Netflixドラマ「デッド・トゥー・ミー さようならの裏に」シーズン1の全10話を視聴してみました。
1話を観たところで、それほど興味が沸かなかったので、しばらく放置していたのですが、他に観たものが見つからず続きを見出したところ、3話くらいから俄然面白くなります。
「ブラックリスト」も途中から夢中になって観ていたドラマだったので、1・2話だけ観て諦めちゃいけないってことです。
グリムやプリズン・ブレイクは、最初から面白かったですけどね。

「デッド・トゥー・ミー」は、カリフォルニア州オレンジ郡の高級ビーチリゾート:ラグナ・ビーチやお隣のニューポート・ビーチ辺りが舞台になっているらしく、美しい風景やら豪邸も見どころのひとつです。
同じカリフォルニア州のオレンジ郡を舞台に、実話を基にしたドラマ「ダーティジョン」も、風景や豪邸が実に魅力的でした。

海外ドラマって、ドラマの出来の良しあしももちろん大事ですが、日本の文化や風景とは大きく異なる舞台やシチュエーションも楽しみのひとつとなります。
「デッド・トゥー・ミー さようならの裏に」の主人公:ジェンは、不動産売買の仲介を仕事としているため、豪華な売買物件を見ることもできて、2倍楽しめます。
それでは、キャストについてとあらすじを綴ってみたいと思いますが、あらすじはネタバレしておりますことをご了承くださいませね。
Contents
作品の概略
ひき逃げで夫を殺された未亡人は、怒りと哀しみの中、犯人探しに執念を燃やす。そんなある日、明るく風変わりな女性と出会うが、それは単なる見せかけで…。
「デット・トゥー・ミーさようならの裏に」Netflix「デット・トゥー・ミーさようならの裏に」Netflixより
Deadは「死」という意味ですが、「Dead to me」になると「絶交だ」「関わりたくない」という意味になり、「You are dead to me」だったら「あなたとは絶好よっ!」的な感じに。
このタイトルが、ドラマに出てくるふたりの女性の関係性を表しています。
キャスト
夫を交通事故で亡くした未亡人:ジェン
クリスティナ・アップルゲイト
テレビドラマでの活躍多いアメリカの女優。
突然、事故で夫を亡くし、ラグナ・ビーチで開かれた「フレンズ・オブ・ヘブン」主催のセミナーに参加し、ジュディと知り合って電話で話すうちに打ちとけ、お互いになくてはならない存在に。
激高する性格で仕事やプライベートでも、衝突が絶えない。夫の死後、悲しみに暮れていたが、ある時、夫の秘密を知ってしまいます。その秘密とは・・・
ジェンの家に居候している友達:ジュディ
リンダ・カーデリーニ
「グリーン・ブック」でトニーの妻:ドロレスを演じ、「シンプル・フェイバー」「ハンター・キラー」など多数の映画に出演実績あり。



セミナーでジェンと知り合うが、それは偶然ではなく、ジュディの企みだったことが後にわかります。何故、ジュディはそんなことを企んだのか?
最初は、ジュディの真意が測りかね、もしかしたらとんでもないことをしでかすのでは?とヤキモキさせられるんですよ。
元婚約者のスティーブは、セレブなイケメン。度重なるジュディの流産が原因で、スティーブと別れることになるものの、その傷が癒えず、しかもスティーブへの思いが絶ち切れずにいます。
ジュディの元婚約者:スティーブ・ウッド
ジェームズ・マースデン
「記者たち 衝撃と畏怖の真実」「X-MEN」「スーパーマンリターンズ」等、映画に多数出演。ヴェルサーチのモデルを務めていたこともある、オクラホマ出身の俳優。

