実話を基にした作品

映画「パッドマン5億人の女性を救った男」に真の優しさを見た!ネタバレ含む

「パッドマン5億人の女性を救った男」のような映画を、どうしてもっとたくさんの劇場で上映しないのかしら?

若いアイドルの恋愛映画とか、CGを駆使した近未来的な映画とか、訳の分からない生物?みたいなのが出てくる映画とか、そーゆーのは全国展開なのになぁ

まあ、製作費がかかっている分、回収もしなきゃならないし、有名どころの配給会社がついていれば、広告宣伝もするしで、仕方ないんだろうけど非常に残念だ。

インド映画の明るさとサクセスストーリーにありがちなトライ&エラーと、そしてインドの男性の大きな愛と優しさを描いた作品は、澱んだ心をキレイに洗ってくれると思う。

サスペンスやアクション映画が好きだけど、たまにはこうしたあったかい話もいいね。と思った作品でしたわ。

あらすじはネタバレ含んでおりますんで、ご注意くださいね。

作品の概略


画像引用元:「パッドマン」オフィシャルサイト

この映画のモデルとなったのは、1962年南インド生まれの「アルナーチャラム・ムルガナンダム氏」56歳。

アルナーチャラムは商用生理用ナプキンを。1/3の低コストで衛生的な製品を製造できるパッド製作機の発明者。

それだけでなく、貧しいインドの女性たちが、自らその機械を使ってナプキンを作って届けるという画期的なシステムを開発し、その活動が高く評価された。

2014年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたほか、2016年にはインド政府から褒章パドマシュリも授与された。

「パッドマン5億人の女性を救った男」オフィシャルサイトから

あらすじ


ここからのあらすじには、ネタバレが含まれます。

大好きな妻が、生理の度に不衛生な布を使用していることから、ラクシュミは薬局で生理用品を購入してくるが、それが55ルピーという高価なものだと知って、妻からは返品してくるように言われる。

そこで、ラクシュミはもっと安価な生理用品が作れないか?と、布地や綿を集め、自主制作に乗り出し、完成品を妻に試してもらうがことごとく失敗。

妻からも、もうほっといてくれと言われ、次は医科大学の学生に協力を求めるが、それも失敗。

そんなことを繰り返しているうちに、村の人々からは変人扱いされるようになり、妻や妻の実家からも非難されるようになってしまう。

そこでラクシュミは、共同経営していた町工場の権利を売り払い、勉強のためにそのお金を持って工科大学の授業を受けようと、出かけていくがうまくいかず、お手伝いとして大学教授の家に住み込む。

教授の授業は受けられず、家にいても教授と話をする暇さえない中、ラクシュミは教授の息子からインターネットで検索して生理用品を作る機械があることを知る。

ただ、その機械は5,000万円以上する輸入品だった。当然、購入することはできなかったが、生理用品に使われている「セルロースファイバー」という繊維のことを知ることになる。

セルロースファイバーを取り寄せ、自作機械によりとうとう清潔で安価な生理用品が完成するが、使ってくれる女性がいない。

というとき、都会から来た女性に自作生理用品を使ってもらえるチャンスが降ってきて、それがラクシュミに大きな成功の機会をもたらしたパリーとの出会いになる。

パリーの父が勤務するデリー大学の発明コンペに参加することになり、ラクシュミの発明はそこで受賞。

というサクセスストーリーだけど、ラクシュミの活躍はそこで終わらない。

作った生理用ナプキンを女性たちに販売してもらい、それで得た賃金によって今度は、女性たちが機械を購入し、自分たちの生理用品製造工場が持てる自立の仕組みを作り上げた。

それによって、インドの女性たちに働く場を提供でき、自立への道を作り、意識改革にもつながり、その功績で2014年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。

ラクシュミとパリーはお互いに思いを寄せいるも、ラクシュミは生理用品を作ろう!と思ったきっかけになった妻の元へ戻っていった。

インドのナプキン事情

2001年頃、インドのドラッグストアで売られていたナプキンは、55ルピー。映像から想像するに、多分10枚ほどしか入っていないのでは?と思われる。

インドは、大都市と地方との格差が日本とは比べものにならないぐらい大きい。オフィシャルサイトを読んでみると、古い資料から調べた当時の地方都市の物価が記してあった。

2001年にもらったチェンナイの中華ファーストフード店「ヌードル・キング」のチラシでは、「野菜焼きそば」が23ルピー、「チキン焼きそば」が32ルピー、そしてソフトドリンクやコーヒーが1杯5ルピーとなっている。

