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おすすめ英国ドラマ「埋もれる殺意」シーズン1ネタバレ感想|秘密はない方がいい

英国BBCで放送されたクライムサスペンスドラマ「埋もれる殺意」のシーズン1を鑑賞しました。

イケメンが出てくるわけじゃなし、39年前の事件を追う話しなので、登場人物もじーさん&ばーさんが多いし、ストーリーは重いし景色はおおむね暗い。

だけど、サスペンス大好物な私には極上の作品でした。

事件を追うとともに、もしかして容疑者?と思われる4人の生活が描かれ、そこに潜んでいるそれぞれの闇が次第に明らかになっていきます。

そして、その秘密を知ったとき、家族は何を思い、どのような決断を下すのか?!ってとこも丁寧に描かれていて見ごたえのあるドラマでした。

サスペンスなので核心には触れず感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレは含みますことをご了承くださいませね。

埋もれる殺意シーズン1~39年目の真実~ 概略

2015年にイギリスBBCでスタートしたクライムサスペンスドラマ。イギリスでは、2018年までにシーズン4まで放送されています。

シーズン1「39年目の真実」は、ある建物の地下室の床の下から白骨化した死体が発見されたことから始まります。

ざっくりあらすじ

ある建物の地下室の土の中から白骨死体が見つかり、遺体はジミー・サリバンと特定され、殺人者の捜索が始まる。

1976年に殺害されたと思われるジミー・サリバンは、家出をしたホームレスの少年だったが、彼が書いた日記が見つかり、そこに載っている名前から特定していくことになる。

そして、日記に書かれていた聖職者、著名な起業家、地域社会の労働者、車椅子の元会計士の4人が浮上。

それぞれに隠すべき秘密があり、警察の尋問では明らかにウソをついていることがわかるものの、次第に彼らの嘘に迫っていくと、彼らの家族にも多大な景況が及んでいく。

主要キャスト

かなり登場人物が多いし、外国人でしかも老人となると区別がつきにくかったりもしたので、主要な人物だけ拾ってみました。

わからなくなったらチェックしてみてください。ぜひ!

刑事 キャシー・スチュワート

ニコラ・ウォーカー

ロンドン出身、ケンブリッジ大学卒の才媛で、映画よりTVドラマの出演の方が多いイギリスの女優。

白骨化した死体が見つかったことで捜査チームをまとめるボス。迅速&的確な指示で部下の信頼も厚い様子。

夫とは死別、妻を亡くしてひとりになった父親と一緒に暮らしていて、一人暮らしをしている大学生の息子が二人いる。

帰るとまず赤ワインを飲みつつ、父親と会話をするのが習慣。料理は父親の担当のよう。

刑事 サニー・カーン

サンジーエフ・バスカール

キャシーの右腕。多くの指示がなくても、キャシーのアシストを的確に務めて助けている。

私生活では妻と離婚し、思春期の二人の娘と暮らしているが、父親には対処しきれない娘の言動にいつも悩まされていて、時々キャシーに愚痴をこぼす。

実業家 サー・フィリップ・クロス

トレバー・イブ

地域でも有名な実業家で政界入りを狙っている様子。

キャスティングってホント、うまいなぁといつも思うんだけど、トレバーおじさんは、お金があってやり手な実業家な雰囲気と、のし上がっていく過程で悪いこともやってきただろうなぁというふたつの雰囲気をいい感じでまとっている。

息子と弁護士の娘と妻がいて、息子には名前だけでも貸してほしいと頼まれても、ガンとして断る頑固おやじだったりもする。

ロバート・グリーブス神父

バーナード・ヒル

妻と二人暮らしで、妊娠中の娘と結婚を控えた娘がいる。教会の会計に不審な点があり、動揺するロバートの様子を見ているとかなり怪しい。

ロバートにも、家族には何十年も言えずに秘密にしていたことがあり、それが明らかになることで仲が良かった家族4人の関係にヒビが・・・。

車椅子の元会計士 エリック・スレーター

トム・コートネイ

事故で車いす生活になってしまったエリックは、妻と二人暮らし。妻のクレアは、認知症の症状が出ていて、近所に住んでいる息子が時々面倒を見に来ている。

もう一人いる息子ともども、家を手放して施設に入ることを勧めているが、ガンとして引っ越さないとエリックは主張する。不思議なほど引っ越しに猛反対するエリックの様子から、家の中に秘密があることを感じる。

サッカー部のマネージャー リジー・ウィルトン

ルース・シーン

地域の貧しい子供たちを集めたサッカーチームの面倒を見ている黒人の夫:レイのアシスタントとして子供たちの面倒を見ている。

平和に暮らしていたものの、若いころにリジーがやっていたことが夫や子供たちに知られてしまい、信頼関係が崩壊する。

埋もれる殺意シーズン1~39年目の真実~感想

イギリスのサスペンス系ドラマって、アメリカものに比べるとぐっと暗いような気がするのは私だけでしょうか。

LAの空のような明るさは見えないし、NYのイエローキャブと違って、ロンドンタクシーは黒ですしね。だから、殺人事件です!ということになると、なお一層の重苦しさが画面から漂ってくるような気がします。

