洋画

実話映画「グリーンブック」ケンタバケツ買いの憎めない大食いバディ!ネタバレ感想

アカデミー賞の作品賞を受賞した映画「グリーンブック」を早速観てきました。

公開初日がちょうど映画の日である1日と重なり、しかも金曜日ということもあったからか、大きな劇場は8割がた埋まっていました。

最近、こんなにたくさん人が入っている洋画作品をあまり経験していなかったので、単純に嬉しかったです!

実話を基にしたグリーンブックは、黒人天才ピアニスト:ドン・シャーリーとイタリア系白人トニーが、黒人差別が色濃く残る南部へ演奏の旅に出かける道中での物語。

あらすじも感想もネタバレしますことをご了承くださいね。

作品の概要

タイトルになっている「グリーンブック」とは、1966年まで毎年出版されていた、黒人が宿泊可能なホテルなどを記載した旅行ガイドブックのこと。

実際、旅の途中で運転手であるトニーは、助手席に置いたグリーンブックを手に取って宿泊先を選んでいました。

この映画の脚本は、黒人天才ピアニスト:ドン・シャーリーの運転手を務めていたトニー・リップの実の息子のニック・バレロンガらが執筆。

感想

その1 ケンタバケツ買いの憎めない大食いバディ!

自宅に来ていた黒人修理工が使ったコップをトニーがゴミ箱に捨てるシーンがあって、ブロンクスで育ったイタリア系のトニーが人種差別者であることが、映画の挿入部分ですでにわかるのね。

そんpトニーが勤務していたクラブが内装工事で長期休業に入るため、職を失って、次に得た仕事が黒人天才ピアニスト:ドン・シャーリーの演奏旅行の車の運転手。

ガサツなトニーと、繊細なシャーリーのドタバタロードムービーは、最初は衝突するも旅を続けていく中で友情が生まれていくという物語。

トニーが初めてドン・シャーリーの演奏を聞いたとき、外で待機している他の運転手たちの前で取った、無言でありながらちょっと誇らし気な態度、長期間家を留守にすることで妻と約束した「手紙」を書く際、素直にドン・シャーリーからアドバイスを受ける、などなど自然と信頼関係が生まれていくわけ。

決してひとりでは夜で歩かないようにと、トニーに言われていたにも関わらず、ドン・シャーリーは秘密にしておきたいあることから、ひとりで出かけてトラブルに見舞われてしまう。

その時もトニーは、ドン・シャーリーを一目見て事情を察し、警察署内にいた警官に賄賂を使ってドン・シャーリーを解放させるんだけど、そのやり方に助けてもらったものの、ドン・シャーリーは納得できずにいるわけ。

助けてもらったらまずはお礼を言え!とトニーに言われ、しぶしぶ「サンキュー」と告げるドン・シャーリー。

ガサツで不潔で、いつでも何か食べている大きなお腹を抱えた大食漢のトニーが、おっさん頼りになるじゃん!と感じたシーンでしたね。男は黙ってバディを助ける!的な。

いつも何か食べているトニーは、旅の途中でケンタッキーを見つけて大喜びし、バケツでチキンを買い込み、車の中で爆食い!

余談ですが・・・

ケンタッキーに「グリーンブック キャンペーン」なるものが存在しないかと調べてみたけどなかったわ。残念・・・

で、ガサツなトニーは、ドン・シャーリーにもめっちゃ美味しいから食べてみろ!とゴリゴリ進めるも、そんなもんを食べたらひざ掛けのブランケットが脂で汚れるとかたくなに拒否!

余計なお世話なのに、それでも執拗に進めるトニーの説得に負けて食べてみると、あら?美味しいじゃん!的な反応。自分の好きなモノをしつこくすすめるおっちゃん、おばちゃんは世界共通?あなたの周りにもいない?

チキンを食べたあと、骨を手に持ち「これはどうするの?」と尋ねたドン・シャーリーにトニーは、こうするんだよ!と窓を開けて外にぽいっ!

目を丸くして驚くドン・シャーリーも同じくポイ!ガサツなトニーと繊細なドン・シャーリーの気持ちが、自然と近くなっていくことを感じちゃう。

8週間の過酷な旅の最後は、あるホテルでの演奏会。そこのレストランで食事をしようとドン・シャーリーが入っていくと、レストランの支配人に黒人は入れない決まりになっていると断られる。

トニーと一緒に交渉するも支配人の態度は変わらない。そこでドン・シャーリーは、ある決断をする・・・さて、それはどんな決断だったか?是非、映画をご覧ください。

その2 ドロレスの衣装と車

画像引用元:IMDb

トニーの妻:ドロレスは、脚本を担当したニック・バレロンガの母。ドロレスが着用していた1960年代ファッションは、実際にニックの母が来ていた服やアクセサリーを使っていたんですって。