55ルピーあれば、菜食主義者なら2人がドリンク付きの焼きそばを食べられる、という計算。

「ナプキン55ルピー」はドリンク代の11倍の値段なので、今の日本に当てはめてみると、マックのドリンク類が1杯100円としてその11倍、「ナプキン1100円」ということになる。

「パッドマン5億人の女性を救った男」オフィシャルサイトより

2018年日本のナプキンの値段は、10枚で計算するとブランドや仕様で異なるものの、大体200円~400円くらい。それが7年前のインドとなれば、どれだけ高いがよぉーくわかりますよね。

しかも普及率はたったの15%。7年前のことですよ!4億数千万の女性は、布を使っていたんです。どれだけ不便だったことか!

加えて、不浄という意味から、生理になると女性は外で寝る習慣になっていたそうです。

日本もその昔、「月経部屋」として生理中の女性を隔離する部屋があると聞いたことがありますが、2000年以降でも「穢れ」として扱われている国がまだまだあるということです。

感想


なんかね、もう愛が溢れているんですよ。こんなに優しい男性、いるの?と思っちゃう私は、不幸なのかしら?

映画だからかしら?イヤイヤ、世間の人たちに白い目で見られ、親兄弟からも反対され、嫁は実家に帰り、嫁の実家からも罵倒され、それでも続ける根性の源泉は愛!しかないと思いましたもの。

しかも、発明コンペで世の中に自分の発明が認められ、特許もとって普通なら、さあ稼ぐぞ!って段階になってもラクシュミは、大切なのはお金じゃない、自分にお金は必要ない、と言いきっちゃうのね。

アメリカに招かれた際のスピーチが、これまた極上。言葉ってのは、作ろうと思えばいくらでも思っていないことでも作ってしまえるけど、真摯に聞いている人の胸を打つのは、心から出た言葉だと思うのね。

ラクシュミの言葉には愛があります。

生理用品のことは、2018年現在の日本であっても、あまりオープンに男女間で話すことはないし、ましてや生理のことはなんとなく口に出しにくい、と思っているのは昭和世代の私だけかしら?

それなのに、10年以上前のインドの田舎町だったら、どれだけ反感を買った事か!変人扱いされたことか!

ラクシュミは、自分で生理用品を付けて確かめてみたりもしている。そんな勇気のある行動を、どれだけの男が実践できると思う?

それもこれも全部、妻への愛から生まれた行動。すごいわよねぇ

インド映画ならではの踊りと音楽にあふれた映像からは、苦難の道を歩んでいるはずの暗さが一切ない。それがインド映画のいいところかな。

初潮を迎えた少女を女性たちが、花を飾り、歌を歌い、踊りながら祝うシーンがあって、口にできない女性のひみつ・・みたいに扱われている月経が、そのお祝いのシーンをでは喜びに満ちて描かれているのね。

それはきっと、少女から大人になったことへの不安を払拭するだろうし、大人になった誇りも感じるだろうし、それが少女の表情にも表れていて、映画の中でも好きなシーンだったかな。

ただ、彼が発明コンペで受賞しても尚「まだナプキンのことを続けているの!?」と嘆き悲しむ妻の姿はラクシュミもショックだっただろうけど、鑑賞しているこちら側も「えっ?!それでもまだ否定的?」と残念に思う。

妻ならどうぞ成功を共に喜ぼうよ!と思うんだけど、その辺りの意識が当時のインドの田舎では、まだまだ成熟していなかったんだろうな。きっと。

サクセスストーリーではあるけど、女性の意識改革やら自立やら、偏見など、たくさんの要素が詰まった娯楽映画であり、純粋な愛を感じられるピュアな映画だと思う。

世の中から偏見やハラスメントがどうぞなくなりますように。

それではまた。ちゃおっ