実話を元にした作品

「ペンタゴンペーパーズ」機密文書は女性経営者に委ねられた!あらすじとキャスト

「ペンタゴンペーパーズ」の主演女優「メリル・ストリープ」は、「プラダを着た悪魔」で演じた孤独な女性編集長。キャリアウーマン、女性ボスが似合う女性です。

この映画でメリル・ストリープは、亡き夫の跡を継ぎ、女性初のワシントン・ポストの発行人になったキャサリンを演じています。

ペンタゴンペーパーズという機密文書が主役とも言える、実話を元にした話ではあるけど、メリル・ストリープ演じるキャサリンという女性経営者への偏見と戦う姿や苦悩も描いていて、そこも見どころのひとつ。

それは、本作品の脚本家が女性リズ・ハンナによるものだということと関係しているのかもしれません。

メリル・ストリープの他、新聞社の編集主幹ベンをトム・ハンクスが演じ、監督はスティーブン・スピルバーグという豪華キャスト&スタッフ。

一般人には隠された国が管理するトップシークレットが、一体どれほどあるのだろうか?と背中が寒くなった作品でもありました。


最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」とは?

1971年3月にニューヨーク・タイムズの記者であるニール・シーハンが入手したのは、1967年に当時のアメリカ国防長官だったロバート・マクナマラの指示で作成された文書「History of U.S. Decision-making in Vietnam, 1945-66(アメリカ合衆国のベトナムにおける政策決定の歴史、1945-1966年)」

これが「ペンタゴンペーパーズ」と言われた機密文書である。

そこには、 トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソンの4政権にわたって隠蔽されてきたベトナム戦争に関する膨大な事実が記されていた。

ベトナム戦争でのアメリカの軍事行動について国民に事実ではない報告をし、政府が平和的解決を追求していると発表されていた時でさえ、軍とCIAは極秘に軍事行動を拡大していたことが記されている。

ペンタゴン・ペーパーズとは、暗殺、ジュネーブ条約の違反、不正選挙、アメリカ連邦議会に対する嘘といった闇の歴史の証拠が記された文書だった。

アメリカは1975年にベトナム戦争から撤退したが、最終的に58,220人のアメリカ兵が死亡し、100万人以上の命が犠牲となる直接の原因となった。ペンタゴン・ペーパーズにより、多くの死者を出す原因となった政府の嘘が暴かれたのだ。

「ペンタゴンペーパーズ」オフィシャルサイトより

映画「ペンタゴン・ペーパーズ」ネタバレなしのあらすじ

ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書「通称 ペンタゴン・ペーパーズ」の存在を、ニューヨーク・タイムズがスクープ。

それにより、ニューヨーク・タイムズは出版差し止め命令を受けた中で、ローカル紙扱いされてきたワシントン・ポストの編集主幹補佐のベン・バグディキアンが文書の全コピーを入手する。

文書を公表するか、もしくは見送るかの決断は、ワシントン・ポスト紙発行人であるキャサリン・グラハムに委ねられた。

最高機密文書の管理、出版に向けての駆け引き、緊張感が存分に描かれている。

キャサリンの決断はいかに?それによってワシントン・ポスト社はどうなるのか?そもそも最高機密文書を盗んだ人、リークした人、それぞれの目的は何なのか?

ペンタゴン・ペーパーズの豪華キャスト

メリル・ストリープとトム・ハンクスの共演!というだけで、映画としてみる価値あり!と思うのは、きっと私だけじゃないと思います。

主婦だったキャサリンが、夫の死をきっかけにまだまだ女性の地位が低かった時代に新聞社のトップに就任する女性を、もしかして本人かしら?と、本人は知らないのにそう思うほどに役柄そのものでした。

