Netflixの実話を基にしたオリジナルドラマ「ボクらを観る目」のネタバレあらすじも、これが最後になります。
3話は、未成年として収監されていた4人の少年鑑別所での様子と、出所後の生活。
4話は、ひとりだけ16歳だったことから成人刑務所に収監されたコーリーの過酷な刑務所での様子と、真犯人が名乗り出たこと。
もうね、ホント、コーリーの過酷な刑務所生活は、よく生きて出られたね、と思います。
4話のラストは、ガッチリと5人が抱き合い、無言で喜びあうシーン。どうも歳を取ると涙もろくなるようで、ここでも涙、涙でございましたよ。
それではGO!あらすじも感想もネタバレしておりますことをご了承くださいね。
Contents
3話あらすじ 刑務所での生活と出所後の4人
鑑別所には、それぞれの家族が面会に行くシーンもあり、トロンの母は「来ていいのなら毎日でも来るわ、ベイビー」と言うんですね。
例え自分より背が高くなった息子だろうと、母親にとっては永遠に息子。息子を思う気持ちは、赤ちゃんだった頃からと何も変わらないんです。
トロンが「毎晩怖い夢を見るんだよ、足音が大きくなってどんどん近づいてくる」と言うと、「それは私が迎えに来ている足音よ」と母。
この返しは、きっとお母さんだからこそだと思います。
トロン出所
お母さんが迎えに来ていました。一緒に帰宅すると、そこにはベッドに横たわる父の姿。
身体を壊して透析をしている父に、トロンは近寄ることができません。そしてお母さんに、もうオヤジとは別れが方がいいと、と言います。
自分たちを見放して、家を出てしまった事、警察で尋問された時、罪を認めてしまえ!と父親に言われたことをトロンは恨んでいます。
レイ(レイモンド)出所
家に戻ると玄関に父親が迎えに出ていて、ガッチリと抱き合います。だけど、家に入るとそこには父が再婚した継母がいて、ものすごく迷惑そうにレイを一瞥。
しかもその家は、継母の家らしく、従妹やら兄弟やら祖母やら、たくさんの人がいてレイの居場所はありません。
ユセフ出所
ユセフは、収監中に回教徒として勉強に励んでいました。辛い環境に置かれた時は、何か信じられるもの、何か熱中できることがあると救われますよね。
ユセフはそれを見つけたのでしょう。ただ、母はユセフが逮捕されたことで、仕事を失い、何度雇われても、ユセフのことが知られると解雇されていました。
それでも、面接に行くと息子には「大丈夫、全てのことがうまくいってるわ」と言うんです。泣ける・・・
ケヴィン出所
おねーちゃんが車で迎えに来てくれていました。バイト先で知り合った女性と付き合い始めるけど、学校に行くためお金を貯めたいケヴィンは、彼女とのデートも節約。
それが原因で言い争いになり、最後は彼女が「まさに囚人よね、だから罪人なのよ」みたいな捨て台詞。そこまで言うことないのに・・と、その言葉を受けたケヴィンの気持ちを思うと心が痛い・・です。
4人に課せられたキビシイルール
彼らには、一生90日ごとの面談が義務付けられ、午後7時から午前9時までの外出が禁止され、例え家の前の歩道であろうと、階段であろうとNG。
しかも、第3級性犯罪者はお子様ランチを運んでも再収監されるという厳しいルールが待っていました。
ケヴィンが、犯罪者が行くべき施設のようなところで、ユセフと再会。二人は抱き合って喜びますが、ユセフは脚に監視用の足輪を付けさせられていました。
ただ、ユセフは姉のPCと本で勉強し、仕事に就き、結婚もしていました。
ところが、ラストシーンで逮捕されたレイ。ここにキビシイ現実があります。
4話あらすじ コーリーと真犯人
コーリーの目を覆いたくなる劣悪な環境
逮捕された5人の少年の中でひとりだけ16歳になっていたコーリーは、殺人未遂については無罪になったものの、他の罪で有罪となり、成人刑務所に収監されます。
最初はライカーズ島の刑務所。そこで新入りということで暴行され、サイモンという刑務官は、その場にいたものの見てみぬふりをします。
おびえまくっているコーリーの姿は、痛々しくて見ていられません。
