サスペンス

未公開映画「ロストマネー/偽りの報酬」ネタバレあらすじ&感想|いざとなると女は強い

日本では劇場未公開の映画「ロスト・マネー 偽りの報酬」を鑑賞しました。

監督がスティーブ・マックイーン、脚本が「ゴーン・ガール」原作者として知られるギリアン・フリン、そしてリーアム・ニーソン他、豪華俳優陣が出演している作品です。

スティーブ・マックイーン監督は、自由の権利を得ていた黒人音楽家ソロモン・ノーサップが、1841年から12年間、奴隷として送ったという、アメリカで本当にあった事件を映画化したアカデミー作品賞受賞作「それでも夜は明ける」も手掛けています。

映画「それでも夜は明ける」が観られる有料動画配信サイト一覧~洋画編~ 原題:12 Years a Slave 製作年:2013年 製作国:アメリカ(PG12) 日本劇場公開日:2014年3月7...

実は私、スティーブ・マックイーン監督は俳優のスティーブ・マックイーンと同一人物かと思っていたのですが、同姓同名の違う人物です。ご存知でした?

監督のスティーブ・マックイーン氏は、イギリスの映画監督、脚本家、プロデューサーであり、現代アーティストでもあり、「それでも夜は明ける」は黒人監督の映画として、初のアカデミー作品賞受賞作とだそうです。

それでは、劇場未公開の映画「ロスト・マネー 偽りの報酬」の感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレしていますことをご了承くださいね


作品の概略

原題:Widows
製作年:2018年
製作国:アメリカ
監督:スティーブ・マックイーン
脚本:ギリアン・フリン

「それでも夜は明ける」でアカデミー作品賞を受賞したスティーブ・マックイーン監督が、「ヘルプ  心がつなぐストーリー」「フェンス」のビオラ・デイビスを主演に迎えて描いたクライムサスペンスドラマ。

1983年にイギリスで放送されたミニシリーズを原作に、米シカゴで銀行強盗に失敗して命を落とした4人の犯罪者の残された妻たちが、亡き夫たちのやり残した仕事を完遂するためチームを結成し、運命に立ち向かっていく姿を描く。

「ゴーン・ガール」原作者として知られるギリアン・フリンがマックイーン監督とともに脚本を担当。

「ロスト・マネー 偽りの報酬」映画.comより

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映画「ゴーン・ガール」が観られる有料動画配信サイト一覧~洋画編~ 原題:Gone Girl 製作年:2014年 製作国:アメリカ(R15+) 日本劇場公開日:2014年12月12日 上映...

キャスト

強盗犯:ハリー・ローリングス

リーアム・ニーソン

数々の作品に出演している北アイルランド出身の俳優。崖の上のポニョの英語版声優もやっていたのね。ということを思い出しました。最近の作品では「スノーロワイヤル」今後も、いくつかの出演作が控えています。

30年の強盗生活で1度も失敗がなかったという経歴を持っているはずなのに、最後はものすごくあっけなくFBIの襲撃に合って死亡。

妻:ヴェロニカとの間には、ひとり息子がいたものの、事故で亡くしている悲しい過去を抱えています。

リーアム・ニーソン出てるなら、アクションよね、という当たり前の期待を裏切る作品です。ほぼアクションシーンはありません。プライムサスペンスドラマ、と解説にありましたが、ちょっと違うような・・・気もします。

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ハリーの妻:ヴェロニカ

ヴィオラ・デイヴィス

「ヘルプ  心がつなぐストーリー」「スーサイド・スクワット」等、映画・ドラマに出演作多数。サウスカロライナ州出身の女優、プロデューサー。

何不自由なく強盗夫の稼ぎで贅沢に暮らしていたものの、夫の死後、次々に災難が襲い、窮地に追い込まれます。

共に死亡した強盗犯の妻を誘って、現金強奪の計画を立てますが、思いがけない結末が!

死亡した強盗犯の妻:リンダ&アリス

左リンダ:ミシェル・ロドリゲス

右アリス:エリザベス・デビッキ

リンダの夫は、ギャンブルで多額の借金を抱えていたため、夫の死後、リンダは経営していた店を借金のカタに奪われてしまいます。

リンダ役の「ミシェル・ロドリゲス」は、ワイルド・スピードでは、ドム(ヴィン・ディーゼル)の恋人:レティを演じています。

映画「ワイルドスピード」が観られる有料動画配信サイト一覧~洋画編~ 原題:The Fast and the Furious 製作年:2001年 製作国:アメリカ 日本劇場公開日:2001年1...

アリスには子どもがいなかったものの、夫の死後、実の母親から出会いサイトにでも登録して貢いでくれる相手を探さなくちゃね、と言われ、ある男性と付き合うものの、全てがお金に換算されることに傷ついていました。

市長立候補の政治家:ジャック・マリガン

コリン・ファレル

ハリウッドを中心に活躍するアイルランド人俳優。「マイアミ・バイス」がヒット作。その他「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」等、映画・ドラマ共に多数出演作あり。

地盤を継ぐ3代目の政治家。市長選に立候補はしているものの、ライバル候補者に押され気味。そんな状況を父親に非難され、「黒人に負けるな」と言われうんざりな日々。

対抗市長候補:ジャテーム・マニング

ダニエル・カルーヤ

「ボーダーライン」「ブラック・パンサー」等多数の出演作あり。2017年に主演を務めた映画『ゲット・アウト』で国際的な評価を獲得し、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞、英国アカデミー賞などの各主演男優賞にノミネート。

