Netflixオリジナル映画「ポイント・ブランク -この愛のために撃て-」を視聴しました。韓国でもリメイクされている作品のようです。
しかぁーし、Netflixは、またまた豪華キャストで軽快に楽しめる作品を生み出しましたね。私はこういう作品、大好きです。
ちょっと、待ってよ!紹介する映画、全部「好きとか、いいとか」って言ってない?と思われた方へ。
嫌い、または全くおススメできない、と感じた作品は記事にしておりませんため、そこんところご理解くださいませね。
「ポイント・ブランク -この愛のために撃て-」は、しょっぱなの銃撃戦、からの交通事故、そして誘拐、という流れなので、恐ろしい事件に巻き込まれたかっ?!というシーンの連続で始まりますが、いえいえ、いい意味でいろいろ裏切ってくれます。
そして、クレイジーな麻薬組織のボスが出てきたりして、ちょっと愉快要素もぶち込んできています。
では、豪華キャストと「ポイント・ブランク -この愛のために撃て-」のあらすじ&感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレ含みますことをご了承くださいませね。
Contents
作品の概要
救急科勤務の看護師が、誘拐された身重の妻を救うため殺人容疑者と手を組むことに。汚職警官たちを敵に回し、愛のため、迫りくる時間との戦いに挑む。
キャスト
看護士:ポール
アンソニー・マッキー
1979年9月23日、ニューオーリンズ出身。2009年公開映画『ハート・ロッカー』で、インディペンデント・スピリット賞にノミネート。
「アントマン」「アベンジャーズ」「リアル・スティール」や「ヘイト・ユー・ギブ」など、たくさんの作品に出演。

「リアル・スティール」は当時、お気に入りだった作品のひとつ。ディズニー制作の子供と一緒に楽しめる感動ストーリーです。
もうすぐパパになる喜びを満ちた日々を送っているポールでしたが、エイブの病室で襲われ、帰宅後は身重の妻を誘拐されるという突然の大きな災難に見舞われてしまいます。
優しくて温かいポールの人柄に、ポールを伴って逃げていたエイブが変わっていき、二人の間に連帯感や信頼関係が生まれていくのも見どころ。
ルイス刑事
マーシャ・ゲイ・ハーデン
1959年8月17日、サンディエゴ出身。2000年公開の『ポロック 2人だけのアトリエ』でアカデミー助演女優賞を受賞。2003年公開の『ミスティック・リバー』で再びアカデミー助演女優賞にノミネート。
検事殺しの嫌疑がかかっているエイブとその弟:マテオを追う刑事なんだけど、正義の味方かと思っていたら、中盤にとんでもない彼女の正体が明らかになります。
逃走犯兄:エイブ
フランク・グリロ
1965年6月8日、NY出身。映画「L.A. ギャング ストーリー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」、ドラマ「プリズン・ブレイク」「CSI:科学捜査班」など出演作多数。
最初は、怒鳴ってばかりの恐ろしいお兄ちゃんでしたが、ポールと一緒に過ごすうちに本当は優しい人なのかも?と思う場面が多々あり、少し安心して観られるようになってきます。
逃走犯弟:マテオ
クリスチャン・クック
1987年9月15日、イギリス出身。子役として10歳からCMに出演。
追手から逃げてくる兄を車でピックアップしようとしていたのに、間違って走ってくる兄を車で跳ねてしまうというドジな弟。
いくら夜で道が暗いとは言え、そんなことある?とちょっと信じがたいけど、この出来事は、弟のキャラクターを象徴しているかも。
兄を救うため、行きがかり上、妊娠しているタリンを誘拐したものの、かなり対応が優しくて、一緒に行動しているタリンの話しにも耳を貸す本性はいいヤツ。
妊婦でポールの妻:タリン
テヨナ・パリス
1987年9月22日、アメリカ出身。映画「ビール・ストリートの恋人たち」、テレビドラマ「マッド・マン」や「グッド・ワイフ」などに出演。
臨月のお腹を抱えているのに誘拐されてしまいます。逃げる途中で破水し、陣痛も来てしまうという場面にはハラハラしちゃいます。
あらすじ
アクション映画ですが、誘拐されたり、ある秘密が絡んでいたりしますので、ネタバレはしちゃうけど核心部分は最後にしてあらすじをご紹介しますね。
核心部分は知りたくない方は、そこを飛ばしてください。
その1 事件発生
検事殺害の罪で追われ、銃撃戦の末、やっと助っ人の弟と連絡がつき、車で逃走しようと思って走っていた兄:エイブは、弟が運転する車に跳ねられ病院に運ばれます。
ドジですよねぇ。弟ったら。
兄弟は、検事殺害の嫌疑だけでなく、ある証拠が入っているUSBを持っていることから、追われています。そして、事件の担当であり、兄弟を追うことになるのがルイス。
エイブが担ぎ込まれた病院で看護士として働いていたのが、身重の妻を持つポール。全く関係ないのに、事件に巻き込まれてしまいます。気の毒だわ・・・
その2 弟マテオ
弟:マテオは、兄を病院から連れ出すために、ポールを襲撃し、妻のタリンを誘拐。ポールには、妻を助けたかったら言うとおりにしろと、脅して病院から兄を連れ出すよう指示。
兄弟が落ち合おうとするものの、警察に追われ、なかなか合流できず焦る!焦る!
