スペインのNetflixオリジナルサスペンスドラマ「アルタ・マール公海の殺人」のシーズン2がスタートしましたね。
これはシーズン1を観て気に入っていたサスペンスドラマだったので、今後の展開が楽しみです。
シーズン1の最終話では、怪しいとしか思えない、きっと災いを運んでくるに違いないと誰もが思うであろう漂流船が海を漂っていました。
その漂流船にはどんな奴が乗っていて、どんな展開になるのか?ワクワクが止まりません。
シーズン2を見ていて、ビックリ仰天したのが「こっくりさん」の登場。こっくりさんは日本発祥だと思っていたけど、違ったんですね。という事実を知ったシーズン2でもありました。
怪しい漂流船は、テンコ盛りの災難と、新事実を運んできています。
感想にはネタバレも含まれますが、サスペンスなので核心には触れず「シーズン2」の感想をご紹介いたしますね。
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「アルタ・マール: 公海の殺人」シーズン1おさらい
セレブ姉妹のカロリーヌとエヴァは、スペインからブラジルに渡る豪華客船に乗り込む前に、謎の女性ルイサを助け一緒に船に乗り込みます。
そのルイサが、船から海に飛び込み死んだと思っていたところ、実はそれが偽装だったことがわかります。
ルイサの死亡偽装には、カロリーヌとエヴァ姉妹にまつわる秘密を探る目的があった様子。
船の上で結婚式をあげる予定だったカロリーヌと婚約者で船のオーナーでもあるフェルナンドですが、結婚式の最中に船の機関室に隠れていた謎の男マリオが実は死んだと思っていた父親だと言うことがわかり大混乱。
そして、父親は自分の弟であり、姉妹の叔父であるペドロを暴行し、ペドロはこん睡状態に。
事件はそれだけでなく、二等航海士のピエールと付き合っている歌手のクララを気に入ったフェルナンドの妹ナタリアの夫アニバルが、クララに関係を強要したことで、3人が揉めていたときナタリアを助けようとクララがアニバルを花瓶で殴った拍子に倒れ、テーブルに頭を打って死んでしまいます。
事故に見せかけようと細工をしたものの、それをかぎつけたのがヴァレラ警部。
更に、客船のオーナー:フェルナンドは、多額の借金を抱えている状態。そこに男女の恋愛関係が絡んできて、もうぐっちゃりって感じ。
事件多発中な豪華客船に「漂流船がいるから助けに行くように」という無線連絡が入り、80キロ先の漂流船へと舵を取るんだけど、その漂流船というのが、これまた絶対にトラブル運んでくるよね、という雰囲気ムンムンでシーズン1は終わっていました。


シーズン2がスタートして感じたこと
やっぱりかっ!という感じで漂流船の救助はいろいろな事件を運んできましたが、全体の展開としては、ちょっと引っ張り過ぎのような?気もするんですね。
このドラマのいいところは、謎が謎を呼び、その謎がなかなか解明されずにまた事件が起こり、更に謎が深まり、そこにたくさんの人の個性やら思惑が絡んでくるところ。
でも、あまりに引っ張り過ぎると興味の沸点が下がっちゃうわけです。
しかも、謎が深まると、誰が何をしてどうなったのか?という少し前のことに対する記憶が薄くなっちゃうもんだから、よくわからなくなったりもしちゃうわけです。
よぉーーーし!どうなるのよっ?それで?それで?
という興奮状態のまま謎が少しでも解明すると、更に先が楽しみになるのが推理小説やサスペンスの醍醐味でもあるかと私は思うんだけど、そのタイミングがややズレる感じ。
どうかしら?
シーズン2 ネタバレ感想
漂流船の怪しいオンナ
しょっぱなから、ものすごく怪しい人物が、漂流船に乗っていたカサンドラという女。
大体、船が転覆してボートで漂流しているところを助けてもらったってのに、割り当てられた部屋のクローゼットには、ドレスがずらり。
シーンごとにお着換えしていて、その服はどこから運んだんですか?と思っちゃうわけです。
ま、それはいいとしても、このカサンドラは特に事件を起こすわけじゃないんだけど、巧みに姉の方カロリーヌに取り入って、懐に潜り込み成功!って感じです。
それが「私には見える」と、カサンドラが知るはずもない他人の過去を言い当てて驚かせ、話しを聞いてほしいという気持ちにさせ、悩み相談を受けているうちに心を許してしまう、という占い師みたいな方法。
わかるんです。私にも占い師が大好きだった経験、ありますから。
占い師が何を言うか、ということより、話しをちゃんと聞いてくれた、ってことが信頼につながっちゃうのだろうと思うんですね。
たくさんの事件に巻き込まれ、気持ちが疲弊しているところに付け入った感じムンムンです。
えっ?!こっくりさんですか?
ある日、カロリーヌがベッドで死体を見た、と訴えてきたものの、みんなでカロリーヌの部屋に行っても死体はないどころか、ベッドはメイク仕立ての美しさを保っています。
夢でも見たんじゃないか?妄想じゃないか?と言われる中、唯一信じたのがカサンドラ。
そこで、カサンドラが亡くなった人と通信すると始めた儀式が「こっくりさん」ですよっ!ご存知ですか?
