映画が楽しくなります。
亡き妻から届いたビーグルは「デイジー」という名前が付いていました、2作目から登場しているちょっとガニ股なピットブルは名前がない、とかね。
ピットブルと並んで走るジョンは、犬に走り方が似ている、とかね。あ・・これはマメ知識じゃなくて、単なる私の感想です。
あ!あと、どうしても気になったのが、ジョンの前髪。戦っている時に絶対髪が顔にかかって邪魔なはず。短髪にしたら、もっと強くなるかもしれないのに、と思っちゃいましたけどね。
ま、イメージってのがあるから、今更髪は切れないか。
ざっくりあらすじ
シリーズ2作目のラストで、裏社会の掟を破ったジョンは、裏社会から追放されることになり、ジョンの首を賭けて1,400万ドルの賞金がかけられます。
ジョンの追放まで残された時間は1時間。
「パラベラム」は、そこから物語がスタートします。
次々と狙われ仕掛けられるジョン。フツー街中に、そんなにたくさん殺し屋はいないよね?ってくらい、そこにもここにもジョンを狙っている奴らがゴロゴロしています。
もうそうなると、ジョンはやられるっきゃない?でも、それじゃ映画にならないし・・と思っていたところ、駆け込んだのは、ロシアンマフィアの隠れ家でもあるバレエの劇場。
あれ?ロシアンマフィアは、1作目でジョンが壊滅させたんじゃなかったっけ?とは思うものの、壊滅させても蘇るのが悪の組織、ってことで納得させます。
そこで、ジョンはモロッコへ渡る船を依頼し、かつて“血の誓印”を交わしたソフィアに協力を求めます。
そして、ふたりはある男に会いに行き、そこでジョンが主席への仲介を願い出ると、主席の居場所は教えられない、死が迫るほど砂漠を歩けば、運がよかったら見つけてもらえるだろう、と教えられます。
砂漠に挑むジョン。
望み通り、主席との面会を果たしたジョンは、次の依頼を受けることになってしまいます。それは一体何?
さてさて、そんなジョンに味方はいるのか?最後の最後、満身創痍のジョンに協力してくれる人は誰?
ジョンが掟を破った舞台となった裏社会の拠点でもある、コンチネンタルホテルの行方は?
感想
その1 アクション
ジョンの首に賭けられた賞金は、1,400万ドル。追って1,500万ドルに値上げされます。だけどジョンは、簡単にはやられちゃっりしませんから。
しょっぱなから派手な銃撃戦&格闘戦。複数の腕の立つ殺し屋たちをまとめて、ばっさばっさと切り捨てていきます。
アクション系の作品って、できの良しあしが 銃撃戦や格闘戦の演出と時間にかかっていると言っても過言ではないと思うんですね。
ジョン・ウィックシリーズは、3作ともアクションがすごく大事な訳で、だけど3作も続き、しかも監督も同じだから、ネタが尽きてくることも考えられるわけです。
だからと言って、同じようなシーンを繰り返していたら、私たちシリーズファンは早々にそっぽむいちゃうはず。
そこをどんな新しい材料と調味料をひねり出して調理するか、材料にあった調理時間を見誤らないか、みたいなところが大事な訳です。
今作での新しい技ってのが、CMでも流れていた乗馬シーンと、日本人と思われる寿司職人が登場することで忍法みたいな技かしらね。
殺し屋は、銃が使えるだけじゃなくて、バイクにも馬にも乗れなきゃいけないから大変ですよ。
インタビューで、乗馬のシーンはキアヌ・リーブスの発案だったと、キアヌ自身が語っていました。
時間というのは、アクションシーンが長すぎると、早く次の展開に行かないかしら、と若干イラっとするし、かといって短すぎると、あれ?それでもうやられちゃうわけ?と物足りなくも感じるわけです。
どうかしら?
その2 犬と馬とフグ
愛犬のピットブルが、きちんと躾てあってジョンに忠実でかわいい!
今作では、モロッコのソフィアもシェパードを2匹飼っていて、その犬たちもソフィアやジョンと一緒に戦うんですね。
ところが、1匹は銃で撃たれたから、残りは1匹のはずなのに、戦うシーンでは2匹のシェパードに。あれ?何故でしょうか?