医務室に連れていかれ、処置をしてくれたドクターに「助けて!」と訴えるものの、「私がやるべきことはやった」とそれだけ。
看守のサイモンは「お前にできることは何だ?」とコーリーに問いかけます。暗に賄賂を要求している様子。
意味がわからず戸惑うコーリーでしたが、売店でお菓子を買ってサイモンに渡します。こんなことがまかり通るって!と思うけど、弁護士の海外ドラマ「スーツ」でも、刑務所では看守の力が絶大でしたからね。きっと本当にある話なのでしょう。
転所を願い出て、次に収監されたのは、ハーレムから500キロ以上離れたアッティカ。簡単にお母さんも面会には来られなくなってしまいます。
ここでも酷い暴行を受け、瀕死の重体に。奇跡的な回復を見せたコーリーは、独房に移り、危害は加えられなくなり、そこでロバーツというコーリーを気にかけ、優しく接してくれる看守と出会います。
ロバーツはコーリーを「坊主」と呼び、コーリーはその呼び名を気に入っていました。きっとその呼びかけに、ロバーツの愛情を感じていたのだと思います。
でも、ロバーツより大人になったコーリーの方が、ずっとおっさんぽいんだけどね。
で、コーリーがロバーツに「何故、優しくしてくれるの?」と聞くと「俺にも息子がいて、同じような目にあったんだ。人間らしく扱ってほしいと思うからさ」と。
フツー、人の心を持っていたら、ロバーツのような気持になると思うんですけどねぇ。どお?
コーリーはもっとハーレムに近い刑務所に移ればお母さんが面会に来てくれる回数が増えると、再び転所を願い出ます。
ところが、まるで運に見放されたかのように、もっとハーレムから離れたウエンディ刑務所に移されてしまいます。
ここでは、看守から「セントラルパーク・ファイブが来ると聞いて楽しみにしていたよ。有名だからってうぬぼれるなニグロ。注目されすぎなんだよ」みたいなことを言われるんですね。
観ていて胸糞悪くなるんですよ、ホント!
人って、自分より下の立場に人を置きたがるんですかね?そうすると、優越感が得られるんでしょうかね?ものすごくケチな優越感ですけどね。
コーリーは、度々「仮出所調査委員会」みたいなのに出席させられ、そこで「有罪になった罪を認めて反省していますか?」と尋ねられます。
やってもいないことは認められないけど、罪を認めれば仮出所が許可されるかもしれない。だけど、コーリーは認めず、最終的には「仮出所調査委員会」への出席も拒否します。
独房で考えることは、セントラルパークに誘われた時、彼女と一緒にチキンを食べていて、「女を優先するのか?」と言われ、行ってしまった事。そこで彼女と一緒にいることを選んでいたら・・という後悔。
そうだよね、そう思うよね。だけど後悔先に立たず、時間を戻すことはできません。
名乗り出た真犯人
ある時、強姦殺人で収監されている終身刑のマタイアス・レイエスという囚人が、セントラルパークでのジョガー暴行強姦事件は、自分がやったと言い出します。
そこで、1話でセントラルパーク・ファイブの事件を担当したリンダと対決した殺人課の女刑事(多分同じ人だと思いますが)が、マタイアス・レイエスと面談します。
マタイアは事件の詳細を語り、最初から最後まで自分一人でやったこと、他の人が罰せられてるけど、実際は自分がやったことだから自分が償わなきゃいけないと思ったこと、を告白します。
そして、残された証拠品の全てのDNAがマタイアス・レイエスのものと一致。
そこで、面談をした女刑事がリンダに会って、その報告をすると
「6人目の犯人が出てきただけのこと」と保身に汲々、絶対に譲りません。
イヤなオンナです。
たまにいるよね。高学歴で高所得で、地位もある高慢ちきな女性。まさにそれです。
だけど、真犯人が自白し、物的証拠も挙がったことで、5人の無罪が認められます。
ラストシーンで、家族と抱き合う姿、5人が集まって無言で力強く抱き合う姿、ひとりで号泣でした。よかったね、と。
感想