スペインにも「こっくりさん」があるのかっ?!と、そこに一番驚きましたけど、実はヨーロッパが発祥だったんですね。
コックリさん(狐狗狸さん)とは、西洋の「テーブル・ターニング(Table-turning)[注釈 1]」に起源を持つ占いの一種。机に乗せた人の手がひとりでに動く現象は心霊現象だと古くから信じられていた。科学的には意識に関係なく体が動くオートマティスムの一種と見られている。
学生時代には、恋愛関係について友人とよくやってました。で、指が勝手に動いたと、その当時は本気でビビってましたけど、今なら「フン、そんなモン」と鼻で笑っちまいますよね。
大人になるって、いいのか、悪いのか。感受性が消耗しちゃってるのか、常識的になるのか。
で、こっくりさんによってカロリーヌが主張していたベッドの上の死体の名前が明らかになります。
そんなこともあり、カロリーヌはどんどんカサンドラに取り込まれて行きますが、カサンドラを信用していないのがカロリーヌの夫フェルナンドとエヴァ、そしてエヴァといい感じの一等航海士:ニコラス。
三人は、懐疑心マックスな目でカサンドラを観察しています。
囚われの父
実の弟に暴行を加えたマリオ(セレブ姉妹の父)は、機関室の檻に閉じ込められてしまいます。そのマリオにこっそり会っているのが、シーズン1でセレブ姉妹が助けたルイサ。
ルイサは妊娠している様子。
檻の中にいるマリオを訪ねたルイサの大きくなったお腹をさすりながら、マリオは「父親のいない子にはしないからな。ここから出してくれ」みたいなことを言います。
父親はマリオなのか?
でもね、マリオは重大な罪を犯したということで、娘たちからも反感を買っていますが、個人的には本当に父親が罪を犯したのか?と疑ってはいるんですね。
なんとなく、その裏にはもう少し別な側面があるような、また別の秘密が隠れているような気がしないでもないんですよ。
カサンドラの真意
あれこれとカサンドラが企んでいたのは、姉の死を不審に思い、その犯人を捜すための小細工だったんですね。
それにしては、大掛かりすぎるだろっ!とは思ったんだけど、まあドラマですからね。しかも時代が違えば違う発想をするかもしれないし・・・と、やり過ごすことにしました。
カサンドラの姉ローズは、実はフェルナンドと付き合っていたという事実もあり、それが露呈して人間関係が不信の渦に巻き込まれていくんですけどね。
あー、めんどくさっ!って感じです。人間は、間違いを犯さず生きていけるものではないし、やっちまったことをどう言い訳しようと、やっちまった事実は消えないわけで、それによって傷つく人や失う信用は計り知れないですよね。
ということを頭ではわかっていても、もしかしてバレないんじゃない?と思ってパッションに背中を押されて飛び込んじゃうのが浮気だと思うんですけど、どうかしら?
きっとフェルナンドも後先考えずにローズと付き合っちゃったかもしれないけど、それによって面倒な事に巻き込まれているわけです。
カサンドラに信頼を寄せいていたカロリーヌでしたが、この一件で友情は木っ端みじん。だけどカサンドラは「もし、あなたとは違う状況で出会っていたら、真の友情を築けたかもしれない」と言うんだけど、カロリーヌはきっぱりと「そうは思わないわ」と答えます。
この言葉の中に、カロリーヌの裏切られたことへの憎しみが籠っていますよね。「もし・・」なんていう不確かな言葉には、何の価値もありません。そこで同情を買おうったって、相手はお見通しだわよね。
ルイサとマリオの関係は?
船底の檻に閉じ込められているマリオ。そこに度々、情報を持ってくる妊婦のルイサ。
一体彼らが何を企み、どのような関係でそうなっているのかが謎です。ルイサは船の中にいるにも関わらず、シーズン2ではほぼ他の人と関わっていませんし、妊娠している事実もドクターロハスしか知らない様子。
だけど、終盤ルイサは救命ボートに乗り込んで客船から脱出してしまうんですね。マリオも一緒に乗り込もうとしていたものの、それは叶わず、ルイサはひとりで海に降りていきます。
ルイサは、無事なのか?と気になっていたところ、最終話でリオの港に客船が着き、ごったがえしている港の中で、車に乗ってほくそ笑んでいるルイサが登場します。
それがシーズン3の新たな展開を予想させるワンシーンだったのかな、と。
まとめ
引っ張るなぁーってとこがやや不満なシーズン2ですが、どうやら「アルタ・マール: 公海の殺人」は現在のところ、シーズン4まで予定されている様子。
シーズン2の最終話では、カサンドラが探っていたことが明らかになり、船も無事リオへ到着しますが、そこからまた波乱があるんだろうな、と思わせるような締めになっていました。
少し昔に書かれた推理小説を読んでいるかのようなドラマですが、そこがまたいいのかも。
スピード感だけで疾走し、後は焼け野原・・・みたいなサスペンスがお好きな方はちょいとイライラするかもしれませんが、登場する女性の美しさや、少し前のファッションと一緒にのんびり家で楽しむにはいい作品だと思います。