マニングに対抗する候補者。マニングに苦戦を強いるほど、力を付けて行きますが、ハリー率いる強盗犯に、選挙資金を盗まれてしまいます。

政治の世界は、やっぱり駆け引きなんだな、と思わせるシーンもあり、強盗事件だけじゃない側面を二人の戦いで描いています。

ざっくりあらすじ

シカゴを舞台に強盗を働いた4人の強盗犯が、FBIに待ち伏せされ襲撃を受け死亡。その時に強奪した200万ドルは、市長選を控えていた候補者の政治資金。

強盗犯のリーダー:ハリーの妻:ヴェロニカの元に、資金を奪われた候補者の手下が現われ、200万ドルを返さなければ殺すと脅されます。

そこでヴェロニカは、ハリー以外の強盗犯3人の妻たちに、犯罪計画を持ち掛けます。他の3人の残された妻たちにもそれぞれ事情があり、2人がヴェロニカの誘いに乗ることになります。

犯罪計画のヒントになったのが、夫:ハリーが残した犯罪歴や手法、これから狙っているターゲット等が克明に記された手帳。

ヴェロニカがリーダーとなって犯罪計画を立てますが、準備をしている時にヴェロニカはある秘密を知って苦しむことに。

原題が、「Widows(未亡人)」になっているように、この映画は未亡人になった女性たちの生活とプライドをかけた戦いです。

邦題の「ロストマネー/偽りの報酬」だけで映画をセレクトすると、若干内容と乖離していて悩むかも。

確かにお金を盗まれはするし、それが発端となって物語は展開していきますが、軸は未亡人たち。そして、彼女たちが置かれた立場やプライド、男たちから受けていた様々な被害だと思うんですよ。

立候補した二人が「マニング」と「マリガン」で、「マ」から始まるため、混乱しちゃって、字幕を読みつつ頭の中はフル稼働。もっと全然かけ離れた名前を付けてくれればいいのに・・と思っちゃいましたけどね。

核心に触れたあらすじ

強盗達4人は全員が妻帯者で、残された妻たちは悲しみの中でも、生活を続けていかなければならず、強盗犯のリーダーだったハリーの妻:ヴァネッサが、妻たちに呼びかけ犯罪を計画します。

店を奪われ子どもを抱えているリンダと、パパ活をして生活をつないでいるアリスが犯罪計画に加わることになります。

ここ!事情があるからお金が必要、という理由がちゃんと描かれています。そして、強盗を実行する際の運転手が必要になったことで、やはりリンダと同じように、お金を必要としているベビーシッターに声を掛け、計画に加わることに。

ヴェロニカは、常に無表情で高飛車な指示がかなり怖い。それが悲しみを抑えていることによるものか、何かに対する怒りなのか、きっと両方かな。

犯罪計画に加わらなかったもう一人の未亡人の家をある愛犬を連れて訪ねると、ある部屋の扉の前で犬が吠えまくります。

連れ戻そうと扉に近寄ると・・・

扉の前のチェストの上には、スキットルと言われる携帯用ウイスキー入れだと思うのですが、見覚えのあるそれが置かれていました。

そこでヴェロニカはピン!ときます。そう・・・ハリーは生きていたんです

映画の冒頭は、ハリーとヴェロニカのベッドシーン。いかにも二人は愛し合っています!的な始まりだったけど、ハリーは、ヴェロニカが200万ドルもの返済を迫られるような事件を起こし、更にバックレていたわけです。

そんなことないんじゃない?と思いたいけど、ハリーは血も涙もないヤツだったことが後にわかります。

計画通りには行かなかったものの、何とか現金強奪に成功し、4人の女たちが分かれた後、ヴェロニカはハリーが使っていたアジトに戻ると、そこにハリーが現われます。

なんと!ハリーは、金を寄こせ、と言った挙句、ヴェロニカを殺そうとまでしちゃうんですよ。サイテーな男です。

黒人であるヴェロニカは「白人の女と人生やり直そうってわけ?」と言います。このシーンは、お互いに心に何某かのわだかまりがあったんだろうな、と感じます。

更に、二人の間のひとり息子が亡くなったことで、すでにその時に二人の間は壊れてしまっていたのだろう、と察することもできます。

うわべは上手くいっているようでも、お互いに不満を口にはしていなくても、心の中にあった澱は溶けることなくわだかまっていたと思われます。

ただ、溜飲が下がったのは、殺されたのはヴェロニカではなく、逆襲に合ったハリーだったこと。ざまぁーみろ!です。

その後、リンダもアリスもそれぞれが抱えていた悩みは解決し、新しい人生を歩むことになります。

感想

スティーブ・マックイーン監督は、丁寧な描写に定評があるようですが、確かに今作も丁寧に描かれていますが、個人的には丁寧に描かれているがために、前半は若干退屈にも感じました。

盛り上がってくるのは中盤を過ぎてから。そこまでは、事件の背景や二人の市長候補者の様子なども描かれています。

親子の確執、黒人差別、女性差別、男女のプライド、貧困など、登場人物の様々な事情や思いが錯綜します。

クライムサスペンスドラマとはなっているけど、確かにサスペンス的要素はあるものの、女性をターゲットにした人間ドラマって感じでしょうか。

親が亡くなっても、人生そのものがひっくり返るほどは変わらないけど、連れ合いが亡くなると、男女を問わず良しあしは置いといて、人生リセットするほど環境が変わるのかもしれない、とも感じました。

例え連れ合いであろうと、その人の全てを知ることはできないし、知ればいいってもんでもないと思っているけど、相手によって自分の人生が大きく振り回されないよう、心しておかなくちゃいけないかもしれません。

リーアムさん、アクションなくてラクチンだったかしらん?ね?

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