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Netflix映画「レベッカ」ネタバレ感想|アーミー・ハマーの素敵なことったら!

1938年に発表されたイギリス人作家ダフニ・デュ・モーリエの小説「レベッカ」。1940年、アルフレッド・ヒッチコック監督によって映画化されていますが、今回Netflixによってリメイクされた作品です。

主役のリリー・ジェームズが、前半のおどおどしたかわいらしい女性から、次第に意思を持って行動する女性へと変わっていく様子を見事に演じていました。

そして、セレブ紳士を演じていたアーミー・ハマーの素敵なことったら!

それだけでも観る価値のある作品!と私は思いますけどね。宮殿のような見事なお屋敷やクラッシックカーも見どころです。

それでは感想を綴ってみたいと思いますが、感想にはネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。

作品概略

原題:Rebecca
製作年:2020年
製作国:アメリカ
キャスト:リリー・ジェームズ、アーミー・ハマー
監督:ベン・ウィートリー
脚本:ジェーン・ゴールドマン他
原作:ダフニ・デュ・モーリエ

1940年製作のアルフレッド・ヒッチコック監督による「レベッカ」は、第13回アカデミー作品賞受賞し、1950年に日本で劇場公開されている。

原作は、1938年に発表されたイギリス人作家ダフニ・デュ・モーリエの小説。

ざっくりあらすじ

ヴァン・ホッパー夫人の付き人としてモンテカルロのホテルにやってきた「わたし」が、そこでイギリスの大金持ちであるマキシムと出会う。

ホッパー夫人の目を盗んでデートを重ねていたふたりの関係は、やがて夫人の知るところとなり、結婚すると宣言してふたりはマキシムの屋敷マンダレーへと向かう。

使用人を使ったことがない「わたし」は、屋敷でも戸惑うことばかり。そんな様子を冷ややかな目で見ていたのが、マキシムの前妻レベッカの幼少期からお世話をしていた使用人デンヴァース夫人。

広大な屋敷の中には、未だにレベッカの影が色濃く残っていて「わたし」はその影におびえ、何かが隠されている気配を感じるもののマキシムは頑なにその秘密を明かそうとしない。

そして「わたし」は、徐々に秘密へと近づいていくが・・・

キャスト

富豪の紳士マキシムを演じるのは、「コードネーム U.N.C.L.E.」「ビリーブ未来への大逆転」など多数の作品に出演している正統派イケメン俳優アーミー・ハマー。

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今作では日本ならお笑い芸人しか着ないだろうな、と思われる鮮やかなからし色のスーツをビシッと着こなしていました。194.3cmという高身長ですから、何を着ても様になる。

例えセリフがなかったとしても、画面に映し出されるだけで見る価値があると思っちゃうのはきっと私だけじゃないはず。

マキシムの再婚相手「わたし」を演じるのは、「ベイビー・ドライバー」で天才ドライバーのベイビーと恋に落ちる恋人役デボラを演じたリリー・ジェームズ。

マキシムの前妻レベッカの幼少期からの付き人で、マキシムの新しい妻の存在を疎ましく思っているダンヴァース夫人を演じているのは、「ブーリン家の姉妹」「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」などの出演作があるクリスティン・スコット・トーマス。

余談ですが、マキシムと夫人が出会ったのは、セレブが集うモナコのモンテカルロ。ファッションやホテルの内装がゴージャスで、女子としてはそこも見どころのひとつですが、個人的には「ブーリン家の姉妹」もおすすめです。

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感想

鑑賞の途中で既視感を覚え、なんとなくストーリーを思い出したので、多分ヒッチコック作品をテレビで観ていたのだろうと思います。

ヒッチコック作品は、存在しないレベッカの影にもっとゾクゾクした記憶があるんだけど、それは私が若かったこと、映画が白黒だったことによるものかもしれません。

ふたりの出会いは、モナコのモンテカルロ。太陽が照り付け、輝く海が見える緑に囲まれた道をふたりがオープンカーのベントレーでドライブする姿は優雅そのもの。

シャンパンカラーに光る車体は、暮らしぶりの優雅さをそのまま色に落とし込んだかのようなカラー。ステキですっ!

身分の違い

ホッパー夫人の付き人としてモンテカルロのホテルへやってきた「わたし」は両親も亡くしていて天涯孤独の身。

対するマキシムは、ホッパー夫人がうらやむほどの屋敷をマンダレーに構えているセレブ中のセレブ。今から80年ほども前のことなら、身分違いのふたりの結婚はどうなんだろ?と思いきや、そこは特に問題にならなかった様子。

まあね、屋敷に移り住んでからはいろいろあるんだけど、ホッパー夫人に付き人を辞めることを告げたときに「色仕掛けで獲得した男とは長続きしない」と散々罵倒されちゃうんだけど、ホッパー夫人にしてみれば自分が不自由になるいら立ちからの八つ当たりだわね。

それとも、自分には縁がなくなった恋をしている女性を目の前にして嫉妬?どちらにしても品性の卑しい奴だわね。ホッパー夫人は。

結婚するって言ってるんだから、素直に祝福して分厚いお祝いでも渡してあげればいいのに、と思っちゃうけど。どうかしら?

