3月にU-NEXTから、配信がスタートしたロシアのドラマ「アルテム型破りな心理学者」を鑑賞してみました。
どうも最近、Netflixで興味を持っていかれるドラマや映画が見つけられず、ちょっと見ては止め、また次を見ては面白くなくて止め、を繰り返し迷走しています。
初のロシアドラマは、アルテムという前科者の心理学者が主人公。
型破りな方法でクライアントの悩みを解決しつつ、自分が収監された原因になった患者の自殺について、自分の無実を晴らそうとするドラマです。
どうしても人の目やルールに縛られて生きているから、アルテムの常識にとらわれない、ルールは自分、結果よければオッケーじゃん、というところにちょっとした気持ちよさがあります。
それでは、1シーズン全15話の前半の感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含まれますことをご了承くださいませね。
作品概略
英題:Trigger
製作年:2018年
製作国:ロシア
キャスト:マクシム・マトベエフ、スヴェトラーナ・イワノワ
監督:ドミトリー・トリノ
脚本:レオ・ムルゼンコ
動画だと、興味を惹く煽ったような編集をしているように感じます。
これだけだとスピード感のある過激なサスペンスのようですが、過激な部分がないわけじゃないけど、この動画から受ける印象とはちょっと違うかも。
ざっくりあらすじ
患者を自殺に追い込んだことで刑務所に収監されていた心理学者アルテム。仮出所が認められ、友人の事務所を借りて、また心理学者としてクライアントの診療を始めることに。
心に闇を抱えた人、どうしても治らない悪癖、トラウマから抜け出せなくて日常生活に支障をきたしている人が、アルテムに相談にやってくる。
だけど、離婚した元妻と上手に距離が取れていないし、実の父親との確執もあり、更にアルテム自身も心に闇を抱えている様子。
クライアントの問題を破天荒な方法で解決しつつ、自殺して亡くなった患者の死について自分が無実であることを証明しようとする。
前半の感想
このドラマは、現在シリーズ1のみ全15話。4話までしか見ていないので、前半の感想を綴ってみたいと思いますが、ネタバレも含んでいますことをご了承くださいませね。
見ただけでわかるの?
刑務所から仮出所したアルテムが、飛行機の中で隣り合わせた親子。母親は息子に対して威圧的で、息子は母親に逆らえない様子。母親の指示通りのことができなかった息子に対して「母親も守れないようじゃ、あなたは結婚できないわね」と言い放つ。
ムカつく親なんですよっ!そんなこと言います?
ムカついたから先が観たくなる、これって製作者の策略にまんまと乗せられたってことですかね?
それを隣で見ていたアルテムが「こういう母親の子は殺人鬼になる。ママは君とそっくりなパパに捨てられたんじゃない?パパへの復讐だ」と。
その後、親友と再会し、その彼女にも会って親友に「あのオンナは、君の金が目当てだ。きっとケータイをねだってくる」とアドバイスし、確かに彼女はケータイが壊れて使えないのぉ~と言ってくるわけ。
心理学者は、人の話しや生い立ちや様々なことを聞いて分析し、問題解決していくんですよね?
アルテムが人を見ただけ、もしくは本の少しの会話からその人のことを言い当てるのは、ちょっとイージーじゃないか?とは思うものの、そこはドラマだし、そうした能力も併せ持っているかもしれないし、と思いながら観ればいいかな。
父親との確執
心に闇を抱えている、トラウマがある、といった場合、必ず原因があり、アルテムはクライアントと対話する中でそれを探っていきます。
そして、クライアントが抱えている問題と原因が明らかにして治療をしていくんだけど、それが絶対に認められないよね?という破天荒な方法。
そんな方法で治療をしているアルテムを同業者である父親は、何とかして阻止しようとしているんだけど、アルテムは自分の腕のよさを父親が妬んでいると思ってる。
本当はどっちなのか?父親の愛情か、それとも息子に対するジェラシーか?徐々にそこらへんも明らかになっていくだろうと思うと、先を見続けたくなります。
クライアントたちの悩み
飛行機の中で隣り合わせた親子の息子:マトヴェイは、アルテムの言葉が気になって、家を飛び出しアルテムの秘書に志願します。
母親の前ではおどおどしていたこの青年が、なかなかいい仕事をしていくから、マトヴェイの成長を見守りたい気持ちにもなっちゃうんですよ。
事務所を訪れるクライアントは、様々な悩みを抱えています。でもさ、悩みを抱えずに生きてる人なんていないでしょ?
