洋画

映画「She saidシーセッド」口コミ|実話を基にMee too運動を巻き起こした激熱作品

コロナが世界中で猛威をふるっていた中、海外から入ってくる映画の本数が激減していました。

洋画ファンなので、そんな状況に少し寂しさを感じ、もっぱら動画配信を楽しんていましたが、今回ブラボーな作品に出合いました。

映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインの卑劣な行為をニューヨークタイムズ紙の女性記者ふたりが、徹底的に調査して暴いた実話を基にした社会派作品「She saidシーセッド」。

作品概略

原題:She Said
製作年:2022年
製作国:アメリカ
キャスト:キャリー・マリガン、ゾーイ・カザン
監督:マリア・シュラーダー
原作:ジョディ・カンター ミーガン・トゥーイー
脚本:レベッカ・レンキェビチ

この映画は、本物のニューヨークタイムズの建物で撮影され、実際のオフィスを使用しています。

ブラッド・ピットは本作のプロデューサーの一人です。そして、ブラッド・ピットは、映画の基になっている本の権利を購入する数十年前に、ハーヴェイ・ワインスタインに対するセクハラの申し立てを知っていたそうです。

本作に出演はしていませんが、声は本人のものとされているグウィネス・パルトロウは、1994年から3年ほどブラッド・ピットと付き合っていた間にワインスタインからセクハラされたそうです。

原作

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#MeToo運動を拡げたピュリッツァー賞受賞記事の内幕を描く調査報道ノンフィクション。

映画のニューヨークタイムズで調査を担当し、記事を執筆した女性記者が原作になった本を書いたジョディ・カンターとミーガン・トゥーイー。

左がジョディさん。

2020年ニューヨーク州で性的暴行により、23年の禁錮刑を言い渡されたワインスタイン。

Wikipediaにワインスタインが手掛けた映画が掲載されていますが、素晴らしい作品がずらりと並んでいるので、こんな卑劣な行為がなければその業績を語り継がれる人になったかもしれないのに。

残念です。

ハーヴェイ・ワインスタイン

ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行に関する調査は数十年に及んでいます。2004年にはニューヨークタイムズのジャーナリスト:シャロン・ワックスマンによって調査されましたが、名誉毀損を恐れてタイムズの経営陣は調査を打ち切ります。

10年以上のちにジャーナリスト:ローナン・ファローがNBC(アメリカ合衆国の三大ネットワークのひとつ)の支援の下で申し立てを調査しようとしましたが、NBC幹部もニューヨークタイムズ同様に調査を断念します。

ニューヨークタイムズの記事がきっかけとなり、ワインスタインはニューヨーク警察に逮捕され、ニューヨーク最高裁判所によって禁錮23年の判決を受けて現在服役中。

ふんっ!ざまーみろ!ですね。

しかし、ワインスタインには娘もいるというのに、何故こんな卑しい行為を続けてこられたのか?

自分は特別である、困ったら金で解決できる、という驕った意識があったのだろうと思うんですね。

禁固23年なんて軽すぎます。

被害にあった女性たちは、生きてはいるけど心を殺されたも同然です。一生心の傷がいえることはないはずです。

#Me too

原作となった「She said」の出版を機に、多くの女性が声を上げ、それが#Me too運動へと発展していきました。

詳しくはBUSINESS INSIDERの「#MeToo運動に火をつけたニューヨーク・タイムズ記者が語る。ハリウッド実力者の性暴力、女性たちはなぜ実名で証言したのか」

を是非、読んでみてください。

感想 口コミ

「ワインスタインと同じような人が世の中にあとどれくらいいるのだろう」とつぶやくんだけど、これは私も映画を見ながら同じことを感じていました。

権力や立場を利用した卑劣な行為。許せないけど、きっとゼロにはならない。そして、被害者が声を上げにくい世の中であることも大きく変わらない。

そこはすごく残念に思うけど、こうして本が出版され、映画となり、多くの女性が「#Me too」と声を上げたことは大きな前進だったのではないでしょうか?

ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーが取材を続ける中で、門前払いをされたり、名前の公表はNGだったり、思うような証拠は集まりません。

法的に口外できないようにされていたり、示談金を受け取っていたりと、加害者側は権力と財力にモノを言わせ、巧妙に逃れてきています。

性被害に対して、世間の目が「被害者にも落ち度があったのでは?」とか、「何故、逃げてこれなかったのか?」という残酷な声があるのも事実。

そうした世間に対して、私はワインスタインから性的虐待を受けました!と声を上げることができるでしょうか?

これは被害者だけの問題ではなく、世の中のそして法律の問題でもあると感じます。

卑劣な行為を繰り返す加害者が、有名でお金持ちだったから罪から逃れ、弱者である被害者は人生そのものを踏みつぶされています。

そんなこと許されます??猛烈に腹が立ちます。

そもそも、性被害の証拠を残すことなんてできますか?どんなことが証拠になり、どうしたら立件できるのでしょう?

昔、友人の弁護士にちょっと聞いたことがあるんだけど「被害を届け出て、それにより相手を有罪にするのはとても難しい」と言っていました。

確かに冤罪を作る可能性を考えたら、確かな証拠ってのは必要なんだろうけど、だとしたら性被害は泣き寝入りするしかない、ってことになっちゃう。

そんなこんなの問題提起をした、素晴らしい映画だと感じます。

もうひとつの側面

ジョディはふたりの娘の母。ミーガンは産休明けで調査に加わります。ふたりとも、働くお母さんなんです。

ミーガンは産休中に産後鬱になり、復職したことで少し元気を取り戻します。

ジョディは、取材のためあっちこっちに飛び回り、娘たちに寂しい思いをさせていることで後ろ髪を引かれる思いをします。

だけど、ふたりとも決して諦めない。諦めなかったからこそ、問題提起ができたし、卑劣なワインスタインを有罪にすることができたんです。

子どもがいるお母さんたちがフルタイムで働く大変さ。そこも描いた作品だったのではないだろうか?と私は感じました。

同じような作品

アメリカ放送界の実話映画「スキャンダル」豪華キャストが演じる実際の人物とは?

シャーリーズ・セロン主演の2016年アメリカの「FOXニュース」に激震が走ったセクハラ事件を元にした作品。

「She said」とは描き方が異なる作品ですが、これもまたメディアでのセクハラを勇気をもって暴露した話し。

こんなこと言っちゃなんですが、いわゆる古いタイプの男性は、まだまだ女性を従属物のように思っているのでは?と感じます。

それって一種の老害です。

スマートな男性でいたかったら、女性は敬い丁寧に扱ってこそ一目置かれるってことを肝に銘じておいて欲しい。ですよね?

まとめ

ドカーン!ガラガラガッシャーン!的なアクション映画や、ハラハラドキドキのサスペンス映画が大好物ですが、こうした社会派作品も違った意味で見応えがあります。

取材に苦労していたジュディの元に、ひとりの女性から名前を出していいよ、という連絡が入ります。

涙を流しながらお礼を言うジュディを見て、苦労が報われたね、頑張ったね、と思わずもらい泣きしちゃいました。

本作は、ふたりが懸命に真実を追う姿が丁寧に描かれているので、ふたりの女性に感情移入しちゃうんですね。

自分が頑張ったわけじゃないけど、努力が報われたことをとても嬉しく感じます。

こんな作品がより多くの人たちに見てもらえたらと思うし、加害者がゼロになることはなくても、少しでも世の中が変われば嬉しいなと思いました。

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