サスペンス

未公開のスゥエーデン映画「マスター・プラン」核心に触れず感想|裏をかいたぜ!

今回、U-NEXTで鑑賞したのは、スウェーデン映画で日本では未公開の「マスター・プラン」

スウェーデンの映画やドラマの中には、かなり面白い作品があるように思っているんですね。

代表作は「ミレニアム3部作」、ドラマでは「RIG45絶海に潜む闇」、そしてスウェーデンとデンマークの合作映画「ボーダー二つの世界」、これは面白いというよりかなり奇抜な発想の衝撃作でしたけどね。

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スウェーデンの作品は、その気候からか、なんとくなく暗い作品が多いイメージを持っていましたが、今作は時々「ふっ」と笑いを引き出されちゃう要素があるのも魅力

映画.comにあった1件のレビューは、あまり高評価じゃなかったけど、細かい設定が雑だったり、そりゃ無理じゃない?と思うようなシーンはあるものの、スピード感とラストのどんでん返しが痛快で私は好きでしたね。

というわけで、日本では劇場未公開のスウェーデン映画「マスター・プラン」をご紹介いたします。

サスペンスなので、核心部分には触れず感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレは含みますことをご了承くださいませね。

作品の概略

原題:Jonssonligan – Den perfekta stöten
製作年:2014年
製作国:スゥエーデン
キャスト:シーモン・J・ベリエル、アレクサンダー・カリム
監督:アラン・ダルボルグ

ざっくりあらすじ

画像引用元:IMDb

自動車泥棒のチャールズが相棒ラルフと一緒に盗んだ車には、ヴァレンティン銀行の機密情報が入っているPCが置いてあった。

そのPCを取り戻すため、ヴァレンティン銀行の社長が依頼した殺し屋にラルフは殺されてしまうが、チャールズはラルフ殺害の罪を着せられてしまう。

チャールズは、復讐のためチームを結成してそのヴァレンティン銀行の金庫にある現金を強奪する計画を立てる。

4人の強奪チーム

画像引用元:IMDb

チャールズ(向かって右から2番目)

自動車泥棒で、殺されたラルフは恩師でもあり、父親替わりでもある自動車整備工だった。復讐を企てたラルフは、綿密な計画を立て、チームを結成すべくスカウトに出る。

チームに誘ったロッキーとは、過去恋人同士だったこともあり、ラグナーがロッキーと親しくしていると静かに焼きもちを焼く。

ラグナ―(左端)

「もっとできる」を教訓にしている天才詐欺師。自分が実行した事件のニュースを見ながら、部屋で札束をまき散らしていたところ、チャールズの訪問を受ける。

オシャレな紳士で、ハリーのキャンピングカーを訪ねたときは、あまりの汚さに気分が悪くなるという潔癖な一面も。

ハリー(向かって左から2番目)

爆弾屋。銀行強盗を働き3年の懲役刑となり、家族を失ってしまう。刑務所に入ったときに妻が妊娠中で、収監中に元妻は他の恋人を作り、娘に会いたくても会うことができず人生を悲観している。

ロッキー(右端)

国一番の金庫破り。ダイヤ強盗で収監されていたが、護送途中にチャールズたちが助けて脱走。

感想

一番気になったアンナ

ヴァレンティン銀行のトップ:アンナの前髪がどーしても気になるんです。アンナを演じていたアンドレア・エドワーズさんは1966年生まれで、映画が製作された2014年には48歳。

日本の同年代の女性より、ちょっと老けているような気がするんですけど、どうかしら?