だけど、日常生活に支障がきたすほどになってしまう境界線ってのは、どこにあるんでしょうね?なんてことを思いながら見続けます。
自傷行為がどうしてもやめられない青年。自分でやってはいけないこと、という認識があるのに、何かをきっかけにその気持ちが抑えられなくなります。
夫の死を受け入れられず、夫が亡くなってしまったのは自分のせいだという思いがどうしても払しょくできず、罪悪感と喪失感から抜け出せず、それが怒りになっていつか誰かを殺してしまうかもしれない、と悩んでいる女性。
昇進が決まったものの、エレベーターに乗れず何度も乗り過ごして汗をかいているビジネスマン。知り合いに会ってエレベーターに押し入れられた時、パニックを起こしてしまいます。
自分では閉所恐怖症と言っていたものの、電車も車も乗れるし、観覧車も問題ない。彼のトラウマは、閉所ではなく幼い頃に兄から受けた仕打ちによることが判明。
クライアントの悩みやトラウマになった原因が突飛なことではなく、「こういうことってあるよなぁー」と思える現実的な事柄なので、アルテムの治療法は確かに型破りではあるけど、次のクライアントはどんな悩みを抱えているのだろうと興味が途切れません。
破天荒な治療法
自傷行為がやめられない男性は、誰にも言えない秘密を抱えていて、そのストレスが自傷行為という形で表れていたんだけど、そのことに対して自覚はない。
ある時、その男性がアルテムの前で爆発し「もう我慢できない、切りそうだ」と言うと「じゃあ切ればいい」と突き放しちゃう。
男性にとっての自傷行為は、身体的な痛みで精神的なストレスを忘れる、と言うことだったんですね。
私たちも精神的ストレスを感じると、やけ食いする、大泣きする、走る、カラオケで歌いまくる、みたいなことしますよね?
それも精神的な痛みを他で紛らわす、という点では同じかもしれません。
夫の死を乗り越えられない女性に対しては、墓地に穴を掘り「墓に自分が入るか、夫の遺品を入れるか、選択しろ」と迫ります。女性はどちらも選ぶことができない。
執着って、誰にでも大なり小なりあると思うんですね。執着しすぎると日常生活に支障をきたします。
絶対に別れた方がいいよね、と周りが思うようなダメ男と付き合っている友達、いませんか?その女性にとって、彼は唯一無二の存在で、私が付いていなきゃ、と思うかもしれないけど、それって愛情でもなんでもなくて単なる執着ってことが往々にしてある。
別れてみれば、何であんなに思い込んでいたんだろう?と思えるのに、付き合っている頃にはそれがわからない。多分、小さい頃の持っていなきゃ眠れないぬいぐるみとか、毛布とか、そんなのと変わらないのかもしれません。
人は、何かに依存しているとちょっと安心するのかもね。
と、話しは逸れましたが、詳しくは書いていないけど、解決に至るまでのアルテムが取る方法は、確かに型破りです。次はどんな手に出てくるのか?というところも楽しみではあります。
元妻との関係
アルテムには、ダーシャという別れた妻がいます。でもねぇ、ダーシャに対するアルテムの思いもまた、執着のような気もします。
アルテムが出所したとき、ダーシャはすでに違う恋人と一緒に住んでいました。
ところが、アルテムはあるパーティに恋人と一緒に来ていたダーシャにみんなの前で「自分に比べて今の恋人が勝っているのはどこか?」という質問をします。
サイテーですよね。そんなことを言う男とは、別れて正解!と思いますよね。
更にアルテムは「他の人を忘れるために彼を利用している」と言っちゃう。それって、自分を忘れるために、今の恋人と付き合ってるってことが言いたいわけでしょ?サイテーの2乗。
でもね、ダーシャはそのことがきっかけで、恋人に別れを告げてしまう。アルテムの発言は方向違いではなかったと言うことですかね?
だからと言って、2人のヨリが戻るわけじゃないけど、関係性は微妙な感じで続いていきます。ダーシャもアルテムを拒絶しながら、複雑な気持ちを抱えているのかもしれません。これは最後にはヨリを戻すかもね?
前半まとめ
クライアントたちの悩み、アルテムを取り巻く人間関係、マトヴェイの成長っぷり、型破りな治療法で巻き起こるトラブル、そんなこんなが見届けたくて見続けちゃうドラマです。
ロシアのドラマは多分、初めてですが、ロシアと言えば石畳、石造りの建物・・そんなイメージだったので、近代的な街並みや建物にちょっとびっくりしました。
えっ?時代錯誤?かもしれません。それこそ、思い込みはいけないね。
「アルテム型破りな心理学者」はU-NEXTで配信中です。
