お気に入りのイギリス制作ドラマのひとつが「キリング・イヴ」
U-NEXTの独占配信となっているため、シーズン1を鑑賞後に一度退会したものの、今作シーズン2が配信になったと知りもう一度入会しましたさ。
私のその熱意を裏切らない面白さでございましたねぇ。
個人的にイギリスドラマは大好きで、暗くて重い作品が多い印象だけど、今作は暗殺者、サイコパス、という不穏なワードが並ぶドラマでありながら、随所にユーモアを感じられて重すぎずに見られる印象。
ではでは印象に残った部分の感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含まれますことをご了承くださいませね
Contents
作品概略
原題:Killing Eve
製作年:2019年
製作国:イギリス
キャスト:サンドラ・オー、ジョディ・カマー
監督:ジョン・イースト
脚本:エメラルド・フェンネル
原作はルーク・ジェニングスのスリラー小説『ヴィラネル』シリーズ。
シーズン1振り返り
教師である夫と穏やかな生活を送っていたMI5の職員イヴ・ポラストリ。
ある日、ロシアの政治家が暗殺された事件をきっかけに、MI6のキャロリンが統括する極秘チームにスカウトされ、リーダーとして暗殺者を追うようになる。
暗殺者であるサイコパスのヴィラネルは、謎の組織の指示で動いていた。ヴィラネルは自分を追うイヴの存在を知り、いつしかイヴに激しく執着するようになり、ヴィラネルを追っていたイヴもまた彼女の魅力に取りつかれていく。
イヴは、パリのヴィラネルの部屋でヴィラネルと出くわし、イヴはヴィラネルを刺してしまう。
シーズン2ざっくりあらすじ
イヴに刺されたヴィラネルは、自力でタクシーを拾い病院へ。そこからしばらく、ヴィラネルはついていない日々の連続。
組織に連絡するとコンスタンティンの替わりに新しい連絡役レイモンドが現れるが、ヴィラネルは彼が気に入らない。
そして、病死とされていたIT業界の大物アリスター・ピールの死因に不審点が見られ、調査を続けていたチームはヴィラネルの仕業では?と疑うが、イヴはヴィラネルの手口とは違うと主張。
新しいゴーストと呼ばれる暗殺者によるものでは?という結論に達し、イヴのチームはゴーストの捜査にヴィラネルの協力を仰ぐ。
そして、ヴィラネルはアリスター・ピールの息子アーロンと共にローマへ。
シーズン2から登場する主なキャスト
レイモンド:コンスタンティンの替わりの新しいヴィラネルへの連絡役
アーロン:殺害されたIT業界の大物アリスター・ピールの息子。彼もサイコパス。
ジェス:イヴの同僚
ヒューゴ:イヴの同僚。イヴと共にローマへ。
感想
U-NEXTの独占配信となっているイギリス制作のドラマ。
シーズン2では、パリから始まりイギリス、アムステルダム、ローマとヨーロッパの各地を巡るので、風景と個性的なヴィラネルのファッションが楽しめます。
ブラックユーモア
パリでイブに刺されたヴィラネルは、自力でタクシーを拾い病院前で落とされ、無事生還するんだけど、何しろ行き倒れていたわけで着の身着のまま。
ファッショナブルな美しいヴィラネルは、しばらくの間ダサい極みに置かれ、それもまたかわいかったりするんですね。
病室の隣のベッドに事故で入院していた男の子に「何か着るものない?」と尋ね、貸してもらえたのがなんと!DCキャラクタープリントのパジャマ。
そして、ピチピチ!
ナースステーションで盗んだ靴が、チャームのついたクロックス。
その出で立ちで、盗んだ薬を詰め込んだビジネスバッグを下げて歩いている姿は、笑い以外の何物でもなく、Wikipediaで今作のカテゴリーを「ブラックユーモア」としていたのも納得です。
まあ、ここだけならブラックではないけど、ちょいちょいブラックユーモアを挟み込んでくるので、それもまた今作の魅力になっています。
もしかしてイヴも?
