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「アルテム型破りな心理学者」ネタバレ感想|クライアントの悩みが興味深い#5-7

前回は、U-NEXTで鑑賞したドラマ「アルテム型破りな心理学者」の前半1話から4話までの感想を綴りましたが、今回は5話から7話。

ドラマ「アルテム型破りな心理学者」こんな荒療治あり?と思うけど目が離せない感想初のロシアドラマは、アルテムという前科者の心理学者が主人公。どうしても人の目やルールに縛られて生きているから、アルテムの常識にとらわれない、ルールは自分、結果よければオッケーじゃん、というところにちょっとした気持ちよさがあります。...

毎回、クライアントの悩みとそれを解明していく過程やがとても興味深いドラマです。

5,6,7話の題材については、こういう悩みを抱えている人、身近に結構たくさんいるかもなと感じました。

それでは感想を綴ってみますが、ネタバレも含みますことをご了承くださいませね。

感想

画像引用元:IMDb

5話 痛みへの渇望

ある建築会社の社長:グリゴーリは、パワハラ全開で社員のミスは大声で怒鳴り散らし、罵詈雑言の嵐で打ちのめします。しかも他の社員が見ている前で。

プライドはズタズタです。黙ってグリゴーリの怒りを受けていた男性社員は遂にプチっと決壊。PCを投げつけ、グリゴーリに殴り掛かります。そりゃそうだよ。あなたは悪くない、いや悪かったとしても、そうなってしまうのは仕方ない。

観ているだけで辛きなってきまよ。こんな上司だったら、絶対社員は定着しない。

無能な者を無能と言って何が悪いと言い放ち、しかもパワハラの自覚はない。なんか、昭和な匂いですよ。最悪なおっさんです。

話しはそれるけど、先日ニュースで出社途中のサラリーマンへの「なぜ、出社しなければならないのか?」というインタビューの答えが「ハンコを押さなきゃならないから」と。

びっくり仰天ですよね。時代は、平成も終わった令和ですよ。

だけど、きっとまだまだそんな中小企業がたっくさんあって、日本から捺印という習慣はなくならないのかな?と暗澹とした気持ちになりました。前例がないから、習慣だから、そんなことを言ってちゃ、時代の波に乗り遅れた化石になっちまうわよね。

私も完全に昭和の人間ですが、時代が変わってきていることくらいは理解しているつもり。

でね、グリゴーリが社員が疲弊しているようだから職場環境を変えたい、とアルテムのところに相談に来ます。そして、アルテムは助手のマトヴェイを社員として潜入させます。

会社の問題点はあなただ、とアルテムから指摘されたグリーゴーリは、憤慨するもののなんとなくの自覚はあるような様子。

だけど、経営者たるもの、他人からそれを指摘されるのは本意じゃないし、自分じゃなく他の人の問題としてすり替えたいプライドもあるわけですよ。

肉体的痛みで精神的痛みを和らげている、とアルテムは分析。だから必要以上に社員のミスをあげつらい挑発して、肉体的痛みが自分に及ぶように仕向けているのだと。

その原因は、ある事故でグリゴーリの部下が9人も亡くなったことが原因になっているとアルテムは突き止めます。9人も亡くなったのに、自分は生きていたことに対する自責の念から、痛みを受けることで贖罪の替わりにしていた心理があったということが解明されます。

誰でも、望まない事柄にぶち当たることはあるし、自分が望んでやっていたことに対して必ずしも望んだ結果が得られない場合もあります。

物事の大小やその人の性格で、受け止め方は違うでしょうが、反省することは大事かもしれないけど、必要以上に自分で背負ってしまうと心が対応しきれなくなっちゃうってことです。

そんな時おススメなのは、身体を動かすこと。グリゴーリも肉体的痛みを他の人から殴られることに求めるのではなく、ボクシングや格闘技をやっていれば違ったかもしれません。