エンドロールに、実際の人物の写真が流れてきたんだけど、本物のドロレスもすごく美人。

ドロレスの60年代ファッションの他、車も見どころ。キューバ名物のタクシーと同じ1950年代、1960年代のクラシックカー。

トニーが運転するのは、映画の公式サイトのメイン画像にも写っている鮮やかなブルーのTheアメリカ車。車種はキャデラックかシボレーあたりでしょうかしらね。

その3 人種差別

この作品は、公開時から白人が有色人種に上から目線で解説を施す「ホワイトスプレイニング (whitesplaining)」であるとの批判があったんですね。

表面的なユーモアを探すあまり、現実にある人種差別を過小評価している。ドナルドは上流階級のホールで演奏するほどの音楽家なのに、黒人専用のモーテルにしか泊まれず、レストランやトイレにも入れない。気取ったシナリオや冗談で済ませるには、あまりにも痛々しい歴史があるのだ。

Glove クラウディア・プイグ

映画の中でもドクター・シャーリーが「黒人のピアニストであっても価値ある芸術を鑑賞することで、私は上流階級の理解ある白人です、ということを誇示したいだけ」という意味合いのことを言っていたのね。

これって、時代は関係なく、物事も関係なく、人の心の奥にある心理だと思ったかな。

トレンドに乗り遅れまいと、品物の良しあしはよくわからないけどとりあえず買ってみるとか、みんなが「差別はいけないこと」と言っているから、じゃあ自分もその意見に賛成しておこうかとか、そんな心理は、底が浅いからバレるのよね。残念だけど。

人種差別が酷かった時代のアメリカを実際に体験していたわけじゃないから、本当はどうであったのか?はわからない。

だから私たちは、こうした映画、または本などで情報としてインプットされるわけで、その情報が偏っていたり、誇張されていたら、正しい知識として得られていないことにはなっちゃう。

ただ、世界の歴史は、迫害されたり、差別されたりしていた人種や民族がいて、そうした人種や民族が開放を求めたことで様々な軋轢や暴動のきっかけとなったことを、平和な環境で日々を過ごしている私たちは、知っておくべき。

そう言う意味では、誰でもがわかりやすいストーリーだし、友情は選んで作っていくものではなく、自然と寄り添って出来上がっていくものなんだ、と感じつつ気持ちよく見終えることができたバディムービーかな。

天才ピアニスト「ドン・シャーリー」に迫る!

画像引用元:IMDb

トニーが、運転手面接のためにドン・シャーリーの自宅へ行ったとき、ドン・シャーリーはワンステップ高くなった位置に置かれている豪華な椅子に座ってたのね。

それを見たとき、あれ?なんか観たことあるようなシーンと思ったのは、これだったのね。

画像引用元:Yahoo映画

そう、「星の王子ニューヨークへ行く」まあ、派手さが違うし、キャラも全然違うけど、ちっと思い出しちゃったのは、きっと私だけじゃないはず。

ドン・シャーリーの出身は、アメリカではなくジャマイカ。ワシントンD.C.のカトリック大学で学び、1953年に音楽の学士を取得、

当時、アフリカ系黒人の大卒というのは非常にまれで、音楽だけではなく心理学や典礼芸術の博士号も取得。しかもドン・シャーリーは8か国語を話せたという才媛。

映画の中でも、ロシア語で話したり、トニーが仲間と話す際、ドン・シャーリーに聞かせたくない時にイタリア語を使っていたのも、全部わかっていてトニーが慌てるシーンもあった。

素晴らしい演奏シーンは、ドン・シャーリーを演じていたマハーシャラは、ピアニストの振る舞いを学び、実際にピアノの音を再現していたのは、29歳のアメリカ人ピアニスト・作曲家のクリス・バワーズ。

まとめ

映画としてはとても面白かったし、非常に気持ちよく席を後にできる作品でしたね。

脚本も監督も白人ということで、「ホワイトスプレイニング (whitesplaining)」という批判が出たのも事実として受け止めながら鑑賞すると、少しは偏った見識にならないかな。

長旅を終えて、トニーとドン・シャーリーがそれぞれ自分の家に帰ったとき、ちょっと切ない思いになるけど、それをトニーとその家族が温かくフォローしたことで、ラストシーンがとても印象的になった気がする。

どんな時代にもいろんな差別があり、それは決してなくならないだろうけど、こうした映画を鑑賞することで、差別される側の心理を知り、差別は人を傷つけることであり、自分ならどう思うか?ということを改めて感じることができると思う。

賛否両論ある作品だけど、私は大好きです。

実話映画「グリーンブック」のモデルを深堀り!実話との相違点とラストをネタバレ

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