イギリス

海外ドラマ「トラウマ 心的外傷」ネタバレ感想|ウソを許すことができますか?

U-NEXTで「トラウマ:心的外傷」というイギリスのドラマを視聴しました。

追い詰められるんですよ、ドクターが。そのジワリジワリとした様子が、非常に怖い。

暴力を振るわれるわけではない、脅迫状が届くわけでもない、ドクターはウソをついているのか?何が真実なのか?というところも興味津々。

3話のみのドラマですし、登場人物も多くなくストーリーもシンプルなので、サクッと一気見できちゃいます。

そりゃあね、ウソはダメなんですよ。だけど、必要なウソってのもあるわけです。

とは言え、そのウソが必要だったか、そうでなかったか、という判断は、ウソがバレなければ必要のない論議であり、もし相手が「自分に対してウソをついているのでは?」と疑ってしまえば、信頼関係は構築できないわけです。

うーーーん、個人的にはウソをつくと、そのウソを覚えてなくちゃいけないし、ひとつのウソのために上塗りをしなくちゃならない状況になると非常に面倒なので、できれば本当のことだけを言って生きていきたいです。

スリリングな展開だけでなく、セレブな医師と底辺の生活を余儀なくされている男のプライドをかけた対決、とも受け取れました。

原題は「trauma(トラウマ)」で邦題が「トラウマ 心的外傷」となっていますが、「trauma centers」は「外傷センター」のことを意味しますので、この作品での「トラウマ」とは単なる「外傷」を意味していると思われます。

それでは、「トラウマ 心的外傷」の感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレしておりますことをご了承くださいませね。


キャスト

右がドクタージョン、左が息子を亡くした父:ダン。

ドクター ジョン

エイドリアン・レスター

1968年8月14日馬rえ、イギリスのバーミンガム出身。2004年から2012年まで続いたイギリスのドラマ「華麗なるペテン師たち」に、詐欺チームのリーダーである凄腕詐欺師:ミッキー・ストーンとして出演。

妻も心療内科医で、高校生の娘と3人でセレブな暮らしをしています。

息子を亡くしたダン

ジョン・シム

1970年7月10日生まれ、イギリスのウェスト・ヨークシャー州出身の俳優・ミュージシャン。イギリスのテレビドラマ中心に活躍している俳優ですが・・・どこかで見たことあるんですよねぇ。でも、どうしても思い出せませんっ。スイマセン。

15歳の息子を病院で亡くし、その責任が担当医だったジョンにあると、執拗に釈明を求め追い詰めます。ここにスリラー要素がたっぷり。

妻と3人の子どもと暮らしていたダンですが、長男が刺されて病院で亡くなってしまい、不幸なことに同じ時期に仕事も人員整理のため解雇に。

脚本 マイク・バートレット

ドラマだし、別に脚本家まで紹介しなくても・・・なんですが、実は設定にちょっと似ているドラマがありまして、あれ?と思ったところ、同じ脚本家の作品だったんですね。

実はマイクさん、私がはまった「女医フォスター 夫の事情、私の決断」も書いていたんです。

主役が医者、スリリングな展開、追い詰められる人、そんなところに共通点があります。

...

あらすじ

その1 ダンの息子が運ばれる

ダンの息子が刺されて病院に運ばれ、医者が足りず、家で誕生会を開いてもらっていたジョンが呼ばれます。

駆け付けたダンに、CT画像を見たジョンは「出血もしていませんので、大事には至りません」「5分したら詳しい説明をしに行きますので、待っててください」と告げます。

ところが、いくら待ってもジョンは説明に表れず、心配になったダンは手術室に入っていくと、そこには心臓マッサージをされている息子の姿が。

その2 ダン、ジョンへの不信感

手術室に入ったとき、ジョンの目が泳いでいた、何か不手際があったに違いない、とダンは訴えます。だけど、ジョンはミスは何もなかった。

そうそう、心臓マッサージをしていたジョンの顔がアップになります。すると、確かに瞳には不安や焦りがあったように感じるんですよ。何?何があった?と思います。

だけど、ジョンの説明は「CTでは映らなかった小さな傷が心臓にあったため、そこから出血したのが急変の理由」と説明します。

でも、ダンは全く納得していません。

きっとね、近しい親族を亡くすと、その悲しみや持って行き場のない怒りをどうにもすることが出来なくて、誰かに当たり散らす、何かにすがってしまう、ってことは大いにあると思うんですね。

