映画館で見逃して気になっていた作品が、2013年に起こった爆発テロ事件を基にした「パトリオット・デイ」
爆発事故現場の凄惨な場面も出てくるけど、人って強いんだな、とか、団結の力ってすごいな、とか、前向きな気持ちにもなれるいい作品だと感じました。
この事件のことは、発生から犯人逮捕までが非常に早かったという記憶があるんですね。その早期逮捕に至った経緯を知ることができ、非常に興味深かったです。
「パトリオット・デイ」は、テロ行為だけにフォーカスしたのではなく、人間ドラマもきっちり描いているおすすめの1本なので、もし、動画配信で何観よっかなぁと思ったら、是非この映画も候補に入れてくださいね。
2017年6月公開の映画ですが、動画配信で鑑賞したので、感想を綴ってみたいと思います。感想はネタバレ含みますことをご了承くださいね。
Contents
作品の概略
13年4月15日。ボストン警察の殺人課に所属する刑事トミーは、 「愛国者の日(パトリオット・デイ)」に毎年開催されるボストンマラソンの警備にあたっていた。
50万人の観衆で会場が埋め尽くされる中、トミーの背後で突如として大規模な爆発が発生。トミーらボストン警察の面々は事態を把握できないまま、必死の救護活動を行なう。
そんな中、現場に到着したFBI捜査官リックは、事件をテロと断定。捜査はFBIの管轄になるが、犯人に対し激しい怒りを抱えるトミーは、病院に収容された負傷者たちから丁寧に話を聞いてまわる。
やがて、監視カメラに映っていた「黒い帽子の男」と「白い帽子の男」が容疑者として浮かび上がる。
毎年4月の第3月曜日「パトリオット・デイ」(愛国者の日)に開催されるボストンマラソンの最中、2013年の第117回大会で爆弾テロ事件が発生し、3人が死亡、282人が負傷。
ボストンマラソンは、1897年に創始された歴史のあるスポーツ大会。
主演のマーク・ウォルバーグが演じた「ボストン警察巡査部長トミー」は、映画のために創作された架空の人物ではあるが、負傷した夫婦、犯人に連れ去られる中国人男性は、事件に巻き込まれた実在する人物。
主演のマーク・ウォールバーグは、『ローン・サバイバー』『バーニング・オーシャン』に続き、ピーター・バーグ監督とタッグを組んだ3度目の作品です。
あらすじ&感想
その1 どんなことがあってもおきてほしくない事件
よく晴れた「パトリオット・デイ」(愛国者の日)、歴史あるボストンマラソンの準備に忙しい警察官たち。
その中のひとりが映画のために設定された刑事のトミー。殺人課所属だけど、罰則を受けてボストンマラソンの警備にあたっていました。
ランナーが街を走り、沿道には大勢の観客。2発の爆弾が爆発したことで、楽しく過ごしていた休日のイベントが一転、惨状に。
実際の現場写真 引用元:Wikipedia
辺りは騒然とし、負傷する人、家族や友人を探す人、泣き叫ぶ子供・・・ 救急車が次々とやってきて負傷者が運ばれていきます。
新婚夫婦は近くにいたものの、違う救急車で運ばれ、お互いどこの病院に行ったか、しばらくわからないまま。ベビーカーに乗った男の子を連れていた父親も負傷し、子どもを頼む、と救急隊にゆだねたことから、親子も離れ離れになってしまいます。
騒然とした現場の様子を詳細に描いていて、それが現実に起こったことだと思うと、心の底から怒りが湧いてきましたね。ホント!