マンダレーにて

すんごいお屋敷でございます。亡霊が出ないとしても、こんな古めかしい石作りの屋敷には住みたくないけど・・

画像引用元:IMDb

内側の大きな門の向こうには、使用人がずらりと並んでお出迎え。車から降りた「わたし」は、一発目で戸惑います。

執事のフリスに「よろしく」と手を差し出すんだけど、その手を握って握手してもらうこともなく、威圧感たっぷりで凹むよねー。

使用人だった「わたし」が、マキシム・ド・ウィンター夫人として使用人を使って屋敷を仕切る立場になっちゃっうわけだし、全てが初めての経験だろうし、覆いかぶさるほどの大きな屋敷に蝶ネクタイを締めた使用人たちに足も振るえるってもんです。

ダンヴァース夫人

マキシムは優しいんだけど、何か秘密を抱えている様子を感じ、「わたし」はそれを聞き出そうとするんだけど、頑なにマキシムは語ろうとしません。

屋敷の中には前妻レベッカの「R」を施したものが溢れています。

亡くなっても尚、そうした品々が屋敷に置かれ、部屋もそのままにされていたら「マキシムはまだレベッカのことを忘れられないんじゃないか?」と思いますよね。

姿の見えない前妻に対して嫉妬の感情も湧き上がるし、レベッカ主催のパーティで屋敷はいつも華やかだったと聞けば心中穏やかではいられません。

そこで「わたし」は、パーティを企画するんだけど、そこでレベッカ付きの使用人だったダンヴァース夫人の入れ知恵で大恥をかかされることになっちゃうんだな。

そして「わたし」は、どんどんダンヴァース夫人に追い詰められていきます。

マンダレーはマキシムの屋敷であり、レベッカ亡き後ダンヴァース夫人は単なる屋敷の使用人に過ぎないのに、屋敷の全てを牛耳っていますという圧がすごくて鼻に付く。

レベッカの亡骸

ある日、漁船が座礁したと海から連絡があり、その船に乗っていたのがレベッカの亡骸。

葬式も出したというのに何故?自殺か、それとも他殺か?死の真相を究明するということで、マキシムは拘束されてしまいます。

実は、レベッカは奔放なタイプで、マキシムと結婚した後も複数の男性と関係を持っていて、それを知っていたマキシムが犯行に及んだのでは?という疑惑。

じゃあ、離婚すればいいじゃん、と簡単にいかないのが上流階級ならしいのよ。わからんけど。

でも、殺人罪で裁かれるよりはいいですもんね。

ところが、レベッカには誰にも言っていない秘密があって、それを「わたし」が暴き出します。

すでに鑑賞した方と共有する感想

結末のネタバレも含まれます。

レベッカの死には、マキシムが関わっているとされ完全にマキシムに不利な状況。

レベッカが妊娠していたのでは?という疑惑もあり、その父親だという愛人のファヴェルからオレの子どもまで殺したと罵られます。

そこで「わたし」はレベッカがかかっていたロンドンのドクターの元を訪ね、カルテを盗み見ると、妊娠ではなくガンに罹っていた事実がわかるんですね。

そして、医者の証言によって、レベッカは病気を苦にした自殺ということになります。

幼いころからレベッカの世話をして、レベッカの人生と共に一生を終えることになったであろうダンヴァース夫人は、レベッカがガンだったことは知りませんでした。

レベッカを失った大きな悲しみとは別に、きっとレベッカがガンだった事実を自分に言わなかったことがショックだったのではないでしょうか。

ダンヴァース夫人は、レベッカの人生に自分を投影し、そして大きく依存していたのではないかしら?

レベッカを失った悲しみとショックから、もはや常識的な判断力がなくなっていたのか、マンダレーは誰にも渡さないと言って火をつけてしまうんです。

そこは、わかんないよねー。

だって、マンダレーはマキシムの屋敷であって、レベッカは嫁いできただけでしょ。後妻としてやってきた「わたし」のことを追い出したい、というだけならわからなくもないけど、どうしてそれほどまでに屋敷に対する思い入れが強いのか?

そして、ダンヴァース夫人はレベッカの悪癖を知っていたにも関わらず、それに対して「彼女にとってオトコは単なるおもちゃ。オンナが楽しんで何が悪い、私のレベッカは自分の人生を謳歌していた、そのせいで殺された」と言うんですね。

ここ!違うよねー。

本当にレベッカの幸せを願っているなら、マキシムと幸せに暮らすよう導くのが、ダンヴァース夫人の大切な仕事でもあったと私は思うんだけど、どうかしら?

マキシムを苦しませたから病気を呼んじゃったかもしれないし、レベッカの悪癖を正当化して人を傷つけたからダンヴァース夫人の最後も悲惨だったのだと感じましたけどね。

まとめ

1940年代の物語だと思うんだけど、全く古臭くないし、キャストも魅力的だったし、非常に楽しく鑑賞できました。

個人的には、人を傷つけると必ず罰が当たると思っているので、今作もそうした私の思いを裏付けるようなストーリーだったと感じています。

幸せになりたかったら人の幸せも心から喜んであげられること、どんなに親しくても誰かに依存しちゃいけないということ、簡単なようでいて人の心は移ろいやすいので結構難しい仮題かもしれないですよね。

あら、堅苦しくなっちゃったかしらね。

モンテカルロの景色をゆるっと楽しめる映画でもありますので是非ぃぃぃ。