博物館かっ?!と思うほどの豪邸に住んでいて、その内装がまた素晴らしい!これだけでも観る価値あるかも。
仕事もできるし、リッチマンだし、その上イケメンのスティーブは、優しい色男・・かと思いきや、騙されちゃいけない!そうです。セレブな色男にありがちな、自己チューだったんですね。
ジュディは、表向きのやさしさに騙されていたけど、ジェンはスティーブの本質を見破っていましたねぇ~。
コイツがシリーズ1の最終話で、えっ!そうなっちゃうのか・・・という展開に。
ジェンの長男:チャーリー
サム・マッカーシー
2016年にデビューして、いくつかのテレビドラマに出演している様子。
ブラックリスト:シーズン4と5にも出ていたらしいのに、気づかなかったわ。もう1度観てみよぉーつと。
反抗期な年齢で母の替わりに主夫として子供を支えていた父が亡くなり、学校でトラブルを起こしたり、ジュディとの同居を辛辣に批判したり、ジェンにことごとく突っかかり衝突するチャーリー。でも、実にキュートです。
ジェンの仕事仲間:クリストファー
マックス・ジェンキンス
子どもたちからも慕われ、仕事ではジェンの相棒として、公私にわたりジェンと親しくしているゲイのクリストファー。
だけど、ある日突然、ジェンに「もうあなたとはやっていけない」と告げ仕事上の相棒関係を解消。ジェンの爆発する性格に耐えられなくなったからということが原因。
ジェンの義理の母親:ローナ
バレリー・マハフィー
ジェンの亡くなった夫:デッドの母。テッドは49歳で亡くなったようなので、ローナは70代と思われますが、イエイエ堂々たる現役感と存在感。とても70代には見えません。
ジェンのことをいびり倒すけど、息子や孫は溺愛。皮肉屋のローナですが、生活に困ったジェンを自分のところで雇って助けます。
あらすじ
その1 ジェンとジュディ
完全にネタバレしていますので、これからご覧になる方はご注意くださいね。
セミナーで知り合った夫を亡くしたジェンと流産の痛手を負ったジュディ。次第に打ち解け、意気投合し、ジュディがジェンの家に居候するようになります。
最初は、知らない人を同居させるなんておかしい、と反対していた息子のチャーリーでしたが、子どもたちもいつしかジュディを信頼するようになります。
ところが2話に、あれ?もしかして、ジェンの夫:テッドの轢き逃げ犯って、ジュディじゃない?と思うシーンが!
そうなんです。テッドを轢いて死に至らしめた事故は、スティーブが同乗し、ジュディが運転していた車が起こしたものでした。
そのまま放置して逃げた二人。ジュディは、責任を感じ、何とかジェン家族の力になりたいと近づいてきたんです。
友情は仕組まれたスタートでしたが、ジュディの愛情あふれる性格は、ジェンの信頼を得るまでに時間はかかりませんでした。
でも、それがわかるまでは、イヤわかってからも、ジュディは何かしでかすんじゃないかと気が気じゃない展開。
イライラ、ヤキモキしながら先を急ぐ感じで見続けましたね。
その2 夫:テッドの秘密
ある日、ジェンがチャーリーから聞いていたネットゲームをテッドのPCでやってみたところ、ログインすると早速チャットしてきた人物が。
「恋しかったわ」「あなたのアレが欲しいわ」「会いたい」
など、これは女よね、というメッセージがガンガン入ってきます。バンビというハンドルネームを使っているレストランのウエイトレスらしい、ということをジュディと共に突き止め、ふたりでレストランに乗り込んでいきます。
注文を聞きに来たウエイトレスが、「バンビ」というネーム入りのネックレスをしていたことから、あっさりと相手が判明。
若くてグラマーな浮気相手だと知ったことで、ジェンは意気消沈。あんなに悲しんで損した!的な心境。それでも気持ちは全く晴れません。
もし、自分だったらどう思うだろう?と考えてみましたが、全く想像できませんでした。
あなたはどうですか?
夫の死後に浮気が発覚したところで、相手はもう亡くなっているし、なんか理不尽よねぇ。。というだけですかね。
しかも、テッドはバンビちゃんに「妻は乳がんですでに亡くなっている」というサイテーなウソまで付いていました。
ジュディは、テッドの浮気を知ったことで「あんな奴死んでよかった」というジェンのひと言で、少し気持ちが軽くなったりしちゃうんですね。
ジュディの気持ちもわからなくはないけど、そんなことで一喜一憂する前にすることあんだろ!とは思いますけどね。
その3 事故を起こした車が判明
テッドの事故は、証拠がなく、警察でも捜査が難航していました。そんな中、ジェンとジュディは「フレンズ・オブ・ヘブン」主催の宿泊セミナーに出かけ、そこでニックという休職中の刑事と出会います。
ニックとジュディは、意気投合し仲良くなり、事情を聴いたニックはテッドの轢き逃げ犯を探す手伝いを引き受けます。
そんな中、ある日ジェンの元に、テッドの遺体を最初に見つけた少女が母親に伴われて、証拠品を持ってきます。
それを基に車種が旧型(1966年型だったかしら?)のマスタングと判明。そして、所有者のリストが出てきました。慌てるのはジュディですよね。
持ち主を当たっている中、ニックがある画廊の前で立ち止まります。
そこには、リストにあった会社名と、ジュディの名前が入った絵が飾られていました。それでピン!ときたニック。
その4 追い詰められていくジュディ
大きな秘密を抱えているのって、ものすごく苦しいですよね。大きければ大きいほど辛いです。
ジュディが事故を起こしてその場を去ってしまったのは、動揺していた時にスティーブからかけられた「行け!」という一言に背中を押されてしまった事にもよります。
でも、スティーブの「行け!」は、自分を守るための言葉だったことが、シリーズ1を見終わるとよぉーくわかります。
後悔の念、自責の念にいつも苛まれていたジュディは、自首します。そして、ジェンとの仲もぶち壊れます。
感想
1話が30分前後なので、全10話ありますが、連続で見てもそれほど疲れません。
轢き逃げ、浮気、裏切り、息子の非行、仕事のトラブル・・・と、次から次へと災難が襲いますが、全く重くも暗くもならない描き方が非常に好ましいドラマです。
重い作品も暗い作品もウエルカムな私ですが、このドラマはハートフルな友情も描きつつ、多感な息子を持つ母親との関係も描きつつ、重くなりがちな要素をカラッとスピーディに仕上げています。
序盤は、ジュディが絶対に何かをやらかすに決まってる!何するんだろう?という期待感だけで観ていましたが、そんな期待感とは全く違う道すじにストーリーは展開していきます。
だからと言って、がっかり感はなく、あら!そうなるのね!という新鮮な驚きがありましたね。
最終話のラストシーンは、シリーズ2に続く布石。シリーズ2は、またジェンとジュディが新しい騒動に巻き込まれていくのね、という期待できる終わり方をしています。
女の友情って、依存しすぎちゃダメだし、価値観が違い過ぎると成立しないし、付き合いが浅ければちょっとしたきっかけでダメになるし、絶妙なバランスで成り立っているとも言えると思うんですね。
大人になってからの友情は、長続きしないとも感じるこの頃。女の友情を俯瞰視できるドラマでもあるかな。
暗くて重いサスペンスは嫌いだけど、ちょっとドラマでハラハラしてみたい、という女性向きかな、と思います。