洋画

映画「パピヨン」は実話?囚人から小説家になったアンリ・シャリエールの生涯

勉強しなければいけなかった学生時代は、勉強が嫌いだったのに、勉強をしなくても誰も何も言わないこの歳になると、何故か知識欲が出てくるってこと、ありませんか?

私は記憶力がトンと弱いため、歴史等は全くもって苦手だったため、恥ずかしいほど何も知りませんっ!

ところが、好きな映画となると、俄然「知りたい欲求」がむくむくと頭をもたげ、今回はパピヨンの主人公でもあり、映画の基になった自叙伝を書いたアンリ・シャリエールについて調べてみました。

デビルズ島の刑務所に収監されたアンリ・シャリエールが体験したことを書いた小説が映画化されているので、実話とも言えますが、自叙伝の内容については諸説あるようです。

スティーブ・マックイーンがアンリ・シャリエールを演じた「パピヨン」は、もう40年以上も前の作品。

リメイク版に興味がある方は、ふたつ見比べてみるのも面白いかもしれませんね。

では、アンリ・シャリエールの生涯をざっくりご紹介!

実話か?についての真実

1906年に南フランスで生まれたアンリ・シャリエールは、1931年に殺人事件の容疑者として無期懲役になり、いくつかの施設を経て、フランス領ギアナのデビルズ島の刑務所に収監されます。

何度も何度も脱走を試みて、1944年にココナッツの実を入れた袋を用い、遂に脱走に成功しベネズエラに渡ります。

そして、アンリ・シャリエールはベネズエラの市民権を手に入れ、1969年に獄中の生活を描いた小説『パピヨン』を発表しベストセラーとなって、その小説が映画化されたわけです。

アンリ・シャリエールが自身の経験を綴った小説が基になった映画であり、アンリ・シャリエールは小説がほぼ真実であると主張したものの、研究者の間では、他の受刑者の体験によるものではないか?という説もあります。

デビルズ島とは?

画像引用元:Wikipedeia

デビルズ島(英語: Devil’s Island デビルズ・アイランド)の名で知られるディアブル島(フランス語: Île du Diable イル・デュ・ディアブル)あるいは悪魔島は、南米のフランス領ギアナにある島。

フランス領ギアナの北海岸沖合い11kmにある面積14ヘクタールほどの小島で、1852年(ナポレオン3世の第二帝政期)にフランスの政治犯など重犯罪者を収容するための監獄が島に設置された。

1946年に廃止されたが、現在でも監獄の建物の跡地が残っており観光客が訪れている。

Wikipedeia ビルズ島より

フランス政府は、1938年に島へ流刑者の移送を中止し、1952年に刑務所は永久に閉鎖されたそうなので、アンリ・シャリエールがデビルズ島から脱出した1944年には、新しい流刑者が送られていなかった時期になります。

作品の概略

スティーブ・マックイーン主演で1973年に公開された「パピヨン」は、1931年に無実を訴えながら終身刑となったものの、脱獄してベネズエラ市民権を得たアンリ・シャリエールの自伝小説を映画化した作品です。

アンリ・シャリエールの胸には、蝶のタトゥーが入っていることから「パピヨン」と呼ばれていました。

アンリ・シャリエールを演じたのがスティーブ・マックイーン、親友のルイ・ドガをダスティン・ホフマン。リメイク版ではチャーリー・ハナムがアンリ・シャリエールを演じ、ルイ・ドガがラミ・マリック。

ダスティン・ホフマンが演じていたルイ・ドガを見送りに来た女性は、アンリ・シャリエールの実の妻であり、登場する囚人の多くは実在の人物。

胸にちらっと蝶のタトゥーが見えますね。

余談ですが、リメイク版でアンリ・シャリエールを演じるチャーリー・ハナムは、Netflixのオリジナル映画「トリプル・フロンティア」にも出演していて、この作品は、個人的にNetflixオリジナル映画の中でもお気に入りの1本。

ご興味がありましたら是非!

Netflixおすすめ映画「トリプルフロンティア」ネタバレ感想/2億5千万ドルはどうなる?

1973年版はフランスとアメリカの合作でしたが、リメイク版はアメリカ・セルビア・モンテネグロ・マルタ合作になっています。

脱獄映画の金字塔とも言われる1973年製作の「パピヨン」を、「パシフィック・リム」のチャーリー・ハナムと「ボヘミアン・ラプソディ」でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックの共演でリメイク。

胸元に蝶の刺青をしていることから「パピヨン」と呼ばれる金庫破りの男は、身に覚えのない殺人の罪で終身刑を言い渡され、南米ギアナの絶海の孤島にある刑務所に投獄される。

過酷な強制労働と、横暴な看守たちからゴミのように扱われる日々が続き、脱獄を決意したパピヨンは、紙幣を偽造した罪で逮捕された男ドガに目をつけ、ドガを守ることと引き換えに逃亡費用を稼ごうとする。

やがて2人は奇妙な絆で結ばれていくが……。

オリジナル版同様、作家アンリ・シャリエールが無実の罪で投獄された実体験をもとに執筆した小説を原作に、オリジナルでスティーブ・マックイーンが演じた主人公パピヨン役をハナム、ダスティン・ホフマンが演じたドガ役をマレックが務めた。

「パピヨン」映画.comより

作品のモデル:アンリ・シャリエールの生涯は?

画像引用元:IMDb

フランスで生まれたアンリには、二人の姉がいましたが、母親は彼が10歳の時に亡くなっています。17歳でフランス海軍に入隊して2年間奉仕し、その後はパリの暗黒街の一員となります。

殺人事件で終身刑を宣告され、アンリ・シャリエールは否定するもフランスのカーンにあるトランジット刑務所で短時間の投獄の後、フランス領ギアナの刑務所に移送されます。

アンリの自叙伝によると、1933年11月28日に最初の脱出をしますが、37日後にはコロンビア北部カリブ地域でコロンビア警察によって捕まり、刑務所に戻され、そのしばらく後に フランス領ギアナのデビルズ島の監獄に送られます。

アンリは小説の中で、デビルズ島を強制収容所と表現したようですが、実際には強制収容所ではなかったし、独房に閉じ込めた記録もないと言われています。

何度か脱走を試みて、1944年遂に脱獄に成功し、海を渡りベネズエラに到着。そこで1年間投獄され、その後ベネズエラ市民として釈放されたそうです。

ベネズエラに定住し、そこで結婚後、カラカスとマラカイボにレストランをオープン。

1969年に自叙伝「Papillon」を出版。1970年に殺人罪に対しての恩赦を受け、それによって再びフランスに住むことが許され、パリでの出版にこぎつけます。

1971年には、アンリ・シャリエールが書いた小説を原作とした映画『太陽の200万ドル』が公開され、俳優として出演したんですって。

1973年7月29日にスペインのマドリッドで癌により死亡。

亡くなる前にアンリ・シャリエールは、映画を撮影しているスティーブ・マックイーンに会っているそうです。

まとめ

20代で収監され、何度も脱獄を試みて、実際にベネズエラに渡ったのが30代の後半。後に恩赦になったという記述はありましたが、アンリ・シャリエールが主張した無罪が認められたという記述は見つかりませんでした。

かなり昔のことなので、真偽は定かではありませんが、収監され何度も脱獄を試みたことは事実だったようです。

40年前のスティーブ・マックイーン主演作と、チャーリー・ハナム主演作を見比べてみると、映画の技術や俳優の個性による違いがあって面白いかもしれませんね。

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