トム・ハンクスも然り、自分の仕事、立場、キャサリンへの思いなどが表情から感じられてステキなおじさんでしたねぇ。

ワシントン・ポスト発行人 キャサリン・グラハム

メリル・ストリープ

作品の中で、キャサリンの成長にフォーカスすること提案したのは、メリルだったそう。ピューリッツァー賞を受賞したグラハムの回顧録を読むことで、リサーチを始め「美しい文章で綴られた、心に訴えかける非常に感動的な自叙伝だと思った」とストリープは語っているそうです。

ワシントン・ポスト編集主幹 ベン・ブラッドリー

トム・ハンクス

キャサリンを仕事の面だけでなく、精神的にも支えていたベンは、キャサリンと恋愛関係にはないけれど、友情以上、仕事のパートナーとして以外の、特別な感情をお互いに持っていただろうと感じましたね。

だけど、ふたりとも決してそれは口にしない大人の仕事人。清潔感のある非常に優秀なおじさん役がぴったりなトムでした。

ペンタゴン・ペーパーズ 感想

スクープ記事をタイプライターで打ち込み、赤を入れてスタンバイ。掲載するか否かがまだ決定していない中、じりじりと結果を待っている印刷現場。そして、GOが出たとたん輪転機が回り始め、現場の緊迫感を盛り上げていました。

そこでひとつ感じたこと。

アメリカの新聞の扱い方って雑。仕上がった新聞をまとめるのだって、がさっと束にして少々はみ出して折れてても「no problem」って感じで紐でくくるだけだし、配達の際も新聞スタンドの前の道路にがさっとそのまま投げてるだけだし。雨上がりの道は濡れてるのに、と余計なことが気になりましたね。

最近、日本でも新聞の報道偏重が話題になることが度々ありますが、新聞の役割って本来こうであるべきなのでは?と、疑問を投げかける大きな意味がある映画と感じました。

それと共に、女性が男性社会に進出していくことの難しさ、それを阻む男性の心理等も描かれていて、私は企業で働いているわけではないけど、そうしたことは今でも日本にまだ残っているはずと、そのあたりも非常に興味深かったです。

もっと若い頃は、社会に対して全く興味も関心もなかったので、疑問にすら思わなかったことが、歳を重ねた今はいろいろと引っかかることが多くなり、そんな私にはとても興味深い映画でした。

森本問題もTVや新聞で報道されていることのどれだけが真実なのか??誰にもわかりません。きっと、真相は永遠にわからないままだろうと思います。

ペンタゴン・ペーパーズはアメリカが舞台で1970年代の社会派映画ということもあり、鑑賞している人は概ね私と同じかそれ以上の世代。

若い人にも観てもらえたらなぁーと思ったけど、自分が若かったころはこうした映画に興味なかったしね。仕方ないか。

世界を知る、世間を知る、問題意識を持つ、という意味でおススメの映画です。

オフィシャルサイトには、映画が出来上がるまでの様々なこと、ペンタゴンペーパーに付いて、現在ワシントン・ポストの経営に携わっているキャサリンの子どもたちへのインタビューもボリュームたっぷりに掲載してありますので、ご興味がありましたら非常に面白いと思いますので是非!

新聞社の勇気を描いた他の作品

ペンタゴン・ペーパーズに関するこの騒動は、ある新聞社が良心的な行動を取ったという単純な話には収まらない。それは、脅威にひるむことなく、多くの新聞社や記者たちが団結し真実を語ることで生まれた偉大な力についての物語である。

「ペンタゴンペーパーズ」オフィシャルサイトより

このようにオフィシャルサイトに書かれていたが、これを読んで思い出したのが、同じように新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話実話を元にした映画「スポットライト」

2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載し、社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになった。

ペンタゴンペーパーズは、新聞社の運命をかけた戦い、スポットライトは記者生命をかけた戦いだった。どちらも結局は、個人の保身や欲望、プライドによるものであり、そんなおぞましい腐りっぷりを緊迫感たっぷりに描いている。

ペンタゴン・ペーパーズを視聴できるのはここ



「ペンタゴンペーパーズ」は動画配信サービスU-NEXTで視聴できますが、最新作のため別途¥324かかります。


DVD・Blu-rayも発売中。