悩んだときは運動を!と、おすすめしたい。

6話 理想の夫婦

ニキータとリズ夫婦がスーパーで買い物をしていた時、ブロッコリーを取りに行った夫:ニキータの姿が見当たらなくなり、探しているとバックヤードで中年の女性と浮気真っ最中の現場に遭遇してしまいます。

だけどさぁ、妻と一緒に買い物に行って、その場で浮気って、ちょっとねー。そんなに慌てなくても、後でゆっくりとしっぽりすればよかったのに。

現場を目撃してしまったリズは、カウンセリングのためニキータを連れてアルテムを訪れるわけです。

そこでアルテムが言い放ったのは、「浮気は酒の過ちと認めて謝る、浮気がやめられないなら別れる、二者択一」と。そうですか?

リズは呆れてその場を後にしますが、後日、アルテムは夫のニキータと二人で話をします。

リズは弁護士で、容姿も魅力的なんだけど、浮気相手は中年の太ったおばさん。人の好みはそれぞれだから、そこは他人がとやかく言うことじゃないけど、ニキータはもうリズのことは愛していない、浮気相手と一緒になる、と言います。

だけど、リズは別れたくない。

リズとニキータの様子を見ていると、ニキータが別れたくなるのも無理はないのかも、と思えたりもします。

どことなく高圧的だし、服従させているような態度だし、発言が全て自分中心。ニキータにとっては、誰が見てもリズより容姿は劣り、年上の太ったおばさんの方が、素の自分でいられる、落ち着く、などの安らぎがあるんだろうな、と感じます。

だけど、リズにしてみれば中年の太ったおばさんに自分が負けるなんて、女としてのプライドが許しませんよね。

本当は、そこで競うことに全く意味はないんだけど、女心ってのはそんなもんです。

地位も名誉もある男が、愛人にする女性は妻よりも若くて美しいというのはドラマの中の相場だけど、実際には、そうとも限りませんから。

人の好みや癒しってのは、他の人には理解できない複雑な側面があるってことです。ふんっ。

そして、リズはアルテムに「あなたが私たちの関係を壊した。だから訴える」と言い出します。弁護士ですからね。

そんなリズをアルテムは人ごみに連れ出し、リズに本心を自覚させる荒療治をします。

リズにとってニキータとの結婚は、自分が思い描いていた理想の夫婦像を演じることであって、それにそぐわないニキータの行動は許せなかった、というリズの本心を引き出すんですね。

賢いリズは、それに気づきニキータを手放す覚悟ができるんだけど、何年か経ったときにニキータが、太った年上のおばさんと暮らしている自分をどう思うか?ちょっと知りたいですけどね。

まあ、結婚生活ってのは忍耐との闘いでもあると思っているので、誰と一緒になってもそれほど変わらないかもしれません。

何を優先するか、自分にとっての平和や安らぎをどこに求めるか、ってことかな。とはいえ、若いとそうしたことが判断できなかったりもするんですけどね。歳を重ね、結婚生活を経験してから感じることってのは山のようにありますから。

7話 愛情表現

流産3回、人工授精は2回行ったけど妊娠に至っていないカップルの妻クスーシャが、精神的なことによるかもしれないと、産婦人科医に紹介されてアルテムのところへやってきます。

カウンセリングは、夫婦関係の細かいところにまで及び、次回は夫婦で来るようアルテムが指示をします。

夫を伴ってやってきたクスーシャ。事務所にベッドマットを用意し、アルテムは彼女たちにそこで4時間愛し合うよう言います。

「バカげている。何故、そんなことをしなきゃいけないんだ」と怒り出した夫に、「医者が盲腸を切るのに理由を聞きますか?」とアルテムは部屋を出て行ってしまいます。クスーシャは何も損はしないんだからやってみようと、ことに及ぶわけです。