死者が3名出て、その中のひとりは8歳の子供。道に横たわっているその子の遺体は、混乱の中、しばらくそこに置かれたままになっていたんだけど、この子を見守れ、と言われた警官は、次の指示があるまでじっとその遺体を見守り続けていました。
この場面がなんとも切なくて、切なくて・・・そして、亡くなった子の親が知ったとき、どんなに絶望するだろうと思うと苦しくて。
そんな中、トミーは警官たちに支持を与え、運ばれた負傷者たちに聞き込みをし、見元確認に奔走するす。トミーは、実在の人物じゃないけど、現場にいた警官たち全てがきっと同じことをしていたのだろうと思うと頭が下がりますよね。
映画を観ていると、全てが事実とイコールではないだろうけど、警官、軍人、消防隊、救命隊、ドクターたちの仕事に対する情熱があってこそ、平和が守られていたり、当たり前の生活があったりする側面もあるんだなぁといつも感じます。
まあ、youtubeに動画がアップされちゃう問題警官もいるけどね。どんな世界にも、仕事にも、熱心な奴とバカな奴といるから、警官に限ったことじゃないか。
その2 提供された膨大な量の情報
特大の捜査本部が置かれ、爆発が起こった周辺の映像を集めるんだけど、その迅速さが見事!
全ての場所に監視カメラが設置してあるわけじゃないから、捜査本部が一般人に写っている写真や動画があれば提供してほしいと呼びかけると、回線がパンクするほどの反応。
現実には、ガセネタもあって、デマが大手メディアに掲載され、混乱を招いたということもあったようです。
多くの善意による情報提供は、早く犯人を捕まえて!という国民たちのメッセージだと感じます。犯人が捕まらなくちゃ、安心して暮らせないですもん。捜査本部も必死です。
提供された膨大な量の画像や動画を解析し、ふたりの男に行きつきます。それぞれに黒い帽子と白い帽子をかぶっていたことから「Black hap」と「White hap」と呼ばれた犯人らしき人物。
その3 ベンツのSUVが盗まれる
犯人は誰か?というサスペンスではないので、最初から犯人が二人組の兄弟であることはわかっています。
爆発を見届けた後、ふたりはテレビを見て犯人像が浮かびあってきていることを知り、逃亡を図ろうとするんだけど、どうやらボストンだけではなく車にたくさんの爆発物を積んで他も狙っている様子。
途中で、ベンツのSUVを路肩に止めていた中国人の男性を人質に車を盗み逃亡。ところが、給油に寄ったガソリンスタンドで中国人男性は、危機一髪脱出し、救出を求め店に駆け込み警察に連絡します。
この中国人男性は、実在する人物として、映画の最後にインタビューを受けていました。彼の勇気ある行動と、車に追跡できるGPSが付いていたことで、ふたりの犯人検挙が早まったと思われます。
その4 町の完全封鎖
実際、こんなことができるんだ!とすごく驚いたのが、犯人が逃げ込んだと思われるウォータータウンを完全封鎖。
住人は決して外に出ないよう指示され、警官が見回り、店も全てクローズ。上から映していた町には、本当に人っ子ひとり見えません。
そんな中、ある住人から庭先に置いてあるボートの中に人がいると通報があります。
さぁーーー!追い詰めていきます。
そうそう、途中でSUVに乗った犯人を見つけ、警察と犯人ふたりが銃撃戦になるんだけど、町の警官たちも勇敢に応戦するんですよ。命かかってますからね。すごいです!
人はどんな理由で仕事を選び、どんな気持ちで任務を全うするのかな?とか、ちょっと考えちゃったりしました。
心がひとつになって奇跡を生んだ実話
エンドロールの前に、実際に指揮にあたったFBI長官、マサチューセッツ州知事、実戦部隊で活躍した警官、足を失った被害者、父親と再会したベビーカーに乗っていた男の子が出てきます。
でもね、みんな感謝の言葉しか述べない。まあ、映画として残る映像だからということはあったとしても、生きていること、みんなが助け合ったこと、力になってくれる人がいたことなどに心から感謝しているんです。
それを見ていると、人って強いなぁと思ったし、現場にいたたくさんの人、被害を知って心を痛めた人たちが、心をひとつにしたからこそ早期犯人検挙につながったのだと思いました。
悲惨な事件だったけど、人の温かさや勇気や強さや、そんな部分に触れることができるすごくいい作品だと思います。
暇だなぁ~と思ったときに、観てみる価値のある作品としておススメ!です。