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Netflix映画「グレイス消えゆく幸せ」あっと驚く衝撃のラスト!ネタバレ感想

Netflixで配信されている映画「グレイス消えゆく幸せ(A Fall from Grace)」を鑑賞しました。

個人的に引っかかるポイントがあって「しゃらくせぇ」「ふんっ、ホレ見たことか」「だよねぇ」「胸糞悪いわ」と、言葉汚いですが、てんこ盛りにそんな感想を持ってしまった作品でもあったんですね。

そのポイントはどこか?何故、そう思ったのか?

感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。

アッと驚く衝撃のラストに付いては、さらっとね。

作品概略

原題:A Fall from Grace
製作年:2019年
製作国:アメリカ
キャスト:クリスタル・フォックス、フィリシア・ラシャド
監督:タイラー・ペリー
脚本:タイラー・ペリー
製作:ウィル・アルー、マーク・E・スウィントン

キャスト

グレイス

画像引用元:IMDb

クリスタル・フォックス

1964年1月1日生まれ、ノースカロライナ州トリオン出身。テレビドラマに数多く出演経験のあるアメリカの女優。

グレイスは、夫の浮気を目撃したことで離婚。元夫は息子とそう歳が変わらない若い女性と再婚し、裕福に暮らしていることに対して、なんとなく不満がくすぶっている様子。

銀行に務め、自分の力で家を購入したが、息子は結婚して家を出てしまい独り暮らし。大きな不満はないものの、漠とした孤独を感じる毎日。

サラ

画像引用元:IMDb

フィリシア・ラシャド

1948年6月19日生まれ、アメリカ・ヒューストン出身。映画「クリード」他、数多くのテレビドラマに出演。

グレイスの近所に住む6年来の友人。自宅の部屋を貸し出し、何人かの借主がいる様子。グレイスの話し相手であり、相談相手でもある。

ジャスミン

画像引用元:IMDb

プレシャ・ウェップ

1984年5月6日生まれ、アメリカ・メリーランド州ボルチモア出身。ドラマ「Love That Girl!」のメインキャストとして3シーズン出演。

ジャスミンの口うるさい上司役としてタイラー・ペリー監督も出演。

警察官の夫と暮らす弁護士。グレイスを担当して、上司からは罪を認めるという書類にサインをもらって来いと言われ、刑務所を訪れるがグレイスの無罪を確信。

犯罪者と関わる弁護士の仕事は辛いから将来的には辞めたい、と思っていたのに、上司に大反対されながらもグレイスを裁判で弁護することを決意する。

シャノン

画像引用元:IMDb

メカッド・ブルックス

1980年10月25日生まれ、テキサス州オースティン出身。父は、ナショナルフットボールリーグの元アメリカンフットボールワイドレシーバーだったビリー・ブルックス。

元ファッションモデル。アイビーリーグからのバスケットボールの奨学金とオファーを断って演劇への道へ進む。

グレイスが再婚した写真家。甘い言葉と紳士的な対応で、寂しい思いをしていたグレイスの心の隙にあっという間に入り込んでしまう。

ところが、これがグレイスの人生転落への序章となってしまう。

ざっくりあらすじ

世間の人々も有罪だと確信していた、夫殺しの罪で逮捕されたグレイス。自身も罪を認めているが、担当した弁護士のジャスミンは、グレイスには何か重大な秘密があるのでは?と感じます。

そこにでジャスミンは上司の猛烈な反対をものともせず、調べ始め裁判に持ち込みますが、裁判で戦った経験のなかったジャスミンは惨敗。

ところが、その事件には思いがけない「アッと驚く衝撃の事実」が隠れていました。

あの・・書いててなんですが、この映画はまず観るべき作品です。私はどんなラストであろうと、聞いてから鑑賞することに全く抵抗はありませんが、衝撃のラストが用意されているので、最初にネタがわかってしまうと衝撃度数は低くなります。

「アッと驚く衝撃の事実」に付いては、最後にサラっと書きますが、以上のことを踏まえた上で読んでくださいね。

感想

その1、大人の恋愛

個人的に引っかかったポイントってのがここ。グレイスは成人した息子に孫までいる大人の女性。ひとり暮らしの寂しさや空しさを、友人のサラにポツポツと訴えます。

元夫の浮気現場に出くわして離婚。元夫は裕福で、若い新しい妻とよろしくやっていたら、そりゃあなんとなく不愉快だったり、面白くなかったりする気持ちはわからなくもありません。

だけど、それと自分の空しさや寂しさは別問題。元夫に激しく未練があるなら引きずっていても仕方ないけど、そうでないなら寂しさや空しさは自分で解決するしかないわけですよ。

たまぁーに耳にするのが、十分に大人な女性の「ときめきたい」「愛されたい」「恋をしたい」という発言。

恋をしても、愛されても、寂しいときは寂しいし、恋で空しさが癒されるわけでもありません。

まあ、燃えさかっている恋愛初期なら、空しいなんて感じる暇もないだろうけど、恋愛は空しさや寂しさも後から運んできますからね。

で、やっぱりかっ!とグレイスの心の隙に絶妙なタイミングで滑り込んできたのが、自称写真家の若くてマッチョで紳士でロマンチックなシャノン。

グレイスは警戒しつつもものの見事に恋に落ちて再婚します

言っとくけど、恋愛に年齢は関係ないから、10代だろうと50代や60代だろうと、その浮つきぶりは全く同じです。

でもさ、人生の半分以上を過ごしてきて、若い頃には心が焦げちゃうかと思うほど愛しい相手とも出会う経験はしてきたんだから、ある程度の年齢になったら情熱は恋愛じゃなくて、他のことに注いだらどうだろうか?と私は思うんですね。