大体、底抜けに明るいサスペンスなんてのは望んでいないので、暗くても重くても面白ければOKですよね。

解明の力

今作は、39年前の殺人事件ですから、白骨死体の身元確認からして難しい。ところが、大腿骨の下にあったらしい鍵のようなものが見つかります。

それを分析すると、ステンレス製の車のカギだということがわかり、車の製造年月日と製造番号が判明しちゃうんです。

日本のドラマでも、科捜研の女やトレースなどを見ていると、科学の力のすごさを感じますよね。大好きです!あーゆー感じ。

ところが鍵からたどり着いた車は、盗難車でした。でもね、地道な捜査で車がまだ存在していることがわかり、確認に行くと、もうぼろぼろのバラバラ。

でも、取り外されたパーツを調べていると、カバンが見つかり、そこから被害者のものと思われる日記が出てきたことにより、少しずつ真相に迫っていくんですね。

サニーは、この捜査に乗り気ではなかったものの、キャシーは「どんなに時が経とうと、罪は罪」と諦めません。

39年前の秘密

日記が見つかったことで、じわじわと少しずついろいろなことがわかってきます。

日記の中にあった電話番号や名前、住所などから、犯人か?と疑われる4人が浮上するんだけど、脛に傷持つ4人にとって警察の接近は恐怖でしかないわけです。

4人ともがそれぞれに秘密を抱えていて、秘密を知られたくないがために挙動不審になるもんだから、より一層疑わしく思えてくるんですね。

でも、このドラマは、単に犯人捜しをするサスペンスではなくて、4人の秘密が明らかになったときの家族の在り方も見どころになっています。

あなたには、だれにも言えない秘密ってありますか?もし、それを打ち明けるとしたら誰ですか?

そして、打ち明けた時、その人はどうすると思いますか?

私の人生は非常に平凡だったので、大きな秘密なんてのはないし、人に言えないことも考える限りないので、ドラマの中の家族に言えない秘密を抱えている人の気持ちは理解はできないけど、人に言えないようなことはしない人生を選んだほうが楽だな、ということを感じます。

この記事を書いているときに、大学生に脅迫されたアスリートのニュースがテレビで流れていましたが、脅迫されるってことは、人に知られたくないことなわけで、そんなことをやらかしちゃったがために面倒なことに巻き込まれるわけですもん。

ただ、若気の至りって言葉があるように、若いころは判断力も未熟だし、その時の感情に流されがちだったりします。

疑わしい4人が抱える秘密は、みんな若気の至りによるもの。

自分がやらかしたことが、何十年も経過してから家族との関係が脅かされることにもなりうるわけです。怖いわねぇ

それぞれの若気の至りによる秘密が、白骨死体の事件と全て微妙につながっていきます。脚本の力ですかねー。見事です。

被害者の母

白骨死体で見つかったジミーには、ずっとジミーの帰りを待っていたお母さんがいました。ひとり息子だったんです。お母さんの気持ちを思うと、おばちゃんはもうここで泣きそうです。

キャシーは、リバプールにいるジミーの母を訪ねていき、父親の暴力から逃げるようにして家を出たジミーは、人種差別や貧困と戦いながらロンドンで過ごしていただろうことがわかってきます。

母親にはマメに手紙を書いていたジミーだったけど、音信が途絶えたことで母親から捜索願も出されたのに、警察はまともに相手にしてくれなかった様子。クソだな。

ジミーの母は、心のどこかでジミーの死を意識してはいただろうけど、遺体を見たわけでも確証があるわけでもないから、諦めきれない。どんな辛いことでも知りたいと言います。

でも、ひとりしかいない最愛の息子が、39年間も誰にも知られることなく、こんなところに眠っていたと知ったらどう思うでしょう・・・辛すぎますよね。

ドラマだとわかっていても、泣けてくるって。

自分にとって何らかの不都合や何らかの面倒、怒りなどから殺人ってのは起こってしまうのだろうけど、相手にも生活があり、親がいて、家族がいる。刑事も母に息子の死を告白するのは、嫌な仕事のひとつだろうなぁ・・なんて思ったりします。

モラハラ夫の本当の姿

昔の人だから、イギリス人であっても妻に対して威圧的なんですね。牧師のロバートは、怒鳴ったり暴力をふるったりするわけじゃないけど、家族に対して自分の意見を押し通そうとするし

車いすのエリックも同じように、自分の言うことが正しい、自分に従っていればいいというスタンス。見ているだけでむかつきますよ、そーゆーおじさん。

ところが、エリックの認知症を患っている妻は、時々激怒して「薄汚い豚野郎。あんたのしたことは全部わかってるのよっ」と怒鳴ります。

この言葉の中に、えっ?!そんな・・と、予想もつかないエリックの秘密が隠れているんですよ。

ロバートの秘密も、神父が犯してはならない出来事です。神父だろうと、社会的があろうと、絶対に間違いを犯さないわけじゃないし、人は迷える子羊ですからね。でも、びっくりしまっせぇ

まとめ

感想がまとまっていませんが、サスペンス好きな方にはおススメのドラマなので、なるべく詳細がわからないよう書いたためによるとご理解くださいね。

なんていうか、うまい言葉が出てこないけど、サスペンスだけで終わらせていない深いドラマです。

もし、自分に大きな秘密があったとしたら、私はひとりの胸に収めておけない性格なので、誰かに話しちゃうだろうと思うけど、その時は話す相手との関係性が壊れる覚悟をするかもな、と考えたり

罪を犯したなら、誰にも言わないより、自首をして罪を償った方がその後の人生をストレスなく過ごせるのでは?と思ったり

まあ、鑑賞後にいろんなことを考えたドラマでもありましたね。

シーズン2「26年の沈黙」も鑑賞しました。物語の展開は同じような感じですが、こっちは見つかった遺体の裏に深い深い事情が隠れていて、こっちも抜群に面白かったです。

どちらも激しくおススメです。

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