Netflixオリジナルでシャーリーズ・セロンが主演するアクション映画「オールド・ガード(The old guard)」
アクション映画は大好物ですし、私の中でシャーリーズ・セロンはハリウッドでも1・2を争うアクション女優と思っているので、見ないという選択肢はゼロです。
それでも最近、あまり興奮する作品に出合えていないし、途中でフェードアウトしたり、寝落ちしちゃったりばかりを経験していたので、それほど期待せず鑑賞し始めましたが、あっという間の2時間でしたね。
物語がどうとかの前に、シャーリーズ・セロンの美しいアクションシーンを見ているだけでスカッとします。
やっぱり美しいってのは、それだけで武器になるものですね。
ではでは、ラストの核心には触れず感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。
作品概略
原題:The old guard
製作年:2020年
製作国:アメリカ
キャスト:シャーリーズ・セロン、キキ・レイン
監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド
原作・脚本:グレッグ・ルッカ
レアンドロ・フェルナンデスがイラストを担当し、グレッグ・ルッカが書いたコミック『The Old Guard』を2017年3月、Skydance Mediaが映画化する権利を獲得。
2018年7月には、原作者のグレッグ・ルッカがコミックを脚本に翻案し、ジーナ・プリンス=バイセウッドを監督に起用。
グレッグ・ルッカは『スーパーマン』『ワンダーウーマン』『ウルヴァリン 』などのアメリカンコミックライターであり、小説家。
2019年3月にNetflixが本作の世界的権利を獲得し、Skydanceとの間で資金調達に合意し、2020年7月に配信された作品。
ざっくりあらすじ
アンディ(シャーリーズ・セロン)をボスとした不死身の能力を持つ傭兵の秘密グループは、何世紀にもわたって人間界を守るために戦ってきた。
しかし、チームが緊急ミッションに参加するために招集され、作戦を遂行しているとき、何者かの罠にはまる。
その後、チームはナイル(キキ・レイン)という自分たちと同じ能力を持つ新人を見つけ、ナイルが加わったグループは、自分たちを罠にはめた敵の利益が絡んだたくらみをつぶすために戦う。
感想
こっちの動画には、原作コミックも紹介されていますが、日本の漫画に比べると絵がざっくりな感じ。
日本の漫画って精巧なんだなぁーと感じました。
シャーリーズ・セロンに痺れまくる
「ミニミニ大作戦」ではミニクーパーを華麗に操るドライピングテクニックに痺れたし、「マッド・マックス怒りのデスロード」では潔いスキンヘッドが似合い過ぎて痺れたし、「ワイルド・スピード ICE BREAK」では狂気と紙一重の悪役ぶりに痺れました。

個人的には、最近のハリウッドアクション女優ナンバー1だと思っております。
登場シーンからして、抜群の存在感。ショートヘアーをタイトにまとめ、黒のサングラス、黒のTシャツに黒パンツ。一部の隙も無い出で立ちで、周囲に目を配る視線すらクール。
あらすじを知らずに見始めたので、敵の罠にはまって銃でハチの巣状態になりアンディ(シャーリーズ・セロン)率いるチームが全滅し、その後すぐに生き返ったときは「あれ?ゾンビ映画?」とちょっとビビっちゃいましたけどね。
ビビりなので、ゾンビ映画やホラーは苦手なんです。
顔にめり込んだ弾丸がボロッと取れたりして、むくむく生き返ったチームは、数十人はいたであろう敵を叩きのめし、アンディに至っては片手に銃、片手に剣のような武器を持つ二刀流。
その身のこなしの鮮やかさに、ブラボーです。
不死身チームの使命
アンディを筆頭にニッキー、ジョー、ブッカーという男子3名、計4人で構成されているチームは、数百年を生き続けている不死身という特殊能力を持っています。
敵の罠にはまったものの、無事生還した彼らは、移動中の列車の中で休んでいるとき、同じ夢を見るんですね。
それは、自分たちと同じ能力を持つまだ出会っていない人物の姿。アンディは3人と行動を別にし、その人の元へ向かいます。
不死身チームには「人を助ける」という使命があり、数百年もの間、たくさんの戦いを潜り抜けてきている影のヒーロー。
マントもないし、変身もしないし、特殊な武器も持っていないけど、「オールド・ガード」はヒーロー映画なんですね。