中年は恋をしちゃいけないのかっ?と言われてしまいそうですが、うーーーん、いけないとは思ってないけど、止めといた方がいいとは思ってるかな。

ベッドの上で写真を撮られ、若くて逞しい夫は職場に花束を持って現れ、そんなことをされたら女性は嬉しいっちゃ嬉しいけど、それに喜びを見出す自分を想像してみて下さい。

何か違うような気がしませんか?そう思うのは私だけかなぁ・・。

この作品では、グレイスの有頂天ぶりとシャノンとの新婚生活ぶりにかなりの時間が割かれているので「何これ!恋愛映画じゃなかったよね?」と不満に思うほどでしたが、イエイエ、ここで観るのをやめちゃダメですよ。

衝撃のラストシーンが待ってますから。

その2、シャノンはヤバいです。

ま、グレイスがシャノンにメロメロになっていく過程を見ていて、誰しも「シャノン、ヤバくね?」と感じるはず。

詐欺師は言葉巧みです。テクニックにも長けています。人の心を読むのが上手です。

彼も最初のうちは紳士なんだけど、徐々にその化けの皮が剥がれていくんですね。その過程を見ていると、ああやっぱりそうくるよねと感じますって。

画像引用元:IMDb

作品のポスターに「Every woman has a breaking point」と書かれていて、「Breaking point」というのは、【人が耐えられる限度や限界点】のこと。

レベルは違えど、どんな人にも心が耐えられる限界点はあると思います。グレイスが犯行に及んでしまったのも、その限界点を超えてしまったからに違いありません。

人は、自分の尊厳が傷つけられた時、激しい怒りや喪失感を持つと思うんですね。まさにグレイスもシャノンから大きく尊厳を傷つけらてしまいます。

グレイスの罪は「シャノン殺し」。自白もしているんだけど、映画を観ていると「もしかしてグレイスは殺してない?」とも思ってきたりもするんですね。

でもそうじゃない。そんな単純なストーリー展開じゃないから、衝撃のラストシーンにつながるわけですよ。

その3、見事な伏線の数々

映画は、初老の女性が自殺をしようとしている場面からスタートしますが、このシーンがラストにつながります。

そして、ジャスミンがグレイスの事件について調べ始め、仲が良かったサラの家に話を聞きに行くんだけど、その時スッと横切った人影がジャスミンの視界に入ります。ここも伏線。

ジャスミン!誰か通ったじゃん、もっと気にしようよ、サラに聞いてみようよ、とその時は思ったけど、このシーンではジャスミンがあえてそこに触れなかった方がよかったことを後になって感じます。

サラとグレイスが、お酒を飲みつつ話をしている中で、グレイスが「誰かを愛し、愛されたい」と言ったとき、サラが「外に出て出会いを探すの」とアドバイスし、ある展覧会の招待状だったか、チラシだったかを渡すんだけど、ここもまた後になって「ああ、だからか!」と感じるシーンです。

シャノンが写真家だったことも、なるほど!そのためだったのか、とグレイスに対する裏切り行為が露呈したときにわかります。

でもさ、愛されたいと思えば思うほど、孤独と戦わなければならないと私は思うんだけど、どうですかね?ひとりでも十分楽しい!という生活を目指せば、孤独感はなくなると感じるんだけど。

あ、もちろん、人と関わらないという意味じゃありませんので、悪しからず。



ここから先は、ラストシーンのネタバレも含まれます。

その4、死体がなくても有罪?

グレイスはシャノンに尊厳を傷つけられ、元夫との出来事で傷ついていた心に塩を塗るようなことをされ、シャノンをバット状のこん棒で何度も殴るんですね。

そして、地下へ続く階段に投げ捨てます。

だけど、警察が来た時、血液反応はあったものの、シャノンの死体は見つからなかったのに、自白したということでグレイスは有罪になっているし、世間もグレイスを非難する意見ばかり。

死体がなくても有罪になりんですかね?

しかも求刑は、釈放なしの終身刑ですよ。夫殺しを軸にした物語なのに、ちょっと乱暴かも、とは思わなくないけど、死体が存在しちゃうとラストにつながらないから仕方なかったのかな。

その5、ボコボコだけど生きていた

こん棒でボコボコにされ、地下に投げ捨てられたにも関わらず、シャノンは生きていたんです。あんなに殴られたけど、それでも生きてたの?と感じましたけど・・・。

シャノンの毒牙にかかったのは、グレイスだけでなく、大勢の被害者女性が地下に監禁されていました。

でも、そんなに被害者がいたのに、事件になってなかったのか?事件になることを防ぐために監禁していたってこと?ですよね。

被害者に親族はいなかったのか?複数の捜索願が出されていたとしたら、そこから事件が発覚していた可能性もあったのでは?などなど感じましたが、大人になってからの恋愛は、若い頃より警戒心を持つべき、という教訓にもなりました。

まとめ

あれ?あれれ?と思うシーンはあったけど、ラストの大どんでん返しは見事でした。

グレイスとシャノンの蜜月シーンがちょっと長すぎるのが、私にはちっと鬱陶しかったですけどね。ま、そこがあったからこそ、シャノンの極悪非道ぶりとグレイスの絶望ぶりが浮き上がるのかもしれません。

適度なハラハラ感と、サイコパスな要素も盛り込んだ、家でサクッと楽しめる映画になっていると思います。

恋愛相手を選ぶときは、騙されないようくれぐれもご注意を!