1、元々3匹いた。
2、間違えた
3、そんなことはどうでもいい
正解は・・・・・不明です。でも、2匹だろうが3匹だろうが、全然映画そのものに影響はありません。ちょっと考えてみただけです。
しかし!何匹だろうと、犬の運動能力っていうか、動きの俊敏さ身のこなし、すごいです!あまりの鮮やかさにうっとりするほどでございましたもの。
そして、ジョンが馬にまたがり戦いながら逃げるシーンで乗っていたのは、たてがみが黒の巻き毛でものすごく見事な馬でした。
映画の中ではちらっとしか映らないし、映像も暗いので見づらいけど、ストレートじゃないクセのあるたてがみが長く風になびき、とっても立派でかっこよかったなぁ。
そして、フグですよ。フグ!フグの毒は決して食べてはいけない!ということを外国人は知っているのでしょうか?
裁定人がすし職人の所へジョンの抹殺を相談しに行ったとき、すし職人がフグをさばいて裁定人に差し出すとひと口でパクリ。何事もないんだけど・・・外国人が映画を観て、日本に来たとき「毒のあるフグを食いたい」なんてことにならなきゃいいけど。
と、ちょっと心配になっちゃうのは私だけ?
その3 裁定人
ジョンの処分まで1時間の猶予を与えた、NYコンチネンタルホテルのマネージャー:ウィンストンと、ジョンに銃を渡した、浮浪者を装い地下の闇社会を牛耳っているキングの所へ裁定人がやってきて罰せられることになります。
この裁定人ってのが女性なんだけど、びしっと姿勢がよくて、いつもとても素敵なコートを着ているんですよ。見かけは確かに「裁定する人」って感じ。
ウィンストンは、マネージャー職を解雇されることになり、キングは立ち退きを要求されます。
とは言え、ふたりも裏の世界の人。はい、そうですか、了解!と素直に言うことを聞くわきゃないんです。
裁定人の上から目線も気に入らないはず。じゃあ、ふたりはどうするのか?ジョンとふたりはどうかかわるのか?
このあたりがパラベラムのキーポイントでもあり、あああああ次回に続くのね、と言うことを感じる展開になっています。うひひ。
ぼっちと噂されてもキアヌは大活躍
キアヌさんって、レバノン出身のカナダ国籍なんですね。
一時、「ぼっち」ということで話題になったこともありましたが、どんな噂になろうと、映画界では大活躍でございます。
世の中に存在感を示した代表作と言えば「スピード」でしょうか。そして「マトリックス」では黒いコートを翻し、それを真似する輩が出てきたりもしました。
「陽だまりのグラウンド」という泣けて泣けてどうしようもないほどいい映画にも出演しています。
この「陽だまりのグラウンド」では、借金を抱えてどーしよーもない男が、ひょんなことから住んでいる環境があまりよろしくない黒人少年たちの野球チームのコーチになるんですね。
泣けます、ホント!
殺し屋をやったかと思えば、トイ・ストーリーではデューク・ カブーンの吹替をやっていましたし、変幻自在のキアヌさんです。
2021年にはジョン・ウィック チャプター4、2022年にはマトリックス4の公開が予定されています。
まだ先のことなので、日本での公開日は全く未定ですが、やっぱりジョン・ウィックはまだまだ私たちの「スカッとしたぁぁぁ」という気持ちを刺激してくれるようです。
まとめ
犬が何匹だったとか、殺し屋がそんなに街にいるわけないとか、フグの毒が心配とか、そんなことを考えながら観る映画ではなくて、もはやジョン・ウィックシリーズは、戦隊ものを観ていた少年が大人になって、戦隊ものは見なくなったからジョン・ウィックというノリではないでしょうか?
それがスター・ウォーズになる人もいるだろうし(観たことないけど)、ワイルド・スピードの人もいる、という感じかしらね。
えっ?私は女ですが・・それが何か?
戦隊ものにはヒーローがいて悪を成敗するわけだけど、ジョンの稼業は殺し屋です。
だから決してヒーローじゃあないけど、痛快なばっさばっさとか、グーパンチで速攻ダウンとか、ド派手なアクションへの爽快感とか、そこがヒーローとイコールじゃないかと思うわけです。
そして、いつでもひとり。寂しいだろうなぁというときも、辛いときも、痛いときも、愚痴りたいときも、ジョンに語り合う仲間はいません。その精神力も憧れのひとつであるはず。
アクションも楽しめるし、犬もかわいいし、新しい敵も現れるし、砂漠の夕日もキレイだし、ものすごく高揚する作品になっていると私は思います。
ジョンは一体、何人の殺し屋を始末しちゃったのか?世の中の殺し屋の絶対数がかなり減ったと思うわ。