いやいや、そんなことより気になるのが前髪。年齢的にその前髪はちょっと無理があるような、古臭いような気がしたんだけど、それよりもっと気になったのが、森友学園前理事長の籠池氏の妻:諄子さんに似てるかも?ってこと。

どうかしら?そこも見てみて。

アンナはとんでもない悪党なんだけど、何しろ大手銀行のトップだからお金はある。それを利用して、警察まで買収しちゃってるから強いのよ。

でも、トラブルがあるととにかくヒステリーで、「まずは落ち着いてください」と言われると「落ち着いていないから富豪なのよっ」と、名言のような迷言のような発言をする。

父親の代から銀行家だったようだから、やり手のように見えるけど、結局はわがままでジコチューってことね。

チームの強奪計画

アンナが雇った殺し屋にラルフを殺され、その罪でかぶせられたことから、アンナの銀行の地下にある現金を強奪する計画を立て、実行するために様々な準備をしていくんだけど、90分ほどの作品だもんで、かなり端折っちゃってるところもあるわけね。

そのため、計画が雑と感じなくもないけど、映画の何を観て満足するか、という点によって評価は変わってくるかもしれません。

007やミッションインポッシブルのような緻密さを求めたらがっかりするかもしれないけど、ストーリーのスピード感やラストのどんでん返しを評価すれば良作と言えるのでは?

緻密さを求めるがゆえに、細かい描写が多くて間延びする作品もあると、私は感たりもするので、そこは好みですかね。

チャールズは、まず一人で銀行内部や構造、金庫の種類、防犯の状況など、金庫破りに必要な情報を集めます。

そんな情報、どこで集めるの?とは思うけどね。

そして、その計画に必要なメンバーがラグナー、ハリー、ロッキーの3人。

スイス製の最高の金庫を開けるのがロッキー。そのため、同じ型の金庫の鍵の部分だけを盗んで練習をするんですね。それで練習になるのかはわかりませんけど。

情けないハリーはチャールズに救われる

チャールズとラグナーがハリーのキャンピングカーを訪ねた時、ハリーは最愛の娘には会えないし、貧乏だし、お先真っ暗だしってことで、自作の爆弾を仕掛け、まさに自殺しようとしていたところ。

ふたりが訪ねてきたことで、とりあえず話を聞こうと、自殺は取りやめます。そこで客人であるふたりに、ひとつのティーバッグでお茶を入れてくれるんだけど、このやり方の雑さにお洒落なラグナーは吐き気さえ催しちゃう。

でもわかるなぁー。私も苦手なんです。ドリンクバーにあるカップは、中をチェックしちゃうし、カトラリーも紙ナプキンで拭いてから使っちゃうし・・

これって、癖みたいなもので仕方ないですよね。だから、旅は苦手なんです。初めての経験てのも得意じゃないし。損ですよね。

あ・・話それましたけど、そんなこんなでハリーは、銀行強盗ということで成功すればお金が入るし、そうしたら娘にも会わせてもらえるかもってことで自殺は中止。

地下金庫にアンナ現れたけど?

現金強奪の当日、巨大金庫の前に立ったチャールズとロッキー。細かい解説は吹っ飛ばしますが、犯行現場にアンナが現れます。

その勝ち誇った顔がなんとも憎たらしいんですよ。あーあ、って感じ。

でも、物語としてはそこでアンナに見つかって、チームが逮捕されちゃったら何も面白くないわけです。

そして、憎たらしいアンナをぎゃふんと言わすことなく終わっちゃ、映画としてはダメ作品ですよね。

はい!そこは期待を裏切らず、ちゃんとしたシナリオになっていますからご安心を。

まとめ

ラストのどんでん返しに新しさがないという意見もあるみたい。今作のどんでん返しを観て思い出したのはドイツ映画「ピエロがお前を嘲笑う」

この作品もハッカー集団が情報を盗んだことが殺人事件を引き起こしてしまい、最後は予想外のどんでん返しに。

予想を裏切るって、そしてその裏切ったからくりを知る瞬間って、楽しいじゃないですか。しかも今作は、ドンパチはなくサスペンスなんだけど比較的平和な作品。

細かい設定が気になる人、サスペンスに目新しさを求める人、ストーリーのつながりに正当性を求める人、時間的設定に正しさが欲しい人、科学的な正解に基づきたい人、こんな人にはお勧めできませんが、気軽に観られる良作です。

時間も90分ほどなので、アイリッシュマンを観るような覚悟は必要ないので、暇だなぁ~ってときに是非。