まあ、盲腸切る理由は聞かないけど、そこでやれ!と言われたら、フツー理由聞くよね。

クスーシャは、愛情表現が営みの回数とイコールを思っている節がある。ふたりは部屋を出てきたとき、愛情表現に対する認識の違いから口論になります。

回数=愛の深さ」では決してないし、お互いの望みが叶っていない行為は、すれ違いの元にもなるから、恥ずかしいけどきちんと話し合う必要があるわけだけど、クスーシャ夫婦にはそれが出来ていなかったことがわかります。

更に、母子家庭だったクスーシャは、忙しい母に愛されていた記憶がなく、母親が付き合っていた彼と別れたとき、「お前のせいだ」と母親から不幸を娘のせいにされていた辛い過去があります。

そのため、クスーシャは愛されなくなることを恐れていたし、子どもを産まないと夫に愛されなくなるのではないかと思っていたんですね。

不妊治療は、とても根気のいることだし、夫の協力がなくてはできないことだし、精神的にも肉体的にも辛い思いをします。

だからこそ、それまでは仲の良かった夫婦が不妊治療をきっかけに気持ちがすれ違っていくこともある。それじゃ、本末転倒ですよね。

クスーシャの心の問題は、夫との関係とは別のところにあったことがアルテムによって明らかになりよかったんですよ。その後の夫婦関係は、きっと改善していくだろうし、望んでいた子供も授かることができるような希望を感じます。

アルテムの周りの人間関係

1話ずつアルテムの元にクライアントが悩みを相談に来て、それはほぼ1話で完結しますが、全体を通してアルテムと父親、妹との確執、別れた妻ダーシャとの関係、息子を巡る駆け引きも描かれています。

更にアルテムは、自分が刑務所に入れられる原因となった事件の真相も探っていて、助手のマトヴェイがいい仕事をするようになってくるんですよ。

画像引用元:IMDb

最初に会ったときは、ママの言うことに逆らえないボクだったのに、出しゃばり過ぎず、要所を抑えた動きをしています。

アルテムの元妻ダーシャは、無職になり児童施設に子供を連れていかれてしまうという事件が起こるんだけど、それからというものアルテムの家族に対する態度が冷たい。

まあね、子どもが大事なのはわかるし、アイツがやったんじゃないか、と疑っていたらそいつの前でいい人にはなれないけど、それでもそんないい方しなくても・・・という暴言を吐きまくる。

何事もはっきり言えばいいってもんじゃない、と少なくても私の世代はそう教育されてきたので、そこは、もしかしたら文化の違いがあるのかもしれません。

あとは、翻訳の仕方にもよるかもしれませんしね。日本語にはあるけど、ロシア後にはない表現とか、またはその反対とかね。

言葉って難しいです。

まとめ

アルテムを演じているのは、マクシム・マトヴェーエフというロシアの俳優ですが、脱いだらすごいんですよ。バキバキのシックスパック。

もしかしたら・・・個人的に披露したかったりしてない?と思うシーンがあるっちゃある。もしかしたら・・・そういうシーンがあるから鍛えた、と言えるっちゃ言える。

私は前者だとにらんでいるんですけどね。

さて、アルテムの治療法は確かに型破りかもしれないけど、クライアントの悩みを掘り下げたり、原因が明らかになったりする過程に、気持ちが解放されるヒントがたくさんあるようにも思います。

悩みのない人はいないし、同じ事柄でも捉え方は人それぞれ。辛かったり、イライラしたり、行き詰ったら走ってみましょう。

汗を流すとスッキリするよ。じゃ、続きを鑑賞するかな。

ドラマ「アルテム型破りな心理学者」こんな荒療治あり?と思うけど目が離せない感想初のロシアドラマは、アルテムという前科者の心理学者が主人公。どうしても人の目やルールに縛られて生きているから、アルテムの常識にとらわれない、ルールは自分、結果よければオッケーじゃん、というところにちょっとした気持ちよさがあります。...

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