洋画

「ノッティングヒルの洋菓子店」ネタバレ感想|帰り道にご用心

年初一作目に見る映画は、気分が明るくなるような作品にしようと思って選んだのが「ノッティングヒルの洋菓子店」

イギリスのドラマは暗いものが多いという印象だったけど、今作は誰が観ても気持ちよくハッピーに包まれる作品です。

夢を追うことは決して簡単じゃないし、多くの人が関わればそこにはそれぞれの思惑があって複雑になってきます。

だけど、人を思いやる心や、感謝の気持ちを持ってひとつの目標に向かうことで、団結心が生まれ喜びも倍増するんだよなぁと感じた作品でした。

それでは感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。

作品概略

原題:Love Sarah
製作年:2020年
製作国:イギリス
キャスト:セリア・イムリー、シャノン・ターベット、シェリー・コン
監督:エリザ・シュローダー
脚本:ジェイク・ブランガー

ときめくスイーツに協力した「オットレンギ」とは?

洋菓子店が舞台になっているため、スイーツ好きな女子ならうっとりするような美しい洋菓子がたっくさん登場するのもこの作品の大きな魅力。

そこに協力していたのは、2002年にオープンし食通の間では知らない人はいないと言われているロンドンの「オットレンギ」

パティシエというよりは料理人のようで、youtubeにもその鮮やかな手さばきで仕上げられる美しい料理動画がアップされています。

シェフのヨタム・オットレンギ氏はイスラエル出身で、ヴェジタリアンやヴィーガンにも対応したメニューが動画にもありました。

「that food is really an international language.」と語っていて、確かに人種や年齢や性別など、全ての垣根を超えるのが「一緒に美味しいものを食べること」かもしれません。

オットレンギで使われる食材は、主に英国内で調達され、地元の小さな食品生産者と協力していることを誇りに思っているとHPにありました。

イーストロンドンのオーガニックフルーツと野菜の協同組合や、100%草を与えて人道的に牛を育てることを実践している農家を支援するなどの活動もしています。

今は海外旅行が楽しめない環境になっていますが、海外のサイトを見ることでプチ旅行気分が味わえるかもしれません。

ざっくりあらすじ

ウェスト・エンド・ロンドン地域のノッティングヒルで、パティシエのサラと友人イザベラはスイーツ店をオープンさせるための店舗を契約していたが、突然サラが亡くなってしまう。

イザベラは店のオープンを諦めかけるが、そこにサラの娘クラリッサが母の夢を実現させたいと、疎遠になっていた祖母を巻き込みオープンに向けて走り出す。

パティシエを失ったイザベラたちは、パティシエを募集するが、そこに現れたのが昔のサラの恋人だったマシュー。

店の名前を「Love Sarah」と命名し、何とかオープンにこぎつけるが、店は軌道に乗るのか?みんなの思いはひとつにまとまるのか?

感想

ミミとクラリッサの再会

冒頭、ミミは娘のサラに手紙を書いています。

だけど、その文面は最後まで見えず、何を書いたんだろう?と疑問に思ったまま話が進んでいきます。

娘のサラを亡くしたミミは、友人との集まりにも参加せず、引きこもっていましたが、そこに突然現れたのが孫のクラリッサ。

クラリッサは母サラを亡くし、バレエダンサーとして活躍していたものの、稽古にも身が入らず、一緒に住んでいたボーイフレンドからも別れを告げられ、仕方なく長年絶縁関係になっていた祖母のミミを訪ねます。

久しぶりに現れたクラリッサに対して、ものすっごいクールなミミ。

「いくらいるの?」と完全にお金を借りに来たに決まってる、と決めてかかっています。

年寄りって頑固になると言われているけど、歳を取ればとるほど頑固になっちゃ嫌われるだけだと思うんですよ。

周りに愛されるかわいいばーさんでいなくちゃ損です。ミミはいつでもしかめっ面。

そりゃあ怖いって。

それでも住むところがないとクラリッサから言われて、同居を承諾するミミ。

大音量で音楽を聴いて近所からクレームがあるわ、食事の時間や好みは合わないわ、なんだか家の中がバタバタするわで、ミミからしたら生活が一変し穏やかな毎日じゃなくなったかもしれないけど、本当は嬉しかったと思う。

Love Sarahオープンに向けて

優秀なパティシエのサラが亡くなったことで、投資家も手を引き、店のオープンを諦めかけていたイザベラでしたが、そこを思いとどまらせたのがクラリッサ。

どうしてもママの夢を叶えたいと、ミミに資金提供を持ち掛けます。

最初は迷っていた様子のミミでしたが、意外とすんなりOKが出ます。

そこで一番の難関がパティシエ不在、ってこと。募集を掛けるんだけど、ろくなヤツが来やしない。

雇われパティシエが、3人の熱い夢を背負うだなんて荷が重すぎるしね。そこは難しいはずです。

と思っていると、サラとイザベラが学んだパリの洋菓子学校で一緒だったマシューがふらりと面接にやってきます。ちょっとタイミングよすぎですよね?とは思うけど、イザベラは断固拒否。

