アメリカの人種差別の歴史について、池上彰さんの番組で特集していたのを観て、以前アメリカ黒人の公民権運動で活躍したキング牧師の映画を思い出しました。
日本は単一民族だし、宗教戦争もないけど、差別はいろいろなところに存在していると思うんですね。
貧富、学力、学歴、社会でのポスト、職業、生まれ、家柄、男女、まだまだあるでしょう。それをネタに差別発言をする人はたくさんいるし、ハラスメントも差別的心理が根底にあるはず。
だからって、アメリカの人種差別について知っても何にもならないし、とか、関係ないし、と思うかもしれませんが、
差別を受けた人たちがどう思うか、それに立ち向かった人たちは、自分のためではなく、将来自分の子供たち、またその子供たちのために戦った、ということを知るべきじゃないかなぁと思った次第です。
アメリカ合衆国の白人至上主義を唱える秘密結社「KKK」の活動もトランプ政権になってから活発になっているようですが、その活動の根底にあるのは、将来的にこのままいくとアメリカ白人がアメリカ人口の過半数を割ってしまうかもしれないということによるものでもあります。
日本も今、労働人口の減少から外国人労働者を受け入れる法案が検討されていますが、もしかしたら遠い将来には、今のアメリカと同じような問題を抱えてしまう日がこないとは言い切れない。
ということを、正解はないだろうし、人によって考え方は様々でしょうが、知っておくべきことかなぁと思ったので、映画で南北戦争やキング牧師の活動について観てみたら、わかりやすいかも、と思いついたのでご紹介いたしますね。
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アメリカの人種差別の歴史を映画から学ぶ
その1 南北戦争時代を描いた「風と共に去りぬ」
画像引用元:シネマトゥデイ
1939年のアメリカ映画。大農場主の娘である「スカーレット・オハラ」を演じていたのが、ヴィヴィアン・リー。スカーレットの家にメイドとして働いていたのが、右側のハティ・マクダニエル。
ハティ・マクダニエルは、1932年に映画界にデビューし、この作品でアカデミー助演女優賞を受賞。
「風と共に去りぬ」は南北戦争を壮大に描いた長編映画ですが、黒人メイドと共にあった当時の南部の生活が映画から伺えます。
その2 スティーヴ・マックィーン監督作品「それでも夜は明ける」
奴隷制度があったアメリカを舞台に、拉致され南部の綿花農園で12年間も奴隷生活を強いられた黒人男性の実話を映画化した伝記ドラマ。
壮絶な奴隷生活、そして絶望に打ち勝つ希望を描いていますが、涙なくして見られないし、心がつぶれそうになるほど苦しい映画でもありました。
監督はスティーヴ・マックィーン、ベネディクト・カンバーバッチ、ブラッド・ピットも出演。
その3 非暴力で戦ったキング牧師「グローリー 明日への行進」
奴隷解放から100年経っても人種差別はなくならず、公民権を得るために立ち上がったキング牧師の実際の活動を元に描いた作品。
憎悪は憎悪を生み、暴力は暴力を生む、と説き、どんな妨害を受けても決して暴力では抗議しなかったキング牧師がとった行動は、多くの人の賛同を得て、やがて大きな抗議の行進になっていきます。
それを観ていると、これまた涙が止まらない。そして、暴力のない静かで圧倒的パワーを持った抗議の力をひしひしと感じます。
その3 黒人メイドの生活を描いた「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
1960年代、人種差別が横行していたアメリカの田舎町に変化をもたらした実在の女性たちについて記したベストセラー小説を映画化。
白人家庭でメイドとして働く黒人女性たちとジャーナリスト志望の若い白人女性との友情を通して、社会に対して立ち上がる勇気を描いています。これは明るい映画で涙を流さず観られるし、勇気がもらえる作品。
黒人女性の明るさの中には、苦悩や悔しさや腹立ちがあることを忘れちゃダメだけどね。地味だけど、個人的に「ヘルプ 心がつなぐストーリー」は、とても好きな作品です。
その3 差別と暗殺の歴史「私はあなたのニグロではない」
黒人公民権運動の活動家で、いずれも暗殺されたメドガー・エバース、マルコムX、マーティン・ルーサー・キングの3人の軌跡を通して、アフリカ系アメリカ人の激動の現代史を描き出したドキュメンタリー。
キング牧師没後50年ということで、こうした作品が再びフォーカスされることになったのかと思います。
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まとめ
ハラスメントも差別です。アジア人である日本人も有色人種です。その昔は、有色人種としての差別もあったわけです。いや、今でもアジア人に対する差別は存在します。
差別によって心に大きな傷を負うこと、人としての尊厳を損なうこと、自分はよくても決して子供たちには同じ思いをさせたくないと感じること、そうしたことを全ての人がきちんと共有すべきじゃないか、と私は思うわけです。
人の痛みがわかる人が増えたなら、差別やいじめも少しは減るかもと思うんだけど、どうかしらね?
映画は、勉強できる作品もたっくさんあるんです。なんせ私は学生時代、こうしたことに全く興味がありませんでしたので、そんな私を映画が助けてくれているってわけです。
洗脳ではなく、世界中が事実をきちんと伝える教育をすれば、世の中はもう少し平和になるのかなぁと、簡単ではないだろうけど、希望と共にそんなことを感じました。