最初から「コミック原作のヒーロー映画なんだ」と知ってみるより、何も知識がないまま鑑賞した方が、映画の世界に入れるような気がしました。
もうここまで読んでくださった方には、後の祭りになっちゃうけど、知ってから見れば混乱せず安心してみられるというメリットがあるかな。
「人を助けること」が使命だと思ってはいるけど、何をしても世の中が変わらないことに、アンディは疑問やいら立ちも感じているんですね。
だけど、彼らが戦ってきたことはその後の世界にとって、大きな意味があったということが後に明らかになります。
儲け主義の身勝手
アンディたちに罠を仕掛けたのは、元CIAのコプリー。そして、コプリーはメリックという製薬会社のCEOから、彼ら4人を生け捕りにするよう依頼されていました。
その目的は、彼らの特殊能力を解明し、人類の不老不死、治療薬等に応用すること。
表向きは、社会貢献とか言っちゃっているけど、結局はそれが開発できたら大儲けしちゃうよねー、という魂胆です。
映画だし、原作はコミックだし、とは思えない、もしかしたら知らないだけで現実的に似たような人体実験とか、搾取、策略がどこかで行われているかもしれない、とうい空恐ろしさを感じます。
4人の絆プラス1
最年少メンバーが1812年にチームに参加したブッカー。チームは、すでに200年もの間、共に戦っているわけだけど、お互いへの確かな信頼感と愛情は感じながらも決してべたべたと必要以上のつながりを求めていないように感じます。
アンディが新人ナイルを引っ張ってきたときも、ナイルは自分の身に起きたことがまずは信じられず、様々な抵抗をします。
そして、自分を愛してくれている家族と共に過ごしたいと訴えます。そんなナイルに対して、アンディは長々と説得したり、チームへの加入を押し付けたりはしないんですね。
「好きにすれば」と突き放します。
もしかしたら、突き放したところで、不死身な特殊能力を持つ自分たちは協力し合って生きていくしか、孤独から逃れるすべはなく、ナイルは戻ってくるとわかっていたのかもしれませんけどね。
4人は、多くを語り合わないけど、お互いを尊重し、互いの腕を信じ、自分たちの使命を果たすことだけで生きています。
楽しいことや嬉しいことはあるんでしょうかね?使命を果たせたときが、最大の喜びなのでしょうか。
アンディを苦しめているとても悲しいバックストーリーがあって、今作では信頼していた仲間からの裏切りにもあってしまいます。
だけど、裏切ったその真相にアンディへの愛情を感じたりもしちゃうわけで、不死身って決していいことじゃないと感じます。
アンディの武器と続編
今作では、謎の部分も多く残していて、これは絶対に続編があると確信。
アンディが戦うとき常に持っている、先が紋章のようになっている守護神のよう剣。絶対になにがしかの意味が隠されていると思うんだけど、その謎が解き明かされてませんしね。
彼らは、負傷してもすぐに傷がふさがり元に戻るんだけど、アンディはある日の戦いで受けた傷が治らなくなっていました。
人が亡くなるときと同じように、数百年も生き続けている彼らにも終わりがあります。彼女はどうなってしまうのか?
アンディの戦いの象徴である剣をナイルが担いでいたことに意味があるのか?
それ以上に、ラストシーンでは衝撃的な人物も現れます。
メリックという製薬会社から依頼を受けてチームを襲ったコプリーは、性根から腐ったヤツではなく、今は亡き妻の死を経験したことがメリックに協力する動機になっていました。
そのコプリーが、チームに協力することになります。
それで続編なかったら、謎が謎のままで不完全燃焼になっちゃいますからね。
今後の展開が楽しみです。
まとめ
ヒーロー映画やコミック原作の映画はあまり観ませんが、今作は前情報を一切入れずに鑑賞したので、干渉途中で若干迷子になりそうでしたが、とても楽しく最後まで見ることができました。
個人的なイチオシポイントは、なんと言ってもシャーリーズ・セロンのクールな美しさと、見事なスタイルで繰り広げるアクションです。
終始クールなんだけど、人としての感情がないわけではなく、何百年も忘れられずにいる癒えない傷を抱えているし、ぽろぽろと時々こぼれるチームメンバーへの愛情が、アンディを応援したくなっちゃうポイントでもありますかね。
最近、Netflixオリジナル映画で大当たりがなかったんだけど、主役の存在感がやっぱり作品の質に大きな影響を与えると再認識した作品でもありました。
ではまた。