洋菓子学校時代、どうやらサラとマシューが付き合っていたことが原因のようだけど、それだけでそんなに拒絶するか?ってとこがやや疑問。

いやいや、イザベラはマシューのことが好きだったのよね。そして、その思いがまだ残ってる?とは言え、十数年前の恋心を引きずりますかねぇ・・・

そんなこんなのいろいろはあったけど、試作品として作ったマシューのケーキがべらぼうに美しい。

これらがきっと「オットレンギ」の協力で作られたってことよね。

店はロンドンにあるけど、マシューが学んだのがパリの洋菓子学校だったことからか、ケーキはフランス風のよう。

イギリスの代表的なスイーツだとスコーンかしらね。それくらいしか思いつかないけど。

作っている過程も撮影されていて、仕上がったチョコレートケーキに上からだら~っと溶けたチョコレートをまぶしているところなんて、うっとり見る以外の姿勢が見つかりません。

食べたいスイーツが一番のご馳走

オープンしても3人が期待したほどの売り上げはなく、家賃すら払えないかも。という状況の中でミミが閃いたのが、それぞれの故郷で愛されているスイーツを作ること。

確かに、海外で暮らしていても自分の国で子どもの頃から慣れ親しんでいたおやつが食べられたらうれしいですものね。

自分が、子供の頃から慣れ親しんできたおやつって何ですか?

まあ、ケーキ屋さんには売っていないモノかもしれないけど、ケーキ屋さんでも食べられるモノと限定したら・・・私は不二家のモンブランかな。

和栗とか、イタリアの栗とか、本格的なのじゃなくて芋で作った黄色いモンブランです。中は生クリームとスポンジだけというシンプルなヤツ。

今どきのモンブランはものすごく美味しいけど、時々ちょっとジャンクなモンブランが懐かしくなりますもん。

どれだけ美しく着飾ってインスタ映えするように気取った出で立ちのケーキより、「心底食べたい!」と思うのは、意外と素朴な味だったりするものです。

そこに、ミミは目を付けたんですね。

日本のスイーツ登場

そんな奮闘をしている「Love Sarah」にひとりの日本人がお客としてやってきます。

どんなスイーツが食べたいか?と尋ねてみると、「抹茶のミルクレープ」という答え。なるほど!イギリス人にとって日本を代表する洋菓子は抹茶のミルクレープなんですかね。

美味しいけど!!

そこでマシューとイザベラは早速、試作に取り掛かるんだけど「日本人はよっぽど時間があるのね」とつぶやくイザベラ。

確かに、ミルクレープは薄いクレープ生地を何枚も焼いて重ねるという、ごっつ手間のかかったケーキですものね。ぷぷっと笑えます。

だけど、完成した抹茶のミルクレープはシンプルですごく美しかった。あれ、食べてみたかったですねー。

ミルクレープは、ハーブスのミルクレープが一番好きです。あ・・・話が逸れていく。でも食べたい。

で、でで、その抹茶ミルクレープを発注した日本人の女性が、実はLove Sarahにとってのキーパーソンになるんです。

帰り道にご用心

もうお分かりいただけたと思いますが、そうなんです。今作を観ているとスイーツ好きなら、絶対に帰りにケーキを買って帰りたくなるはず。

しかも、映画を観ている最中から、あれも食べたいしこれも食べたいと、頭の中では妄想がさく裂するはず。

だから「帰り道にご用心」なんです。

私??

車で行って、映画館の地下駐車場に止め、その映画館は商業施設に入っているわけではないため、買い物をする場所がなかったため無事帰宅しました。

前の日にイチゴのモンブラン食べてたからね。それもブレーキになっていたかな。

すでに鑑賞した方と共有する感想

マシューが突然、店にやってきたのは、クラリッサが実は自分とサラの間にできた娘じゃないか?という思いがあったからなんですね。

今まで何もできなかったことに対する償いの思い、会いたい、何かしてあげたいという気持ちからだったと思われます。

クラリッサの方でもマシューが父親なんじゃないか?と疑っていたようだったのに、結果として親子じゃなかったのが個人的にはちょっと残念にも思いました。

母の夢を継いで、父と娘で頑張る!みたいな図っていいなぁと勝手に思ったけど、現実的には他人の方が上手くいくのかもしれません。

で、冒頭にミミがサラに向けて書いていた手紙の内容が明らかになります。

頑固であること、サラから協力してほしいと頼まれたのにガンとして断っていたことを後悔し、何でも助けてあげる気持ちになって書いた手紙だったのに、それを渡すことができずサラが亡くなってしまったわけです。

ミミは後悔してもしきれず、きっとものすごく自分を責めただろうし、だからこそ誰にも会いたくなかったのだろうと思いました。

後悔しないように生きよう!と言ったりするけど、全く後悔しないで生きていくことって難しいです。

でもね、ミミは後悔したからこそ、クラリッサを受け入れ、その結果Love Sarahを軌道に乗せることができ、新しい人生を手に入れたんだと思うんですよ。

その時は後悔しない選択をしたつもりでも、何年後かに自分の選択は間違っていたかもしれない、と後悔することだったありますよね。

でも、後悔したことを後悔しても元には戻らないので、その後の人生にその後悔を生かすようにしなくちゃな、と思わせてくれた作品でもありました。

とびっきり美しいスイーツを鑑賞し、すっきり心穏やかな気持ちになれる1本でした。

くれぐれも帰り道のスイーツ買いはご注意を!

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