タリンは、もう臨月。車に乗っていることすら苦しそう。そんなタリンに気遣いを見せる弟。
車内でたばこに火をつけたとき、タリンに「妊婦がいるところで吸うの?」と言われ、あ、ごめんね、と火を消す優しさを見せます。
いいよねぇ。ちゃんと妊婦を気遣う優しさを見せるってことは、根っからのワルじゃない証拠。
その3 兄エイブ
負傷している兄:エイブは、ポールが病院から持ち出した薬がないと逃走も危ぶまれる体調。何とかその場しのぎではあるものの、ポールに助けてもらいつつ逃走を続けます。
弟に比べると、やや荒っぽい兄だけど、ポールのヘルプを感謝している様子。
家庭内暴力が酷かった父親を母親が殺したことで、兄弟二人で生きてこなくちゃならなかった過酷な運命を背負っていた二人の絆は固く、弟は兄を心底頼りにしています。
タリンが病院に連れて行って、とマテオに訴えると、そうしてあげたいけど、兄貴に聞いてからじゃないと・・・と自分では決められません。
その4 ギャングからも追われている兄弟
検事殺害の罪で警察に追われているだけじゃなく、ギャングのボス「ビッグD」からも組織の金を横領したことで追われています。
ところがさ、この「ビッグD」ってのが、全然ビッグではなくて、登場シーンもぷぷっと笑えて、愉快要素ぶち込んできたなと感じられる人物。
エイブは、ビッグDに取引を持ち込むんだけど、クレイジーなキャラではあるものの、さすがボスのビッグDは、金勘定と損得を計算して、エイブに手を貸すことにします。
映画好きなビッグDは、映画のワンシーンを撮影するかのようなシナリオで最後はポールとエイブを助けることになります。
映画好きで今作を観ている人には、なんだビッグDも映画ファンなら、悪いヤツじゃないかも・・と思わせられちゃうんです。
ビッグDの登場と演出には好き嫌いがあると思いますが、私としてはビッグDがかなりいい仕事していると感じたんですけどねぇ。
↓
↓
↓
核心部分を語っちゃうのでご注意!
以下、今作の核心部分もネタバレさせちゃうので、ご注意!
兄弟が追われている理由のひとつである証拠が入ったUSBには、警察の汚職、検事と警察の癒着が収められています。
汚職刑事ルイスにとって、USBはまさに爆弾。
検事殺しもエイブの仕業ではなく、真犯人はルイス。中盤でエイブとポールが、訪れた知り合いの店にルイスがやってきて、部下の警官も含め打ち合いになりますが、そこで真相に気づいた警官をルイスが射殺してしまいます。
するとルイスは、「事件は辻褄が合えばいい」と、部下にポールとエイブを始末するように指示して、自分は遅れてやってきた援助部隊に解散を命じるために出ていきます。
もちろん、映画はまだ中盤なので、ポールとエイブはやられません。
マテオとタリンが隠れている倉庫にエイブとポールがやってくると、マテオは瀕死の重傷。マテオを襲ったのは、ルイスに指示された警官です。
メラメラと復讐心が燃え上がるエイブ。ルイスを探し当て、銃を向けるものの「殺し」で復習をせず、USBをテレビ局に渡して流すことでルイスのやらかしてきたことを白日の下に晒します。ここ!スッキリ!快感です。
感想
映画は音楽と共にあると思っているので、どれだけ作品がよくても、しっくりこない音楽が流れていたりすると、気持ちがすーっと冷めて映画と距離が出来てしまいます。
そんな経験、ありませんか?
今作は、音楽もすごくよかったです。
映像と馴染み過ぎず邪魔をせず、シーンに合った耳に残る音楽がセレクトされていてすごく好きでした。
誘拐犯と心が通いあうなんてことが起こるのか?と疑問にも思いましたが、実際に誘拐・監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることで、連帯感や好意的な感情を抱く「ストックホルムシンドローム」という現象がありますからね。
ポールとマテオに生まれた連帯感や、愛するたったひとりの弟を失くしたマテオの悲しみに寄り添う気持ちが、ポール夫妻に誕生した子供の名前に表れていました。
汚職刑事ルイスを弟:マテオを失ったことへの復讐で自分の手を汚すのではなく、それよりももっとルイスにとって屈辱的な方法で葬ったのは快感でしたね。
愛のために撃つのではなくて、愛のために撃たないんです。
私を殺しても何も変わらない、とルイスが言っていたように、汚職や癒着問題は、きっと世の中からなくならいだろうとは思うけど、目の前にある悪を放置しておくほど世の中甘くはないよ!ってことです。
日本の国会議員の質も落ちたなぁ~と感じる不祥事が次から次へと出てきますが、だからと言って選挙権を放棄して投票に行かないのは、目の前の悪を放置することと一緒、と思うのは飛躍しているでしょうか。
痛快&愉快で、暗くなりすぎず、重くない肩が凝らずに楽しめる娯楽映画でした。おススメです!