多分、友達だったユセフと数カ月しか違わず16歳になっていたコーリーだけが、成人刑務所に収監され、とても耐えられるとは思えない環境に愕然とします。
人を殴ることをなんとも思っていない人、人を陥れることに何も感じない人、人の痛みを自分に置き換えて考えられない人、暴力と暴力、そして暴力の世界。
どれだけ子供は、育つ環境が大事か、ってことを感じます。そして、時間の無情さを感じるのが、コーリーを含み少年だった彼らが刑務所の中で青年へと育っていく姿。
本当なら学校へ行き、勉強したり、友達と一緒にいたりと楽しい時間が過ごせるはずなのに、塀の中で時間が過ぎて行くのですから。
コーリーは仲が良かったお兄ちゃんがトランスジェンダーで、そのことが原因でお母さんと決裂し縁を切ってしまいます。
だけど、コーリーはが大好きだったお兄ちゃんは、殺されて亡くなってしまうんです。
どこまで神様はコーリーのことをイジメれば気が済むの?と絶望的な気持ちになります。でも、麻薬の売人をし、子育てを放棄していたお母さんが、コーリーの逮捕、収監で気持ちが変わっていくんですね。
やっぱりどこにでも学びはあるんだ、と救われた気持ちになります。コーリーが置かれた環境が厳しすぎて、観ている方もそこにすがりたくなっちゃうんですよ。ホント。
個人的にものすごく気がかりだったのがレイ。トロン、ユセフ、ケヴィンの3人には、帰る家もあったし「ベイビー」と言って迎えてくれるお母さんもいたけど、レイの実のお母さんは出てきませんでした。
父は再婚し、意地悪な継母に気を使っている生活。そして、獄中から手紙を出して別れた彼女と寄りを戻し、レイにとって彼女が心のよりどころになるんですね。
二人で暮らすために、お金が必要になってしまうわけですよ。そして、レイは麻薬売買に手を染め、それによってせっかく出所したのに刑務所に戻ってしまいます。
家は貧しい ⇒ 居場所がない ⇒ 仕事もない ⇒ お金が必要になったとき ⇒ 犯罪に走る
こうした図式が、とっても切ないです。パパは新しいワイフに気を使っているし、だからと言ってレイのことを心配していないわけじゃない。
まともな仕事に就くことができて、一人で生活していけるほど稼げていたら、違っていたかもしれないのに、と思うと残念です。
ただね、みんなが収監されようと、絶対に自分たちはやってない!という姿勢を貫いたことで、きっと真犯人が自供するという展開になったのだろうし、あながち不条理ばかりじゃないよね、と思いたくなりました。
まとめ
1から4話を通して、音楽がいい!場所はハーレムだし、時代は1980年代後半。その背景にぴったりな音楽が流れます。
で、音楽を担当したのは誰?とエンドロールを見ていると Music by「Kris Bowers(クリス・バワーズ)」
テレビ番組や映画などの楽曲を作曲している作曲家でピアニストだったんですよ。だからかぁ~、と激しく納得。『グリーンブック』のサウンドトラックも作曲したんですって。
『The Snowy Day』で2017年デイタイム・エミー賞優秀音楽監督賞を受賞。2018年には映画『グリーンブック』のサウンドトラックを作曲。
ジュリアード音楽院に行きジャズ演奏で学位を獲得。ジェイ・Zとカニエ・ウェストのアルバム『Watch the Throne』で演奏。
2014年には大阪で開催された国際ジャズ・デーコンサートに出演。2016年にホワイトハウスでの国際ジャズ・デーコンサートで演奏
正にセントラルパーク、ジョガー事件の年、1989年生まれとなっていたので、ご縁を感じますよね。
映画にとって、音楽は作品を彩る大きな役割を担っていると思っているので、このドラマは音楽も込みで見て欲しい作品です。
観ていて辛くなったり、悲しくなったり、世の中の不条理を感じたりとマイナスもたくさんあったけど、最後に無実が証明されて本当にブラボーでした。
そして、今は幸せに暮らしているらしい5人の写真が最後に映し出されます。
痛みを知っている人は、人に対して優しくなれるからね。どうぞ、そのまま幸せに暮らせますよぉーに!