シーズン1では、精力的にヴィラネルを追うイヴが彼女になんとなく惹かれていく様子だったけど、シーズン2ではイヴがヴィラネルに執着し、次第にヴィラネルと同化していくような様子を見せます。
教師の夫ニコともすれ違うことで隙間風が生じ、上手くいかなくなっちゃうだけど、自覚している愛情は確かにニコにあるのに、心の奥深くでは優先順位がヴィラネルにある。
それをニコも感じちゃうんですね。
挑発的で自己顕示欲が強くい謎を秘めた美しさのあるヴィラネルに惹かれていただけならよかったんだけど、もしかしたらイヴもサイコパスな要素を持っているんじゃない???と思わせるシーンがあります。
シーズン2では、それがはっきりとしたわけじゃなかったけど、もしかしたら今後、そうなっていくかも?という含みを持たせているような気もします。
ヴィラネル、ローマへ
最初こそ、ピチピチのDCキャラクターパジャマで行動を闊歩したり、助けてもらった男の家では、Theイギリス的な匂いのするトラディショナルなネグリジェ?みたいな寝巻を着ていたりと、ファッショナブルなヴィラネルはどこ?というダサさにがっかりもしちゃったけど
レイモンドから依頼を受けて仕事をしたヴィラネルは、期待を裏切らない買い物をして蘇るんですよ。
なんせ報酬は、金額大きいですから。
イヴのチームから依頼され、アーロンと共にローマに行くことになったときは、アーロンから「欲しいものは何でも与える」と言われます。眼を輝かせるヴィラネルですが、彼女が本当に欲しいのは物ではないと私は感じます。
刺激、高揚感、そうしたことがない日々はヴィラネルにとって「boring(退屈)」でしかない。
だからね、大好きなイヴから頼まれたこともローマに行く理由にはなっていたかもしれないけど、きっと刺激的な旅になるに違いない!という期待もあって行ったのかな、と思います。
ヴィラネルとイヴの思い
To new beginnings. 🥂 #KillingEve pic.twitter.com/9dAHcYClO5
— Killing Eve (@KillingEve) January 1, 2021
お互いにお互いを思っていることを自覚はしているけど、イヴにとってヴィラネルに惹かれることは危険と隣り合わせ。
「信頼している」とは言っても、ヴィラネルは自分が心を寄せている人も裏切られたと感じたり、自分の意に沿わないことが起こると簡単に殺してしまいますからね。
イヴを演じているサンドラ・オーは、コメディアンでもあるからか、表情がものすごく豊かです。
嫌悪感、戸惑い、恐怖、処理しきれない感情など、とても複雑な心の変化を見事に表現しているし、いつでも地味な服装で、ほぼすっぴんなのに時々ドキッとするほど妖艶な表情も見せます。
彼女の態度や表情を見ているだけでも飽きないって、すごくないですかっ?!
そんな二人の関係は、近づいたり離れたりしながらも心の親密度を増していくように感じます。
↓
↓
↓
すでに鑑賞した方と共有する感想
IT業界の大物アリスター・ピールを殺したのはヴィラネルじゃないと感じたイヴが、姿なきゴーストと呼ばれている暗殺者を追い詰め捉えますよね。
だけど、ゴーストは吐かない。
そこで、聞き出してほしいとイヴに頼まれ、ヴィラネルはゴーストを監禁している森の中のコンテナに出向きます。
コンテナの中で何が行われていたかはわからず、ヴィラネルが出てきたときにはゴーストは拷問を受けたような印象ではなかったけど、白状していました。
何があったんだと思います???どんな手を使ってヴィラネルは、ゴーストを吐かせたんでしょうかしらね??
ここ、謎なんですよ。後々わかるんですかね?
アーロンとローマに行ったヴィラネル。とてつもなくゴージャスなホテルに滞在。
他にお客が見当たらなかったのは、もしかしてホテルを貸切った?恐るべしアーロンの財力です。
何かあったときの合言葉は「紳士」
マイクからヴィラネルの声をキャッチしていたイヴは、ヴィラネルが「紳士」という言葉を発したことで助けに行きます。
だけど、広い部屋に平和に座って食事をしていたアーロンとヴィラネル。ヴィラネルは、「よく使う単語だもん」みたいなことを言ってたけど、きっとイヴが本当に助けに来るかどうか確かめてみたんだと思うんですね。
そうしてイヴはいつでも彼女に振り回されている。
だけど気持ちはどんどん惹かれていく。
ワルなオトコはモテるとか、悪女に惹かれるとか、現実でもそういうことはありますもんね。
最後は、ヴィラネルの作戦にハマったことを知ったイヴが起こってヴィラネルの元を去ろうとして撃たれてしまいましたが、さてさてシーズン3はどんな展開になるのやら。
楽しみでございます。