この時点では、ダンの悲しみがジョンに向かっているのか?と思いましたが、もちろんそんなに単純な展開ではありません。

その3 エスカレートするダンの行為

前職を解雇されていたダンは、ジョンが務めている病院内にあるカフェでの仕事に就きます。

そして、息子を亡くしたことが辛くて精神的に不安定になっていると、心療内科医であるジョンの妻の診察を受けに行きます。

こうなると、もう周りは全く見えていないんでしょうね。ダンの妻も「もう止めて!」とダンを止めますが、聞く耳を持ちません。

お父さんが亡くなった息子のことだけに関わった生活を送っていて、その下にいる二人の子どもたちが不憫になりますけどね。

脅迫状を送ったりはしないものの、カフェでの仕事、妻に接近、病院の看板に落書き、ジョンの妻にはでっち上げの写真を送りつける等、どんどんダンの行為はエスカレートしていきます。

それは一貫して、ジョンが息子の死因について、ウソをついているから、ということによります。

核心部分をネタバレ

ダンは営業に向いているかもしれません。ジョンの妻との会話や、ジョンの家に行って娘と話をして中に入れてもらう様子を見ていると、かなり口が上手いですもん。

家の中に入り、娘を脅し、妻を脅し、ジョンに本当のことを言うように迫ります。

ジョンは「心臓に開いた穴にバルーンを挿入したとき、少し管を引き抜くのが早くて穴が広がった」自分のミス、そしてウソをついていたことを告白します。

感想

ダンは、ジョンにミスを認めて謝ってほしかったんですね。でも、ジョンは謝罪しつつ「遺族を傷つけないように、必要なウソもある、医者をしているとそうしたケースはよくあること」と付け加えます。

ダンは「自分たち貧乏人の要求は大体ないがしろにされる。もしそれが有名人だったらどうなんだ?」と。

どちらの言い分もわかる気がしますよね。確かに、世の中全く平等ではありません。多くの場合、お金があることで優遇されたり、解決が速やかだったりします。

ジョンは不遜だったと思うし、ダンは卑屈だったと思うけど、どちらも相手の気持ちは永遠に理解できないだろうとも思います。そして、どちらも自分が正しいと思っています。

結末でジョンのウソが発覚し、そこだけはすっきりしたけど、立場の違う者同士の理解しあえない人間関係が、ちょっと切なくなりました。

人って、どこかで優位性を感じていたい生き物なんだろうな、と思っています。それがハラスメントになるわけだし、今ニュースでも話題になっている「吉本問題」も、そうしたことと無関係ではないと思います。

学校で「思いやり」という言葉を教わりましたよね。誰に対してもその気持ちがあって、相手の立場や気持ちを完ぺきではないにしろ、思いやることが出来たら、争いごとやもめごとが少なくなるように思うのですが、どうでしょう?

と、言葉にするのは簡単ですが、じゃあお前はできているのかっ?と聞かれたら、恥ずかしながら、全然そんなことはないですけどね。反省します。

女医フォスターでも、女医であるジェマ・フォスターは知人から「あなたの上から目線がムカつく」的なことを言われるんですね。

脚本を書いたマイク・バートレットさんは、このあたりに問題意識を持っていたのかな?と、ちょっと考えたりしました。

U-NEXTで「トラウマ:心的外傷」は、スリラーとなっていたので、スリリングな展開の作品が好きな方にはおススメです。